2020年9月24日木曜日

糖尿病

定年までに2型糖尿病発症の可能性!

 日本では30歳の男性社員の3人に1人、女性社員の5人に1人は、65歳までに「2型糖尿病」になる可能性があるそうです。

 関東、東海地方に本社を置く国内12企業と社員およそ10万人が参加する「J-ECOH研究」では、糖尿病歴がない30~59歳の男女、5万3,828人(男性4万6,065人、女性7,763人)の追跡データを解析しています。


「2型糖尿病」の定義は、健康診断の検査で、(1)過去1~2カ月間の血糖状態を反映するHbA1c値が6.5%以上 (2)空腹時血糖値が126mg/dL以上 (3)随時血糖値が200mg/dL以上のいずれかを満たす、もしくはすでに糖尿病治療を受けている場合としています。2008年からの追跡期間中、男性3,339人、女性248人が、新たに2型糖尿病を発症しました。

 さらに30歳時点で健康な会社員が65歳までに2型糖尿病になる累積罹患率を計算したところ、男性が34.7%、女性が18.6%でした。つまり、男性の3人に1人、女性のおよそ5人に1人が65歳までに2型糖尿病を発症する可能性がある、というわけです。

 BMI(体格指数)ごとにリスクをみた結果、BMI 30以上(肥満)の男性が65歳までに2型糖尿病を発症する確率は77.3%、女性は64.8%、またBMI 25以上~30未満(過体重)では、それぞれ49.1%、35.7%でした。例えば、30歳時点で「ちょっと太り気味かなぁ」という男性の半数は、定年間際に糖尿病と診断されかねないのです。

 研究者は「日本の会社員は男女ともに糖尿病リスクが高い」とし、「若年者の肥満予防、糖尿病早期発見プログラムが必要」と警鐘を鳴らしています。

 実際、「座りっぱなし」「長時間労働の影響による食生活の乱れ」「慢性的な睡眠不足」と、日本の会社員の生活環境は2型糖尿病の危険因子だらけ。一部の企業では患者を対象とした血糖管理プログラムを提供していますが、予防までは手が回りません。結局一人ひとりが自衛するほかないのです。何はともあれ、余暇にはしっかり身体を動かすこと。ツケを後半生に回すのだけは避けたいものです。

(出典:https://diamond.jp/)


■糖尿病と康復対応

 糖尿病は、血糖値をはじめとする数値で判断され、数値を下げることが第一目標とされる場合が多い病気です。

 そして高血糖状態が続くと血流や血管(特に微小循環)への負荷が高まります。

 糖尿病を放置しておくと合併症を起こしてしまいます。糖尿病の合併症には網膜症・腎症・心筋梗塞や、脳卒中を起こす動脈硬化などがあります。境界型糖尿病(耐糖能障害)でも10年以内の動脈硬化の発症リスクが正常型の2倍になることが分かっています。糖尿病治療の本来の目的は、合併症への対処です。それには、やはり末端の微小循環の血流の改善が基本であると言えます。

 康復医学は、微小循環の血流改善を基本に、糖化ヘモグロビン・糖化たんぱく質対策、エネルギー代謝の促進、過食・偏食の抑制などをもって糖尿病に対応します。


 微小循環の血流改善  ヘモグロビンは酸素と結びついて細胞に酸素を届けますが、糖化したヘモグロビン(HbA1c)は酸素を寄せ付けなくなり、細胞に十分な酸素が行き届かない状態になってしまいます。康復医学学会の主要研究生薬の「HM-3000(特系霊芝)」には、酸素の供給量を促進させる2,3-DPG(2,3-ジホスホグリセリン酸)という物質の産生に影響します。また2,3-DPGには、HbA1cの生成を阻害する作用も確認されています。


 エネルギー代謝の促進  :糖が消費されるのは、細胞内の小器官であるミトコンドリア内で大量にエネルギーが生産されるときです。このときにミトコンドリアの活性を促進させる最も重要な栄養素が「コエンザイムQ10(Co-Q10)」です。Co-Q10は、効率的にエネルギー産生させ、糖の消費量を増やすのです。


 過食の抑制  :糖尿病になると、食事制限などでストレスが生じます。また、食べてもなかなか満足感が得られず、必要以上に食べてしまうという悪循環に陥ってしまいます。これはストレスで脳内セロトニンの分泌が抑制され、セロトニンの量が不足しているのが原因のひとつと言われています。これには康復対応の「ラフマ葉エキス」が効果的です。ラフマは、脳内セロトニンの増加とセロトニン神経通過性の安定が期待できます。


 糖尿病の食事は糖質制限のみならず、塩分や油脂分も制限、味は薄味傾向が強制され、うま味も乏しくなります。満足感が得たいのでついつい過食になりがちです。

 そこで、和食の基本である「だし」の使用が重要になります。だしの風味には油脂に匹敵する高度なおいしさがあるのです。現代社会が"だしの力"を軽視してきた結果、日本人は油脂と砂糖、塩の味に"やみつき"になってしまい、糖尿病も増加の一途をたどっているのです。お勧めは混合だし。昆布+鰹節でうま味は5~7倍、昆布+干しシイタケでうま味は10倍以上の相乗効果が得られます。もちろん化学調味料はNGです。


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愛・感謝 村雨カレン

2020年9月17日木曜日

胃の病気

ピロリ菌は糖質と塩分がお好き?

 ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、胃の粘膜に棲みつくらせん形をした細菌です。

 胃は強酸性の環境のため、細菌が棲みづらい場所です。しかし、ピロリ菌は「ウレアーゼ」という酵素を作る力があり、尿素を分解してアンモニアを生成することができます。 このアンモニア(アルカリ性)で酸性を弱め、胃の中に存在しているのです。そして、除菌しない限り、一生棲み続けます。

 ピロリ菌は、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、そして胃がんの原因として挙げられています。ピロリ菌に感染したからといって、必ずしも潰瘍やがんが発症するわけではありません。ピロリ菌に様々な環境因子(ストレス、アルコール、精製糖質等)が重なり合って胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がん等を引き起こします。


ピロリ菌は糖質がお好き

「高グルコース(ブドウ糖)は、ピロリ菌の増殖と生存率を促進する」(Journal of Biomedical Science 2014; 21(1): 96)という論文があります。高血糖体質の人はピロリ菌を増殖させることが分かっており、この論文では、高血糖に気を付けるよう喚起しています。

 では炭水化物が全てダメかというとそうではなく、胃に直接届く精製糖質が良くないと言っています。玄米など食物繊維が多い炭水化物が最終的に分解されるのは小腸・大腸であり、胃では糖質までには分解されません。一方、砂糖、果糖ブドウ糖液糖、そして胃で精製糖質に分解される可能性のある白米、精白小麦などはピロリ菌の餌になるので注意が必要です。

 ピロリ菌に糖質を与えるとピロリ菌増殖経路(ペントースリン酸経路)を刺激します。またピロリ菌が糖質を代謝する際に副産物として出される乳酸は、腫瘍形成の環境を作りやすいといわれています。

 日本の研究(福岡県久山町研究)でも、「高血糖はピロリ菌感染によるリスクと胃がんリスクを増加させる」という報告がされています。


ピロリ菌は塩分がお好き

 動物実験では、ピロリ菌を感染させても一匹も胃がんになりませんでしたが、多量の塩分を与えると、胃がんが頻発しました。塩分はピロリ菌によるコロニー形成を促進し、炎症や潰瘍そして腫瘍の形成を招いてしまうのです。ピロリ菌は、ナトリウム依存性の糖輸送体を利用して、糖質を取り込むことが分かっています。


■主な胃の病気

 ピロリ感染症 

 ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)は主に口から侵入し、幼少期に感染すると言われています。自然界にはほとんど存在せず、感染者の胃の中にだけ存在するため、何らかの形(口移しの食事や嘔吐等)で経口感染することが推測されています。感染すると組織学的な胃の炎症が起こります。炎症が持続すると胃や十二指腸の潰瘍、胃がんが発症しやすくなります。

 現在は、保険診療で除菌ができるようになり、抗菌薬2種類と胃酸を抑える薬の3剤を1週間服用します。成功率は1次除菌が70~80%(新薬の登場で90%)、失敗すると2次除菌を行いますが、その成功率は90~95%とされています。

 除菌には薬を使いますので副作用が出ることもあります。軟便、下痢、味覚異常など比較的軽い副作用が多いのですが、まれに出血性腸炎等を引き起こすこともあります。


 胃がん 

 胃がんは、胃の粘膜にある細胞が、何らかの原因でがん化して発生します。がんの種類別の死亡者数は男性で第2位、女性で第3位と報告されています。このようなデータを見ると治りにくいがんと思うかもしれませんが、胃がんは早期に見つかれば95%以上が治癒すると言われている治療成績のよいがんでもあります。

 ただし早期の段階では自覚症状は出にくいので、早期発見、早期治療のためには、たとえ症状がなくても定期的に内視鏡検査を受けることが非常に重要です。

 病期は、胃がんが胃の壁の中にどのくらい深くもぐっているのか(深達度)、リンパ節や他の臓器への転移があるかどうかによって決まり、それによって治療法が決まっています。 

 早期に発見できれば内視鏡治療が行われます。お腹を切らずに内視鏡で治療しますので入院期間は短く、体への負担は非常に少なくすみます。


 機能性ディスペプシア 

 機能性ディスペプシア(functional dyspepsia:FD)は、内視鏡査を受けても胃、十二指腸潰瘍や胃がん等の病気がないのにも関わらず胃が痛い、胃がもたれるなど様々な胃の症状を訴える病気です。

 原因については、胃の運動機能異常、内臓の知覚過敏、胃酸の分泌異常、ピロリ感染、精神的ストレス、不規則な食事など様々な要因が考えられます。

 治療は胃酸分泌抑制薬、胃の運動機能改善薬、抗不安薬、漢方薬等を使用します。また最近は機能性ディスペプシアそのものに保険適応のある薬剤も登場しています。またピロリ菌の除菌で改善することもあります。

 FDは、様々な要因が関与しているためそれらを考慮しながら個々に応じた治療がされます。


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愛・感謝 村雨カレン

2020年9月9日水曜日

免疫

 “免疫力”という言葉は不適切?

 新型コロナウイルスの流行以降、「免疫力」という言葉をよく見聞きするようになりました。しかし、学問の分野では「免疫力」という言葉は使われていません。むしろ、この言葉は不適切であると言えるのです。

 そもそも「免疫」とは何でしょうか。免疫学は免疫について研究する学問で、非常に広範囲で専門性が高く、多くの学者がしのぎを削って研究している医学分野の一つです。日本人の貢献も有名も大きく、利根川進先生や本庶佑先生は免疫学分野でノーベル賞を受賞しており、日本人によって数多くの発見がなされています。

 ヒトの身体は、常に病原体の侵入や増殖の脅威に晒されています。細菌・カビやウイルス、寄生虫などが、体内に侵入して増えることで、病気=感染症が引き起こされます。それを阻止するために常に働いているのが免疫です。

 免疫の重要な機能として「自己と非自己を見分ける機能」「病原体等を侵入・増殖させない機能」「一度晒された病原体に即応する機能(免疫記憶)」「異常な『自己』を判別する機能」等があります。免疫は大きく「自然免疫」「獲得免疫」に分かれます。自然免疫系は病原体のパターン等を認識して即応的に働く免疫システムであり、獲得免疫系は病原体等に対してより特異的な反応をする細胞等の活性化や調整により成り立つ複雑なシステムです。特に獲得免疫系では、ウイルス等に付着して抵抗する「液性免疫」を担う抗体と、それを産生するリンパ球の一種「B細胞」や、「細胞障害性T細胞」を中心とする細胞性免疫があり、これらを調整する役割の細胞もたくさんあります。

 大事なことは、免疫というのは「システム」であり多数の細胞などのネットワークによって担われた「様々な機能」を持つものであるということです。「免疫力を上げて強い身体を作る」‥‥雰囲気はわかりますが、システムのどの部分をどうすれば免疫力が上がったことになるのか。全ての免疫細胞が頑張れば「免疫力が上がった」ことになるのか。新型コロナウイルスによる COVID-19では、多くの免疫細胞が広く強く活性化して「サイトカインストーム」が起こることがあります。「免疫力が上がっている」と言えそうです。しかし、これは、すなわち"重症化"していることを示しています。「免疫力」が上がると病気が重症化して時に死亡してしまう‥‥?

 さらにアレルギーは免疫細胞が活発に活動することで症状が出る疾患です。これも"免疫力アップ"の結果と言えるでしょうか?


「免疫力」‥‥この言葉は結局、雰囲気で使われていて、どこまでも不適切な感じがします。、免疫は雰囲気で解釈するものではありません。 

※峰宗太郎先生:医師(病理専門医)・薬剤師・研究者(出典:https://news.yahoo.co.jp/)


■免疫系の構成要素

 免疫系には以下のような多くの構成要素があります。

●白血球=免疫細胞

顆粒球  好中球、好酸球、好塩基球がある。好中球(食細胞)は細菌やその他の外来細胞を捕食し、殺傷する。好酸球は捕食するには大きすぎる異物を殺傷し、寄生虫を動けなくして殺傷するのを助け、がん細胞の破壊を助ける。アレルギー反応にも関与する。好塩基球はヒスタミン(アレルギー反応に関与する物質)を放出し、好中球と好酸球を問題のある部位に引き寄せる物質をつくる。

リンパ球  :B細胞やT細胞、NK細胞などの獲得(特異)免疫を司る白血球。T細胞は獲得免疫に関与し、ヘルパー、キラー、制御性の3種類がある。また、B細胞は特定の抗原に対する抗体を作り出す。抗体の産生は抗原によって活性化される。

樹状細胞  :通常は組織内にある白血球に由来する細胞。T細胞が異物の抗原を認識するのを助ける。

●抗体(免疫グロブリン)

 B細胞によって作られるたんぱく質。侵入物の抗原にしっかりと結合し、攻撃用の印になったり、侵入物を直接中和したりする。

●補体系

 体を守るための一連の反応に関与する一群のたんぱく質で構成されており、例えば、細菌や外来細胞を殺傷する、マクロファージが外来細胞を認識して捕食しやすくする、マクロファージや好中球を問題のある部位に引きつける等によって体を守る。

●サイトカイン

 免疫細胞等から分泌されるたんぱく質で、免疫系の情報伝達物質として働き、免疫反応の制御を助ける。

●ヒト白血球抗原(HLA)

 自己と非自己の区別を可能としている一群の標識分子。組合せは人によってほぼ固有であり、すべての細胞の表面に存在している。

●インターロイキン

 ある種の白血球から分泌され、他の白血球に影響を及ぼす伝達物質(サイトカイン)の一種。

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「HM-3000(特系霊芝)」は免疫系に対して調整的な双方向性があるため、免疫機能の亢進による病態(アレルギー、アトピー、リウマチ、膠原病、甲状腺機能異常、劇症肝炎、糖尿病等)や、免疫機能低下に関わる病態(細菌・ウイルスによる感染症、エイズ、傷口治癒の慢性化、腫瘍の発生等)にも有効な作用の発揮が期待できます。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2020年9月3日木曜日

植物油脂の危険性

 “ラクトアイス”は健康的?

 昔から多くの人に愛されているのがアイスクリームです。観光地ではたいていソフトクリームが売られていますし、コンビニのアイスクリーム用の冷凍庫は、冬でも商品がぎっしり詰まっています。それだけ需要があるということでしょう。

 コンビニのアイスクリーム用冷凍庫に詰まったいろいろな商品は、よく見るとアイスクリームばかりではありません。「アイスクリーム」「アイスミルク」「ラクトアイス」「氷菓」の4種類があります。

 一番わかりやすいのが氷菓です。カップに入ったかき氷タイプ、アイスキャンディタイプとありますが、いずれも清涼飲料水が凍ったのと同じで、砂糖の塊です。

 わかりにくいのはアイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイスの違いです。この3つは成分によって分けられます。

アイスクリームを名乗るには、乳固形分15%以上、乳脂肪分8%以上が必要です。アイスミルクは乳固形分10%以上で乳脂肪分3%以上、ラクトアイスは乳固形分3%以上となっていて、商品の成分表示にもそれが書かれています。


「健康のため脂肪分が少ないラクトアイス」は大間違い!

 この成分表示を見て、「健康のために少しでも乳脂肪の少ないラクトアイスにしておこう」と考える人が結構います。しかし、この判断は大間違いなのです。

 ラクトアイスはアイスクリームと比べて乳成分が少なくなっています。それでもアイスクリームに近い味を出すために、植物油脂と乳化剤・香料などの添加物を足しています。

 そうした植物油脂には「トランス脂肪酸」(心疾患のリスクを高めることがわかっている不自然な合成油)というとても体に悪い物質が含まれています。そんなものを選ぶくらいなら、少しくらい高価でもちゃんとしたアイスクリームを食べたほうがずっと健康的です。

 ちなみに、飲み物に入れるミルクもどきの「コーヒーフレッシュ」も同様です。あれはミルクではありません。植物油脂と水に、乳化剤・香料という添加物を入れたものです。

 ラクトアイスはアイスクリームではありませんし、コーヒーフレッシュはミルクではありません。もう、それふうのニセモノを口にするのはやめるべきです。特にアイスクリームは子どもにも食べさせる機会が多いと思いますので、ぜひ正しい知識を頭に入れておいてほしいものです。

(出典:https:// https://diamond.jp/)


■トランス脂肪酸の危険性

 トランス脂肪は今、世界で最も危険視されている脂肪酸です。しかし日本人でそれに気付いている人はまだわずかなようです。トランス脂肪は、不飽和脂肪を加熱し水分を蒸発させ、脂肪を凝固させたもので、もとは不飽和脂肪だったものを飽和脂肪にしています。こうした脂肪は人工のもので、自然には存在しないものです(天然の動植物の脂肪中にも少量存在)。作られる一番の理由は、安く長持ちするうえ、扱いやすいからです。

 海外の消費者はトランス脂肪の危険性に気付き始めました。2018年までにアメリカではトランス脂肪は全面規制の対象となり、ヨーロッパでも禁止か厳しい制限があります。

 世界保健機関(WHO)は、2003年から食品中のトランス脂肪酸から摂取するエネルギー量を、総摂取エネルギー量の1%よりも少なくすることを示しています。また、油脂を加工するときにできるトランス脂肪酸を減らすための行動計画「REPLACE」を公表し、トランス脂肪酸の低減を進めるよう各国政府に呼びかけています。日本では、トランス脂肪酸については、健康影響が飽和脂肪酸に比べてかなり小さいと考えられる等から、目標量は定めていません。ただし、厚生労働省もトランス脂肪酸の摂取量を総摂取エネルギー量の1%相当より少なくすることが望ましいとしています。

 トランス脂肪は、糖類とともに、糖尿病、高血圧、コレステロール疾患、心臓血管の病気、癌、リウマチ性関節炎、カンジタ症、アレルギー、うつ、慢性疲労などあらゆるものに関与するとされています。トランス脂肪は身体にとって異物であり、細胞を損傷させる働きをする危険な物質なのです。砂糖や人工甘味料と同様に、そのダメージは蓄積していくことになり、相乗的な悪い効果が推測されます。

 マーガリンと呼ばれる物質は部分水素添加植物油で作られたバターの模造品、つまりトランス脂肪酸の一種です。マーガリンとは、本来、屠殺用の家畜を太らせるための二級のバターであって、分子式の水素を増やすだけでプラスチックに早変わりする代物なのです。

 トランス脂肪酸は「植物油脂」と表示してあるものの多くに入っています。サラダ油、ドレッシングオイル、市販のマーガリンやショートニング、パン、クロワッサン、加工食品その他に入っています。

 中国や韓国でも表示義務がちゃんとありますし、中国でのトランス脂肪酸の漢字表記は「反式脂肪」です。いかにも体に悪そうですが、韓国の大企業でも自国内で販売するものは、トランス脂肪酸を全く使わないか、使っても制限はしているようです。


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愛・感謝 村雨カレン