2026年3月25日水曜日

慢性疲労症候群

 日常生活も困難な "慢性疲労症候群"

 ある日突然、座っているのさえつらいほどの疲れに襲われる。微熱や頭痛が続き、朝起きることもできなくなってしまう。これらの症状が伴い、20~40歳代の女性を襲うことが多いのが慢性疲労症候群(CFS:Chronic Fatigue Syndrome)です。

 CFSは、近年ME/CFS(筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群)という別称でも呼ばれ、長期間続く強い疲労感を主症状とする病態です。通常は6か月以上持続する全身の著しい疲労があり、休んでも回復しない、日常生活や仕事、学業に支障を来す点が特徴です。

 原因は完全には解明されておらず、ウイルスの感染後に発症するケースや、免疫系・自律神経系の異常、代謝や内分泌の乱れ、遺伝的素因、ストレスなどの環境要因などが複合的に関与すると考えられています。

 主な症状としては、次のようなものがあります。

▼生活が著しく損なわれるほどの強い全身倦怠感(安静や睡眠で改善しない) ▼身体的・精神的な活動後に増悪する「労作後悪化(PEM)」 

睡眠障害(熟睡感が得られない、不眠) 

認知機能の低下(思考が鈍る、記憶障害、集中困難) 

筋肉痛・関節痛、頭痛、のどの痛み、リンパ節の腫れ等の身体症状 

▼起立性低血圧や頻脈など自律神経症状を示すこともある

 CFSには特異的な検査や生体マーカーは確立していません。診断は主に症状と経過の評価、他の疾患(甲状腺疾患、うつ病、睡眠時無呼吸症候群、自己免疫疾患など)の除外に基づく臨床的診断です。国やガイドラインにより診断基準が複数あり、代表的なものは米国CDC基準や国際基準などです。

 根本治療は確立していませんが、症状改善を目的として、以下のような多面的なアプローチによる生活管理が行われます。

●エネルギー管理(ペース配分、活動を小分けにして行う)によりPEMを避けることが重要。

●睡眠改善、痛みや起立性不耐症など個別症状に対する薬物療法。

●リハビリテーションは無理のない範囲で段階的に行うが、強引な運動療法はPEMを誘発するリスクがあり注意が必要。

●心理社会的支援(認知行動療法など)が生活の質改善に役立つ場合があるが、万能ではない。

●職場や学校での配慮(短時間勤務、休職、支援制度の活用)が必要になることが多い。

 予後の経過は個人差が大きく、一部は自然軽快しますが、長期にわたり症状が残る人も少なくありません。労作後悪化が強い場合は、重度の活動制限や自宅・ベッド上生活になることもあります。病気の見えにくさから誤解や偏見を受けやすく、社会的支援や医療体制の充実が課題です。

 該当する症状に悩む人は、一般内科を受診して疲労の原因となる他の病気が隠れていないか確認した上でCFSの対策を実践するのが望ましいとのことです。

(出典:http://kenko100.jp/)


■慢性疲労症候群、原因は脳の機能低下

脳内炎症と神経機能障害

 PET検査を用いた研究では、CFS患者の脳内に多々ある炎症がみられることが報告されています。炎症が生じた部位は、認知機能の低下、うつ症状、頭痛や筋肉痛などの神経症状と相関していることがわかっています。特に扁桃体や海馬特定、帯状皮質などの部位の炎症が、慢性的な疲労感や精神症状の原因とされています。

免疫異常とサイトカインの影響

 慢性疲労症候群の多くは、身体的・精神的なストレス、遺伝による問題、ウイルスの再活性化などが複合的に絡み合って発症します。ストレスや免疫力の低下により、潜伏感染していたウイルスが再び注目されることがあります。 体内でサイトカイン(TGF-β、IFN、TNF、IL-1など)の異常が分泌、脳や神経系に悪影響を及ぼします。これらのサイトカインが神経伝達物質の働きを狂わせ、脳の低下を引き起こす可能性が指摘されています。

機能低下が起こる症状

 脳機能が低下すると、認知機能障害(記憶障害、注意力の低下、思考力・判断力の低下)、抑うつや不安、見当識障害、言語異常などが起こりやすくなります。

セロトニン神経の低下

 慢性疲労症候群患者の脳全体を調べたところ、右図の白点線部分のみでセロトニン輸送体の量が減少していました。これは、セロトニン終末(神経線維の末端)の数の減少を表していると解釈されます。

 同時にセロトニンの分泌量が減少していて、この部分でセロトニン神経が機能低下していると考えられています。

現状の課題と今後の展望

 慢性疲労症候群の発症メカニズムはまだ完全には解明されていませんが、脳機能の低下を客観的に診断する技術の進歩や、炎症を中心に治療法の開発が期待されています。

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 慢性疲労症候群のような、日常生活に支障をきたすほどの疲労に対して、康復医学学会では「コエンザイムQ10(Co-Q10)」をお勧めしています。Co-Q10は抗酸化エネルギー産生にその効果が期待されます。

 また、「ラフマ葉エキス」には、セロトニンの分泌を促すことがわかっています。セロトニンは、睡眠ホルモンのメラトニンの原料ですので、CFSの症状の一つである「睡眠障害」の改善にも期待できます。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2026年3月18日水曜日

苦み

 春には苦みを盛れ!

「春の皿には苦味を盛れ」 これは、春の料理には苦味のある食材を多く取り入れよ、という意味のことわざです。もともとは日本の食文化や季節感に根ざした言い回しで、春の山菜や野草に代表される「苦味」が、春の体にとって重要だとする知恵が込められています。

 日本の春には、旬の食材としてタラの芽、ふきのとう、こごみ、菜の花など、数多くの苦味のある山菜があります。日本では古くから「旬を食べる」ことが重視され、季節ごとの食材が身体の調子を整えると考えられてきました。春は冬の間に溜まった老廃物や脂肪を一掃し、活動を始める時期。苦味はその助けになるとされます。

 苦みを摂ることには健康面からも理由があります。苦味成分は消化器官を刺激して食欲を増進させ、肝臓や胆のうの働きを活発にすることがあるとされています。春に増えがちなだるさや食欲不振、体内の巡りの停滞を改善する助けになるという伝承的な知恵なのです。

 実際、苦味を含む植物にはビタミンやミネラル、ポリフェノールなどが豊富なものが多く、個別の効能は食材ごとに異なりますが、抗酸化作用や代謝促進の効果が期待されます。薬理的効果を過信せず、バランスよく摂ることが重要です。

 日本料理は“四季の変化を味わいで表現する”という文化の一つです。そして、春の苦味は季節感を演出する要素でもあります。苦味があることで料理に味わいの幅が生まれ、甘み・塩味・酸味との対比で美味しさが引き立ちます。

「苦味=嫌なもの」という西洋的な先入観とは異なり、日本では併せて楽しむ感性が育まれてきました。苦味を敬遠せず季節の恵みとして受け入れる姿勢が表れています。

 春、それは新生と変化の時期でもあります。外面的には明るさが増す一方、体内や心には乱れが残ることもあります。苦味は「清め」「目覚め」の象徴とも受け取れ、過去の滞りを断ち切って新たに進むための助走を意味することができます。

 また、苦味を好んで食べること自体が「不快を受け入れる力」や「季節に寄り添う慎み深さ」を示す文化的価値観を反映します。

 現代でも春の山菜を楽しむことは、季節感を取り戻す行為であり、旬の栄養素を自然に摂るよい機会です。ただし、野草や山菜の採取には誤食の危険があるため、確実な知識や信頼できる産地・店で購入することが大切です。

 また「苦味」を食生活や生活習慣全体に置き換えて解釈すると、季節ごとに意識的に食事を変える、体調管理をするという実践的なアドバイスにもなります。

「春の皿には苦味を盛れ」は、春に苦味のある旬の食材を食べることで体の巡りを整え、季節感を味わい、心身をリフレッシュしなさいという、生活の知恵を端的に言い表しているのです。


■苦味は薬味

 五感の一つである味覚は、甘味(Sweet)、酸味(Sour)、塩味(Salty)、苦味(Bitter)、うま味(Umami)の5つが基本味です。主に舌で感じますが、「苦味」が最も高感度と言われます。

「良薬は口に苦し」の根拠とは?

 苦いものを口にした時に浮かぶことわざに、「良薬は口に苦し」というのがあります。

 薬物は用量によって薬にも毒にもなり得ますが、薬物として有効なわずかな量でも、人間の舌は“毒物の苦味”として敏感に感じ取ってしまいます。そのため薬には苦味がつきものなのですが、良薬ほど口に苦いのには理由があるのです。苦味物質は、水に溶けにくく油に溶けやすい(親油性)ものが多く、親油性が高いほど低い濃度でも苦味が強いという性質を持っているのです。多くの薬は、人体の細胞膜の受容体に結合して、薬理作用を発揮します。このとき、親油性の高いものほど受容体と結合しやすく、細胞膜を透過しやすくなります。つまり、親油性の高い性質をもつ苦味物質は、低い濃度でも薬理効果をもたらし、苦味も強いことから、薬理効果が高い良薬は苦い、と言われているのです。

通常の食品では摂りにくく、調味料にない味「苦み」

 普段、食べている食品全ての性質を理解し、実践していくことは難しいかもしれません。「自分の体調が悪いとき、悪寒のする時には、体を温めるもの」「夏場は熱を冷ます食べ物」「冷えが気になる時には、夏でも体を冷やすものは控える」というように、“体が欲するもののバランス”を考えるのが基本です。しかし、通常の食生活では、「苦み」に関しては摂りにくく、ましてや手軽な調味料に至っては、「苦み」の調味料などは皆無です。

漢方における薬味と苦み

 漢方薬における「薬味」とは、薬方(処方)を構成する個々の生薬のことを意味します。例えば、「葛根湯」は七つの薬味で構成されています。また、日本の食習慣にある「薬味」には、食欲増進作用、体を温める作用、殺菌作用などがあります。料理の味を引き立てると同時に、料理に薬効成分をプラスするためのものです。

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霊芝の特異成分は苦味成分の「ガノデリン酸」

 霊芝の有効成分の90%以上は傘の部分にあり、水溶性のβ-グルカン等の多糖類と、脂溶性のトリテルベノイド系の苦味成分「ガノデリン酸(霊芝酸)」が中心です。そして、ガノデリン酸は他のキノコには含まれていません。また、菌子体にも含まれていません。

 ガノデリン酸は数十種類が確認されていて、ガノデリン酸A、B、C1、C2、D~I、J、K、Ma~Mk及びO~Zが知られており、以下のような薬理作用との関係がわかっています。

【ガノデリン酸A】⇒肝保護作用・免疫活性作用 

【ガノデリン酸B、D、F、H、K、S、Y】⇒血圧降下作用 

【ガノデリン酸U、V、W、X、Y、Z】⇒抗腫瘍作用 

【ガノデリン酸R、S等】⇒肝臓障害抑制作用


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愛・感謝 村雨カレン


2026年3月11日水曜日

急性冠症候群

 冠動脈の疾患、"急性冠症候群"

「急性冠症候群」(ACS:Acute Coronary Syndrome)をご存じですか?

 心筋梗塞、不安定狭心症、心臓突然死は、いずれも原因が同じです。心臓を養う冠動脈にコレステロールなどが沈着して動脈硬化が起こり、プラークといわれる異常な組織が形成されます。何らかの刺激でプラークが崩壊したり、表面に裂け目が入ったりすると、血小板が集まって血栓(血の塊)ができ、冠動脈が狭くなります。急激に狭くなると不安定狭心症、完全に詰まると心筋梗塞、この時に不整脈が生じると心臓の突然死になります。

 病名は違っても、原因が同じなら対策も同じ。そのことから、「急性冠症候群」という総称で呼ばれるようになりました。

 この急性冠症候群のリスクは全ての人にあり、加齢とともにそのリスクは上がっていきます。喫煙、肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常症といった要因を持っている人は、リスクがより高くなります。しかし、誰でも加齢によって血管は老い、プラークや血栓ができやすくなります。よって喫煙などの要因がゼロでも、"リスクはゼロではない"のです。

 プラークには、崩壊しやすいものと、そうでないものがあることが分かっています。プラークが軟らかく、それを覆う皮膜(繊維性皮膜)が薄ければ崩壊しやすく、また、プラークにマクロファージ(体の掃除役を担う細胞)や炎症細胞が多ければ、崩壊しやすいのです。しかし、どんな人に崩壊しやすいプラークが多いかは、まだ詳細には分かっていません。

 自分の状態を確実に調べられない以上、急性冠症候群が疑われる症状があれば、すぐに対策を講じなければなりません。

 特徴的な症状は、胸痛や息切れです。しかし、意外な症状が出ることもあります。例えば、肩の痛みです。心電図をとってみたら実は心筋梗塞で、病院に着いた時には心破裂を起こしていた、ということもあります。ほかにも肩凝り、歯痛、腹痛、腕の痛みなどの症状を訴える人もいます。これまで感じたことがない痛みがあったら、循環器科のある病院をすぐに受診すべきです。

 急性冠症候群が疑われるもうひとつのポイントは、「冷や汗」です。冠動脈の狭窄で心臓のポンプ作用が弱まると、交感神経が心臓を動かそうと信号を出します。交感神経が優位に立つので、汗が出るのです。

 急性冠症候群の対応は、病院へは早く行けば行くほどいいと言えます。心筋梗塞の発症から詰まった血管を再灌流(さいかんりゅう)(再開通)するまでの時間によって、治療効果は大きく異なります。カテーテル治療などによる再灌流は、搬送の時間を含め120分以内に行うのが理想と考えられています。

「“あっ”と思ったら即行動」が、急性冠症候群から身を守る鉄則です。

(出典:https://www.nikkan-gendai.com/)


■急性冠症候群の予防と対策

 急性冠症候群(ACS)は緊急事態です。発症したらすぐに医療機関を受診する必要があります。予防には生活習慣病の治療・改善と禁煙が重要です。心臓リハビリテーションによる運動療法、食事指導、カウンセリングの継続、薬物療法が再発予防と予後改善につながります。

予防について

生活習慣の改善:毎日中程度の運動(1回30分以上、週3~4回)を取り入れ、筋力や心臓の機能を高めます。食事は減塩、脂肪、アルコールの摂取を控えます。食物繊維を多く摂り、魚、野菜、大豆、海藻類などをバランスよく食べ、肉の脂身や加工肉は避けます。また、喫煙はACSのリスクを高めるため、必ず禁煙します。受動喫煙にも注意が必要です。

生活習慣病の管理:高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病を適切に治療・管理し、動脈硬化の進行を防ぎます。

ストレス管理:精神的・肉体的ストレスを避け、十分な休養をとることも大切です。

定期的な受診と検査:定期的に医療機関を受診し、検査を受けることで早期に異常を発見し、対応することが重要です。

発症時の対応と発症後の再発予防

 発症時の対応 :胸の痛みや不快感の持続などの症状に気づいたら、すぐに救急車を呼びましょう。病院に到着する前に救急隊員による初期対応として、心電図検査、アスピリンの服用、酸素投与などが行われる場合があります。医療機関での治療としては、薬物療法や、血行再建術が行われます。

 発症後の再発予防 【心臓リハビリテーション】運動療法、食事指導、カウンセリングなどを組み合わせた心臓リハビリテーションを継続し、生活の質を向上させ、再発を予防します。【薬物療法と生活習慣の継続】医師の指示通りに薬を服用し、禁煙、食事療法、運動療法を継続します。

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 プラークの破砕から冠動脈の狭窄に至る血栓は、形成し始めると次から次へと形成されます。当学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」は、血栓に対して、血栓形成の抑制にエビデンスを持っています。また、ストレスを生じると、ストレスホルモンの分泌から、ノルアドレナリン・アドレナリンが上昇し、血小板凝集を促進させ血栓を形成します。そのほか脂質異常症、糖尿病、高血圧、喫煙、加齢などの危険因子が多くある人ほど急性冠症候群にかかりやすいと言われています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン


2026年3月4日水曜日

ストレスと血流

 自律神経と血流の関係

 自律神経は交感神経と副交感神経からなる末梢神経です。両者はバランスを取りながら働いており、心拍、呼吸、血流、発汗、消化、体温調節、唾液分泌、排泄など、私たちが生きていくために必要不可欠な身体の器官の働きを無意識に調整しています。

 血管の収縮は交感神経によってコントロールされます。交感神経が優位になると心拍数が上がり、血管は収縮して血圧が上がります。すぐに闘える・逃げられる身体の態勢をとるために、筋肉への血流が増えて、消化器官への血流は減少している状態です。

 一方、副交感神経が優位になると心拍数が減少し、心臓から送り出される血流が少なくなるため血圧が下がります。脳や消化器官では血管が拡張して血流量が増えるので、脳に酸素や栄養素が供給されたり消化や排泄が促されたりします。

 交感神経は日中活動時や緊張・興奮状態時に優位になり、副交感神経は睡眠中リラックスしているときに優位になります。しかし、年を重ねるにつれて副交感神経の働きは低下し、交感神経が優位な状態になります。さらに以下のようなときは交感神経が過剰に働きやすい状態です。

●仕事や家庭、人間関係のストレスがかかる ●生活リズムが乱れる(食事や睡眠が不規則になる) ●更年期などホルモンバランスが乱れる

 交感神経が亢進した状態が続くと、血管が収縮し続けて高血圧になるばかりか、血管に負担がかかり、動脈硬化を引き起こす恐れもあります。脳や消化器官の血流が増えにくいので、脳の疲れや胃腸の不調もみられやすくなります。

「忙しくて休めていない」「緊張状態が続いている」ときには、深呼吸や瞑想の時間を作ったり、好きな音楽を聴いたり、ストレスに感じることを避けるなど、ゆったりと過ごしましょう。

 交感神経が働かない状態が続くと、副交感神経と交感神経とがうまく切り替わらなくなり、「起立性低血圧」*を起こして活動に参加しにくい状態となってしまいます。

*になっている時と比べて立っている時の上の血圧が20mmHg以上、下の血圧が10mmHg 以上下がる場合、「起立性低血圧」と診断されます。

 日中の活動や適度な緊張感を持つ機会は自律神経がバランスを保って働くためにも必要でしょう。日中に活動の機会がない」ときは、趣味や興味のある活動をしたり、好きな場所に出かけたり、散歩・ウォーキングを試してみてはいかがでしょうか。

(出典:https://www.moriseikei.or.jp/)


■ストレスと血流・免疫

 ストレスを感じると、自律神経が乱れて交感神経が優位になり、末梢血管が収縮して血行が悪化します。これにより、手足の冷え、肩こり、むくみなどが起こるほか、血液がドロドロになったり、血圧が上昇して血管に負担がかかったりするリスクも高まります。

ストレスが血流に与える影響

 自律神経の乱れ ⇒ストレスによって自律神経のバランスが崩れ、交感神経が優位になります。

血管の収縮 ⇒交感神経の働きが活発になると、末梢血管が収縮して血行不良となり、冷えや肩こり、むくみなどの症状を引き起こします。

血流の質の変化 ⇒ストレスホルモンが分泌され、血液がドロドロになりやすくなるほか、血管に負担がかかり血栓ができやすくなります。

血圧の上昇 ⇒ストレス反応で血圧が上昇し、血管への負担が増加します。

ストレスで免疫が抑制される?

 ストレスがかかると、コルチゾールなどのストレスホルモンが過剰に分泌されることや、自律神経のバランスが崩れて交感神経が優位になるという生理的変化により、免疫細胞の働きが抑制されたり、免疫細胞の数を減らしたりするだけでなく、粘膜免疫を担うIgA抗体の分泌低下や、睡眠の質の低下などが複合的に作用して免疫機能が低下します。

 具体的なメカニズムとして以下の4つが考えられます。

ストレスホルモンの影響:ストレスを感じると、体はコルチゾールというホルモンを分泌。このコルチゾールは、T細胞やNK細胞といった免疫細胞の働きを抑制する作用がある。

自律神経の乱れ:ストレスは交感神経を優位にさせ、副交感神経とのバランスを崩す。自律神経は免疫系を調節する役割を担っており、このバランスが崩れると免疫力が低下する。

免疫細胞の減少・機能低下:ストレスによるコルチゾールの過剰分泌は、T細胞などの免疫細胞の数を減少させたり、働きを低下させたりする。また、サイトカインのバランスが崩れることで、免疫応答が阻害されることもある。

その他の要因:睡眠不足(質の良い睡眠は免疫細胞の生成を助けるが、ストレスによる睡眠不足は免疫機能の低下を招く) ②栄養吸収の低下(自律神経の乱れは消化吸収の効率を低下させ、免疫に必要な栄養素の不足につながる可能性もある)

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ストレス対策は ①ポジティブ(体力) ②笑い(血流) ③休息(睡眠)

「体力」が落ちているとポジティブでエネルギッシュな考え方は出来ませんし、免疫機能も低下します。「笑い」は脳血流の流れを促進し、脳細胞を活性化します。また、横隔膜が刺激されることで血流促進効果が生じます(イギリスの研究発表)。「休息」は自律神経を副交感神経優位にします。

 康復医学学会では、エネルギー産生の促進には「コエンザイムQ10」を、血流改善には「HM-3000(特系霊芝)」を、質の良い睡眠には「ラフマ」をお勧めしています。これらは、ストレスが間接的要因となる様々な病気の予防に効果的です。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2026年2月27日金曜日

腸内細菌

 がん治療薬の効果高める腸内細菌

 国立がん研究センター等の研究チームは、がん免疫薬(「オプジーボ」「キイトルーダ」等)の効果を高める腸内細菌を発見、マウス実験で効果を確認しました。この腸内細菌を活用すればより多くの患者に薬が効くようになる可能性が期待できます(2025.07『ネイチャー』誌に掲載)

 がん免疫薬は、免疫細胞の働きを抑えるブレーキを解除してがん細胞に対する攻撃力を高めますが、治療効果がある患者は2~3割程度です。薬の投与前の患者の効果予測技術の開発や、効果を高めるための研究が世界各国で進んでいます。

 研究チームは、がん免疫薬を投与した肺がん・胃がん患者総計50人の便を調査。薬の治療効果があった人は「ルミノコッカス科」という種類の腸内細菌の割合が多いことがわかりました。この細菌を分析して新種の腸内細菌「YB328」を発見しました。YB328の機能や性質を調べるため、がん免疫薬が効かなかった患者の便を移植したマウスに、がん免疫薬とYB328を投与したところ、マウスのがんが縮小したのです。研究チームはYB328ががん免疫薬の効果を高める可能性があるとみて、遺伝子解析や細胞実験を進め解析や実験を進め、詳しい仕組みを調べました。その結果、YB328は免疫の司令塔とされる「樹状細胞」を刺激し、活性化させていることが分かったのです。樹状細胞はがん細胞の目印を免疫細胞に伝える役割を持ち、YB328で活性化した樹状細胞ががん組織周辺に移動し、免疫効果を高めている可能性があります。YB328は日本人の約2割が保有していると言われています。

「YB328はゲノム配列をみても安全性が高い。がん免疫薬が効かない人に対して治療効果が見込めるほか、効果があった人に対しては効果を高める可能性がある」(国立がん研究センター研究者)

 国立がん研究センター発のベンチャー企業は、2027年にも、がん患者にYB328を投与してがん免疫薬の効果向上を狙う治験を始めます。初期の治験で安全性を確認し、その後、細菌の品質管理方法等を検討します。国も国内製薬15社からなる日本医療研究開発機構(AMED)を通して支援する予定です。

 腸内細菌は様々な病気、老化、免疫、脳機能などへの関与が明らかになりつつあり、研究も盛んに進んでいます。腸内細菌を使う医療は今後拡大が見込まれており、腸内細菌などを使う「マイクロバイオーム治療薬」の世界市場は2034年には32億ドル(約4705億円)に達するとみられています。

(出典:https://www.nikkei.com/)


■免疫と腸内細菌の関係

 腸内細菌は体内の免疫システムに深く関わり、善玉菌と悪玉菌のバランスが免疫力向上や感染症予防に重要です。腸内環境が乱れると免疫機能が低下し、感染症にかかりやすくなるだけでなく、アレルギーや自己免疫疾患の発症リスクも高まります。腸内細菌の多様性を維持し、食物繊維の摂取や発酵食品の利用、そしてストレスの少ない生活を送ることで、健やかな腸内環境を保ち、免疫機能を高めることが期待できます。

腸内細菌と免疫の仕組み

●免疫細胞の活性化:善玉菌は免疫細胞を活性化させ、病原体から体を守る抗体を効率的に生成します。

●腸壁の強化:腸内細菌は腸壁を強化し、外部からの有害物質の侵入を防ぐバリア機能の役割も担います。

●免疫の調整:腸内細菌は免疫細胞とコミュニケーションを取り、全身の免疫反応を適切に調整します。

免疫機能低下と腸内環境の乱れ

【感染症のリスク増加】:腸内環境のバランスが崩れ、悪玉菌が増加すると、免疫機能が低下し、感染症にかかりやすくなります。

【アレルギーや自己免疫疾患の発症】:腸内環境の乱れは免疫機能の異常を招き、アトピーやリウマチなどのアレルギー性疾患や自己免疫疾患を引き起こす可能性があります。

免疫機能を高めるための腸内環境の整え方

①バランスの良い食事 ⇒食物繊維や発酵食品(味噌、納豆、ヨーグルト、キムチ等)を積極的に摂取し、善玉菌を増やします。

②ストレスの管理 ⇒腸と心はつながっているため、ストレスを溜めず、心身を健やかに保つことも大切です。

③腸を温める ⇒低体温は腸内細菌の減少につながるため、腹巻きなどで体を温めましょう。

④腸内細菌の多様性を維持する ⇒善玉菌だけでなく、適切なバランスで存在する日和見菌や、時に役立つ悪玉菌も含め、腸内細菌の多様性を維持することが重要です。

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 当学会の主要研究生薬である「HM-3000(特系霊芝)」には、免疫を高める作用があります。悪性腫瘍や免疫不全の治療に用いているインターロイキン2の産生を高め、免疫系が活性化されます。また、がんなどを抑制するヒト末梢リンパ球のNK細胞の活性を強めるほか、細胞免疫を活性化することが確認されています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2026年2月18日水曜日

アドレナリン

 アドレナリンの歴史

 アドレナリンの歴史は、1900年に高峰譲吉上中啓三が世界で初めて副腎から抽出・結晶化に成功したことから始まります。彼らはアメリカの製薬会社パーク・デイビス(現ファイザー)と協力して、アドレナリンの商品化に取り組みました。

 当初、アメリカでは別の研究者であるジョン・エイベルが発見した「エピネフリン」という名称が使われていました。しかし、後に高峰らの発見が正式に認められ、日本では2006年にアドレナリンという名称が採用されました。

(1)発見と結晶化

 1890年代後半から、欧米の研究者たちは副腎の抽出成分に注目し、"血圧上昇作用"や"止血作用"があることを発見していました。

 1900年、高峰譲吉と上中啓三は、アメリカのパーク・デイビス社の研究プロジェクトに参加し、牛の副腎からアドレナリンを抽出し、世界で初めて結晶化することに成功しました。

 この結晶化されたアドレナリンは、外科手術の止血剤として使用され、患者の生存率向上に貢献しました。

(2)名称と商品化

 高峰譲吉は、副腎を意味するラテン語「adrenal」に由来する「アドレナリン」と命名しました。

 一方、アメリカのジョン・エイベルは、同じ物質を「エピネフリン」と命名していました。

 高峰は、パーク・デイビス社と協力してアドレナリンの商品化に取り組み、1901年にアメリカで特許を取得し、1902年には日本でも販売を開始しました。

(3)名称論争

 高峰の死後、エイベルは高峰の研究は自分の盗作であると主張し、アメリカでは「エピネフリン」という名称が使われ続けました。しかし、ヨーロッパでは高峰らの功績を認め、「アドレナリン」という名称が使われました。日本では、2006年の薬事法改正で「アドレナリン」が正式名称として採用され、名称論争に終止符が打たれました。

(4)現在の状況

 アドレナリンは、現在でも医療現場で広く使用されており、特に心肺蘇生処置やアナフィラキシーショックの応急処置などに欠かせない薬となっています。

 また、アドレナリンは、一般的に「興奮状態」や「緊張状態」を表す言葉としても使われています。

(出典:https://diamond.jp/ 他)


■"全集中"でアドレナリンをコントロール!

「アドレナリンが出て良いパフォーマンスがでた。試合中は痛みも感じない」などの表現をすることがあります。そもそもこの「アドレナリン」とは何なのでしょうか。

生き延びるためのホルモン「アドレナリン」

 アドレナリンとはホルモンの一種で、健康や生命、成長などを維持するために、体の様々な機能を調節する役割があります。人間が外敵から襲われ、生き延びるためには戦うか逃げるしかないといった、まさに"生命の危機"というような状態になったときに出るホルモンです。アドレナリンは、心拍数を上げ、体内により多くの酸素を供給できるように血流を流すため、いつも以上の力が出せる状態になります。そして筋肉にエネルギーを送ったり、瞳孔を開いて周囲がよく見えるようにしたりします。また、戦いや逃亡途中に尿をしたくならないように、膀胱を広げて尿をためやすくしたりもします。

 アドレナリンは、主に腎臓の上にある副腎髄質で作られます。また、脳や自律神経の交感神経節でも作られています。そして、生き残りをかけたような状態になると、脳からアドレナリンを出すように指令が出て、脳の視床下部で拡散し、「やるぞ!」と感情に働きかけ、交感神経節を通って身体の機能として戦闘態勢を整えて、心と体の準備をします。

 アドレナリンの出過ぎはあまりよくありません。その状態は、血流は増加しますが末端の血管は収縮したままなので、体が硬くなって思うように動けなくなり、パフォーマンスは悪化します。またこの状態が続くと、自律神経にも悪影響を与えて、冷え性や自律神経失調症になる場合もあります。アドレナリンが出過ぎるのは、ひとつには不必要に緊張し過ぎているような場面で、「交渉が失敗したらどうしよう」「試合で負けたらどうしよう」等、過度な心配をしているとこうなります。結果、体が硬くなり、動きも悪くなってしまいます。日常生活でいえば、常にストレスに晒されているような状況です。

アドレナリンは、簡単に調節できる?

 調節方法の一つが「深呼吸」。3秒吸ったら6秒吐くというイメージで深くゆっくり呼吸しましょう。緊張を感じた時、まず1分間、深呼吸をしましょう。これは、試合の最中でも有効です。ミスをした時、同じミスを繰り返さないように、深呼吸で間を作り、ミスの理由について分析をすると、落ち着いてプレーに戻れます。

"○○の呼吸"で作る全集中。それが「ゾーン」

「ゾーンに入った」という状態があります。人気アニメ『鬼滅の刃』における「全集中」という言葉で表される状態、これは典型的な「ゾーン」です。闘争心だけでは体が硬くなり、呼吸も乱れて冷静さもなくなります。そのときに呼吸を整え、アドレナリンの過剰な放出を抑えれば、集中力が極限まで高まります。それがいわゆる「ゾーン」です。体をコントロールしている自律神経の機能のうち、唯一、人間が意識して高めることができるのが呼吸です。言い換えれば、アドレナリンをコントロールするためには呼吸の方法が重要なのです。


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愛・感謝 村雨カレン


2026年2月11日水曜日

下痢

 冬に増える下痢の要因

 気温が低く寒さが厳しくなる冬は、お腹のトラブルが起こりやすくなります。

「冬にお腹が緩むのは仕方がないと諦めてはいけない。下痢は体力を失うだけでなく、繰り返せば肛門に過度に負担がかかり、細菌感染などで痔疾患の要因を招くことも。下痢になる原因を知ることで自分の体を守り、快適に過ごせるようになる」(草間かほるクリニック・草間院長)

 そもそも下痢はなぜ起きてしまうのでしょうか。下痢とは、便が通常と比べて水分量が多くなり過ぎてしまった状態。口にした食べ物は、食道から胃に送られて消化されやすい形になり、小腸で消化吸収が行われます。そして大腸で水分が吸収されて便として排泄されますが、水分量が80~90%で軟便に、90%以上で水様便、いわゆる"下痢便"になります。

 冬は、下痢などのお腹のトラブルが増える季節ですが、下痢は便が緩くなるメカニズムから大きく4つに分けられます。

 腸での水分吸収が妨げられて起こるのが『浸透圧性下痢』です。人工甘味料や薬が原因になることや、食べ過ぎによる消化不良、乳糖不耐症などからも起きます。腸からの水分分泌が過剰になるのが『分泌性下痢』です。細菌やウイルス感染、寄生虫、アレルギーなどで起きます。腸が過剰に動くことによるのが『蠕動(ぜんどう)運動性下痢』です。大腸で十分に水分が吸収されないまま便となるので、緩くなってしまうのです。ストレスや緊張、冷えで起きることが多いですが、暴飲暴食、香辛料やコーヒーなどの刺激物がきっかけとなることもあります。腸の炎症を原因とするのが『滲出性下痢』です。腸管の粘膜が損傷し、血液や細胞内の水分が腸管内に滲み出て下痢になります。クローン病・潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患や、細菌性大腸炎・虚血性腸炎などが原因となります。

 冬に下痢が増えてしまうのは、寒さによりお腹が冷えやすいことがあります。また、ノロウイルスなどのウイルス性の食中毒も起きやすく、飲み会などのイベント後の消化不良、就寝時や起床時に冷えてしまうことなども原因となります。

 お腹が緩くなってしまったら、まず必要なのは安静と保温です。体を冷やさないように、特にお腹まわりを温めて、楽な姿勢で体を休めましょう。お腹を温めるには腹巻きがオススメです。注意したいのが、下痢止めの服用。細菌やウイルス感染、食中毒などが原因と疑われるときは、腸の蠕動運動を止めるタイプの下痢止めの薬は服用してはいけません。下痢によって有害物質を体の外に出しているので、無理に止めない方がいいのです。

(出典:https://weathernews.jp/)


■ゆるハラ・下痢の対策

 便の水分が異常に増え、下痢便や軟便を繰り返し、腹部不快感や腹痛を伴う状態を「下痢もしくは下痢症」といいます。理想的とされる便の水分量は70%~80%です。

下痢や軟便のメカニズム

 正常な腸では「蠕動運動」により、腸の内容物を肛門側に送ります。腸を通過する際、内容物の水分が体内に吸収され適性な便を作ります。しかし、何らかの原因で蠕動運動が異常に活発になったり、水分量の調節機能に障害が起きると、下痢便や軟便になったりします。

 腸の蠕動運動が過剰になると、内容物が腸を急速に通過するため水分の吸収が十分に行われず、水分の多い下痢便や軟便になります。また、腸の水分吸収が不十分の時や、腸からの水分分泌が増えると、腸の中の水分が異常に多くなり下痢便や軟便になるのです。

下痢や軟便の原因

 下痢や軟便は、その原因によって対処法は異なります。2~3日前から症状が起こる前後の思いあたる原因を探ることが大切です。以下のような原因が考えられます。

【消化不良】 【食あたり・水あたり・食中毒】 【ストレス・緊張】 【その他】薬(抗生物質など)の服用・牛乳や乳製品の摂取・風邪・過敏性腸症候群(IBS)・腸自体の炎症や腫瘍(クローン病、潰瘍性大腸炎等)などの器質的な疾患

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下痢や軟便の対処法

 下痢は本来吸収すべき水分を排出しているので、脱水症状に気を付けなければなりません。水分補給は重要ですが、一気に冷たい水を飲まないように。ぬるめの白湯や番茶、常温のスポーツドリンクなどを少しずつこまめに補給することが重要です。

 またウイルスや細菌、食中毒による急性の場合は病院で受診すべきです。体の防御反応として、侵入したウイルスや細菌を速やかに外に出そうとして下痢になっているため、市販の下痢止め薬などで止めることはやめたほうがいいでしょう。下痢止め薬を飲んでいいのは、お腹を冷やしたり、食べ過ぎや飲み過ぎ、過敏性腸症候群の場合です

 下痢や嘔吐を繰り返して、めまいや頭痛が出てきたときも体内の水分が失われている危険性があります。急性の下痢はたいてい1週間以内に治りますが、長引く場合は何らかの病気が隠されている可能性もあります。専門医を受診することをおすすめします。

 まだまだ厳しい寒さが訪れることもあります。しっかり体をケアすることを心がけ、元気に過ごせるようにしましょう。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン