2026年3月4日水曜日

ストレスと血流

 自律神経と血流の関係

 自律神経は交感神経と副交感神経からなる末梢神経です。両者はバランスを取りながら働いており、心拍、呼吸、血流、発汗、消化、体温調節、唾液分泌、排泄など、私たちが生きていくために必要不可欠な身体の器官の働きを無意識に調整しています。

 血管の収縮は交感神経によってコントロールされます。交感神経が優位になると心拍数が上がり、血管は収縮して血圧が上がります。すぐに闘える・逃げられる身体の態勢をとるために、筋肉への血流が増えて、消化器官への血流は減少している状態です。

 一方、副交感神経が優位になると心拍数が減少し、心臓から送り出される血流が少なくなるため血圧が下がります。脳や消化器官では血管が拡張して血流量が増えるので、脳に酸素や栄養素が供給されたり消化や排泄が促されたりします。

 交感神経は日中活動時や緊張・興奮状態時に優位になり、副交感神経は睡眠中リラックスしているときに優位になります。しかし、年を重ねるにつれて副交感神経の働きは低下し、交感神経が優位な状態になります。さらに以下のようなときは交感神経が過剰に働きやすい状態です。

●仕事や家庭、人間関係のストレスがかかる ●生活リズムが乱れる(食事や睡眠が不規則になる) ●更年期などホルモンバランスが乱れる

 交感神経が亢進した状態が続くと、血管が収縮し続けて高血圧になるばかりか、血管に負担がかかり、動脈硬化を引き起こす恐れもあります。脳や消化器官の血流が増えにくいので、脳の疲れや胃腸の不調もみられやすくなります。

「忙しくて休めていない」「緊張状態が続いている」ときには、深呼吸や瞑想の時間を作ったり、好きな音楽を聴いたり、ストレスに感じることを避けるなど、ゆったりと過ごしましょう。

 交感神経が働かない状態が続くと、副交感神経と交感神経とがうまく切り替わらなくなり、「起立性低血圧」*を起こして活動に参加しにくい状態となってしまいます。

*になっている時と比べて立っている時の上の血圧が20mmHg以上、下の血圧が10mmHg 以上下がる場合、「起立性低血圧」と診断されます。

 日中の活動や適度な緊張感を持つ機会は自律神経がバランスを保って働くためにも必要でしょう。日中に活動の機会がない」ときは、趣味や興味のある活動をしたり、好きな場所に出かけたり、散歩・ウォーキングを試してみてはいかがでしょうか。

(出典:https://www.moriseikei.or.jp/)


■ストレスと血流・免疫

 ストレスを感じると、自律神経が乱れて交感神経が優位になり、末梢血管が収縮して血行が悪化します。これにより、手足の冷え、肩こり、むくみなどが起こるほか、血液がドロドロになったり、血圧が上昇して血管に負担がかかったりするリスクも高まります。

ストレスが血流に与える影響

 自律神経の乱れ ⇒ストレスによって自律神経のバランスが崩れ、交感神経が優位になります。

血管の収縮 ⇒交感神経の働きが活発になると、末梢血管が収縮して血行不良となり、冷えや肩こり、むくみなどの症状を引き起こします。

血流の質の変化 ⇒ストレスホルモンが分泌され、血液がドロドロになりやすくなるほか、血管に負担がかかり血栓ができやすくなります。

血圧の上昇 ⇒ストレス反応で血圧が上昇し、血管への負担が増加します。

ストレスで免疫が抑制される?

 ストレスがかかると、コルチゾールなどのストレスホルモンが過剰に分泌されることや、自律神経のバランスが崩れて交感神経が優位になるという生理的変化により、免疫細胞の働きが抑制されたり、免疫細胞の数を減らしたりするだけでなく、粘膜免疫を担うIgA抗体の分泌低下や、睡眠の質の低下などが複合的に作用して免疫機能が低下します。

 具体的なメカニズムとして以下の4つが考えられます。

ストレスホルモンの影響:ストレスを感じると、体はコルチゾールというホルモンを分泌。このコルチゾールは、T細胞やNK細胞といった免疫細胞の働きを抑制する作用がある。

自律神経の乱れ:ストレスは交感神経を優位にさせ、副交感神経とのバランスを崩す。自律神経は免疫系を調節する役割を担っており、このバランスが崩れると免疫力が低下する。

免疫細胞の減少・機能低下:ストレスによるコルチゾールの過剰分泌は、T細胞などの免疫細胞の数を減少させたり、働きを低下させたりする。また、サイトカインのバランスが崩れることで、免疫応答が阻害されることもある。

その他の要因:睡眠不足(質の良い睡眠は免疫細胞の生成を助けるが、ストレスによる睡眠不足は免疫機能の低下を招く) ②栄養吸収の低下(自律神経の乱れは消化吸収の効率を低下させ、免疫に必要な栄養素の不足につながる可能性もある)

==================

ストレス対策は ①ポジティブ(体力) ②笑い(血流) ③休息(睡眠)

「体力」が落ちているとポジティブでエネルギッシュな考え方は出来ませんし、免疫機能も低下します。「笑い」は脳血流の流れを促進し、脳細胞を活性化します。また、横隔膜が刺激されることで血流促進効果が生じます(イギリスの研究発表)。「休息」は自律神経を副交感神経優位にします。

 康復医学学会では、エネルギー産生の促進には「コエンザイムQ10」を、血流改善には「HM-3000(特系霊芝)」を、質の良い睡眠には「ラフマ」をお勧めしています。これらは、ストレスが間接的要因となる様々な病気の予防に効果的です。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2026年2月27日金曜日

腸内細菌

 がん治療薬の効果高める腸内細菌

 国立がん研究センター等の研究チームは、がん免疫薬(「オプジーボ」「キイトルーダ」等)の効果を高める腸内細菌を発見、マウス実験で効果を確認しました。この腸内細菌を活用すればより多くの患者に薬が効くようになる可能性が期待できます(2025.07『ネイチャー』誌に掲載)

 がん免疫薬は、免疫細胞の働きを抑えるブレーキを解除してがん細胞に対する攻撃力を高めますが、治療効果がある患者は2~3割程度です。薬の投与前の患者の効果予測技術の開発や、効果を高めるための研究が世界各国で進んでいます。

 研究チームは、がん免疫薬を投与した肺がん・胃がん患者総計50人の便を調査。薬の治療効果があった人は「ルミノコッカス科」という種類の腸内細菌の割合が多いことがわかりました。この細菌を分析して新種の腸内細菌「YB328」を発見しました。YB328の機能や性質を調べるため、がん免疫薬が効かなかった患者の便を移植したマウスに、がん免疫薬とYB328を投与したところ、マウスのがんが縮小したのです。研究チームはYB328ががん免疫薬の効果を高める可能性があるとみて、遺伝子解析や細胞実験を進め解析や実験を進め、詳しい仕組みを調べました。その結果、YB328は免疫の司令塔とされる「樹状細胞」を刺激し、活性化させていることが分かったのです。樹状細胞はがん細胞の目印を免疫細胞に伝える役割を持ち、YB328で活性化した樹状細胞ががん組織周辺に移動し、免疫効果を高めている可能性があります。YB328は日本人の約2割が保有していると言われています。

「YB328はゲノム配列をみても安全性が高い。がん免疫薬が効かない人に対して治療効果が見込めるほか、効果があった人に対しては効果を高める可能性がある」(国立がん研究センター研究者)

 国立がん研究センター発のベンチャー企業は、2027年にも、がん患者にYB328を投与してがん免疫薬の効果向上を狙う治験を始めます。初期の治験で安全性を確認し、その後、細菌の品質管理方法等を検討します。国も国内製薬15社からなる日本医療研究開発機構(AMED)を通して支援する予定です。

 腸内細菌は様々な病気、老化、免疫、脳機能などへの関与が明らかになりつつあり、研究も盛んに進んでいます。腸内細菌を使う医療は今後拡大が見込まれており、腸内細菌などを使う「マイクロバイオーム治療薬」の世界市場は2034年には32億ドル(約4705億円)に達するとみられています。

(出典:https://www.nikkei.com/)


■免疫と腸内細菌の関係

 腸内細菌は体内の免疫システムに深く関わり、善玉菌と悪玉菌のバランスが免疫力向上や感染症予防に重要です。腸内環境が乱れると免疫機能が低下し、感染症にかかりやすくなるだけでなく、アレルギーや自己免疫疾患の発症リスクも高まります。腸内細菌の多様性を維持し、食物繊維の摂取や発酵食品の利用、そしてストレスの少ない生活を送ることで、健やかな腸内環境を保ち、免疫機能を高めることが期待できます。

腸内細菌と免疫の仕組み

●免疫細胞の活性化:善玉菌は免疫細胞を活性化させ、病原体から体を守る抗体を効率的に生成します。

●腸壁の強化:腸内細菌は腸壁を強化し、外部からの有害物質の侵入を防ぐバリア機能の役割も担います。

●免疫の調整:腸内細菌は免疫細胞とコミュニケーションを取り、全身の免疫反応を適切に調整します。

免疫機能低下と腸内環境の乱れ

【感染症のリスク増加】:腸内環境のバランスが崩れ、悪玉菌が増加すると、免疫機能が低下し、感染症にかかりやすくなります。

【アレルギーや自己免疫疾患の発症】:腸内環境の乱れは免疫機能の異常を招き、アトピーやリウマチなどのアレルギー性疾患や自己免疫疾患を引き起こす可能性があります。

免疫機能を高めるための腸内環境の整え方

①バランスの良い食事 ⇒食物繊維や発酵食品(味噌、納豆、ヨーグルト、キムチ等)を積極的に摂取し、善玉菌を増やします。

②ストレスの管理 ⇒腸と心はつながっているため、ストレスを溜めず、心身を健やかに保つことも大切です。

③腸を温める ⇒低体温は腸内細菌の減少につながるため、腹巻きなどで体を温めましょう。

④腸内細菌の多様性を維持する ⇒善玉菌だけでなく、適切なバランスで存在する日和見菌や、時に役立つ悪玉菌も含め、腸内細菌の多様性を維持することが重要です。

==================

 当学会の主要研究生薬である「HM-3000(特系霊芝)」には、免疫を高める作用があります。悪性腫瘍や免疫不全の治療に用いているインターロイキン2の産生を高め、免疫系が活性化されます。また、がんなどを抑制するヒト末梢リンパ球のNK細胞の活性を強めるほか、細胞免疫を活性化することが確認されています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2026年2月18日水曜日

アドレナリン

 アドレナリンの歴史

 アドレナリンの歴史は、1900年に高峰譲吉上中啓三が世界で初めて副腎から抽出・結晶化に成功したことから始まります。彼らはアメリカの製薬会社パーク・デイビス(現ファイザー)と協力して、アドレナリンの商品化に取り組みました。

 当初、アメリカでは別の研究者であるジョン・エイベルが発見した「エピネフリン」という名称が使われていました。しかし、後に高峰らの発見が正式に認められ、日本では2006年にアドレナリンという名称が採用されました。

(1)発見と結晶化

 1890年代後半から、欧米の研究者たちは副腎の抽出成分に注目し、"血圧上昇作用"や"止血作用"があることを発見していました。

 1900年、高峰譲吉と上中啓三は、アメリカのパーク・デイビス社の研究プロジェクトに参加し、牛の副腎からアドレナリンを抽出し、世界で初めて結晶化することに成功しました。

 この結晶化されたアドレナリンは、外科手術の止血剤として使用され、患者の生存率向上に貢献しました。

(2)名称と商品化

 高峰譲吉は、副腎を意味するラテン語「adrenal」に由来する「アドレナリン」と命名しました。

 一方、アメリカのジョン・エイベルは、同じ物質を「エピネフリン」と命名していました。

 高峰は、パーク・デイビス社と協力してアドレナリンの商品化に取り組み、1901年にアメリカで特許を取得し、1902年には日本でも販売を開始しました。

(3)名称論争

 高峰の死後、エイベルは高峰の研究は自分の盗作であると主張し、アメリカでは「エピネフリン」という名称が使われ続けました。しかし、ヨーロッパでは高峰らの功績を認め、「アドレナリン」という名称が使われました。日本では、2006年の薬事法改正で「アドレナリン」が正式名称として採用され、名称論争に終止符が打たれました。

(4)現在の状況

 アドレナリンは、現在でも医療現場で広く使用されており、特に心肺蘇生処置やアナフィラキシーショックの応急処置などに欠かせない薬となっています。

 また、アドレナリンは、一般的に「興奮状態」や「緊張状態」を表す言葉としても使われています。

(出典:https://diamond.jp/ 他)


■"全集中"でアドレナリンをコントロール!

「アドレナリンが出て良いパフォーマンスがでた。試合中は痛みも感じない」などの表現をすることがあります。そもそもこの「アドレナリン」とは何なのでしょうか。

生き延びるためのホルモン「アドレナリン」

 アドレナリンとはホルモンの一種で、健康や生命、成長などを維持するために、体の様々な機能を調節する役割があります。人間が外敵から襲われ、生き延びるためには戦うか逃げるしかないといった、まさに"生命の危機"というような状態になったときに出るホルモンです。アドレナリンは、心拍数を上げ、体内により多くの酸素を供給できるように血流を流すため、いつも以上の力が出せる状態になります。そして筋肉にエネルギーを送ったり、瞳孔を開いて周囲がよく見えるようにしたりします。また、戦いや逃亡途中に尿をしたくならないように、膀胱を広げて尿をためやすくしたりもします。

 アドレナリンは、主に腎臓の上にある副腎髄質で作られます。また、脳や自律神経の交感神経節でも作られています。そして、生き残りをかけたような状態になると、脳からアドレナリンを出すように指令が出て、脳の視床下部で拡散し、「やるぞ!」と感情に働きかけ、交感神経節を通って身体の機能として戦闘態勢を整えて、心と体の準備をします。

 アドレナリンの出過ぎはあまりよくありません。その状態は、血流は増加しますが末端の血管は収縮したままなので、体が硬くなって思うように動けなくなり、パフォーマンスは悪化します。またこの状態が続くと、自律神経にも悪影響を与えて、冷え性や自律神経失調症になる場合もあります。アドレナリンが出過ぎるのは、ひとつには不必要に緊張し過ぎているような場面で、「交渉が失敗したらどうしよう」「試合で負けたらどうしよう」等、過度な心配をしているとこうなります。結果、体が硬くなり、動きも悪くなってしまいます。日常生活でいえば、常にストレスに晒されているような状況です。

アドレナリンは、簡単に調節できる?

 調節方法の一つが「深呼吸」。3秒吸ったら6秒吐くというイメージで深くゆっくり呼吸しましょう。緊張を感じた時、まず1分間、深呼吸をしましょう。これは、試合の最中でも有効です。ミスをした時、同じミスを繰り返さないように、深呼吸で間を作り、ミスの理由について分析をすると、落ち着いてプレーに戻れます。

"○○の呼吸"で作る全集中。それが「ゾーン」

「ゾーンに入った」という状態があります。人気アニメ『鬼滅の刃』における「全集中」という言葉で表される状態、これは典型的な「ゾーン」です。闘争心だけでは体が硬くなり、呼吸も乱れて冷静さもなくなります。そのときに呼吸を整え、アドレナリンの過剰な放出を抑えれば、集中力が極限まで高まります。それがいわゆる「ゾーン」です。体をコントロールしている自律神経の機能のうち、唯一、人間が意識して高めることができるのが呼吸です。言い換えれば、アドレナリンをコントロールするためには呼吸の方法が重要なのです。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン


2026年2月11日水曜日

下痢

 冬に増える下痢の要因

 気温が低く寒さが厳しくなる冬は、お腹のトラブルが起こりやすくなります。

「冬にお腹が緩むのは仕方がないと諦めてはいけない。下痢は体力を失うだけでなく、繰り返せば肛門に過度に負担がかかり、細菌感染などで痔疾患の要因を招くことも。下痢になる原因を知ることで自分の体を守り、快適に過ごせるようになる」(草間かほるクリニック・草間院長)

 そもそも下痢はなぜ起きてしまうのでしょうか。下痢とは、便が通常と比べて水分量が多くなり過ぎてしまった状態。口にした食べ物は、食道から胃に送られて消化されやすい形になり、小腸で消化吸収が行われます。そして大腸で水分が吸収されて便として排泄されますが、水分量が80~90%で軟便に、90%以上で水様便、いわゆる"下痢便"になります。

 冬は、下痢などのお腹のトラブルが増える季節ですが、下痢は便が緩くなるメカニズムから大きく4つに分けられます。

 腸での水分吸収が妨げられて起こるのが『浸透圧性下痢』です。人工甘味料や薬が原因になることや、食べ過ぎによる消化不良、乳糖不耐症などからも起きます。腸からの水分分泌が過剰になるのが『分泌性下痢』です。細菌やウイルス感染、寄生虫、アレルギーなどで起きます。腸が過剰に動くことによるのが『蠕動(ぜんどう)運動性下痢』です。大腸で十分に水分が吸収されないまま便となるので、緩くなってしまうのです。ストレスや緊張、冷えで起きることが多いですが、暴飲暴食、香辛料やコーヒーなどの刺激物がきっかけとなることもあります。腸の炎症を原因とするのが『滲出性下痢』です。腸管の粘膜が損傷し、血液や細胞内の水分が腸管内に滲み出て下痢になります。クローン病・潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患や、細菌性大腸炎・虚血性腸炎などが原因となります。

 冬に下痢が増えてしまうのは、寒さによりお腹が冷えやすいことがあります。また、ノロウイルスなどのウイルス性の食中毒も起きやすく、飲み会などのイベント後の消化不良、就寝時や起床時に冷えてしまうことなども原因となります。

 お腹が緩くなってしまったら、まず必要なのは安静と保温です。体を冷やさないように、特にお腹まわりを温めて、楽な姿勢で体を休めましょう。お腹を温めるには腹巻きがオススメです。注意したいのが、下痢止めの服用。細菌やウイルス感染、食中毒などが原因と疑われるときは、腸の蠕動運動を止めるタイプの下痢止めの薬は服用してはいけません。下痢によって有害物質を体の外に出しているので、無理に止めない方がいいのです。

(出典:https://weathernews.jp/)


■ゆるハラ・下痢の対策

 便の水分が異常に増え、下痢便や軟便を繰り返し、腹部不快感や腹痛を伴う状態を「下痢もしくは下痢症」といいます。理想的とされる便の水分量は70%~80%です。

下痢や軟便のメカニズム

 正常な腸では「蠕動運動」により、腸の内容物を肛門側に送ります。腸を通過する際、内容物の水分が体内に吸収され適性な便を作ります。しかし、何らかの原因で蠕動運動が異常に活発になったり、水分量の調節機能に障害が起きると、下痢便や軟便になったりします。

 腸の蠕動運動が過剰になると、内容物が腸を急速に通過するため水分の吸収が十分に行われず、水分の多い下痢便や軟便になります。また、腸の水分吸収が不十分の時や、腸からの水分分泌が増えると、腸の中の水分が異常に多くなり下痢便や軟便になるのです。

下痢や軟便の原因

 下痢や軟便は、その原因によって対処法は異なります。2~3日前から症状が起こる前後の思いあたる原因を探ることが大切です。以下のような原因が考えられます。

【消化不良】 【食あたり・水あたり・食中毒】 【ストレス・緊張】 【その他】薬(抗生物質など)の服用・牛乳や乳製品の摂取・風邪・過敏性腸症候群(IBS)・腸自体の炎症や腫瘍(クローン病、潰瘍性大腸炎等)などの器質的な疾患

==================

下痢や軟便の対処法

 下痢は本来吸収すべき水分を排出しているので、脱水症状に気を付けなければなりません。水分補給は重要ですが、一気に冷たい水を飲まないように。ぬるめの白湯や番茶、常温のスポーツドリンクなどを少しずつこまめに補給することが重要です。

 またウイルスや細菌、食中毒による急性の場合は病院で受診すべきです。体の防御反応として、侵入したウイルスや細菌を速やかに外に出そうとして下痢になっているため、市販の下痢止め薬などで止めることはやめたほうがいいでしょう。下痢止め薬を飲んでいいのは、お腹を冷やしたり、食べ過ぎや飲み過ぎ、過敏性腸症候群の場合です

 下痢や嘔吐を繰り返して、めまいや頭痛が出てきたときも体内の水分が失われている危険性があります。急性の下痢はたいてい1週間以内に治りますが、長引く場合は何らかの病気が隠されている可能性もあります。専門医を受診することをおすすめします。

 まだまだ厳しい寒さが訪れることもあります。しっかり体をケアすることを心がけ、元気に過ごせるようにしましょう。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2026年2月4日水曜日

動脈硬化

 細菌由来の脂質と動脈硬化の関係

 動脈硬化は、高血圧や脂質異常症、喫煙、糖尿病などが主な原因とされ、血管の壁にコレステロールなどがたまって硬くなる病気です。近年、これらの伝統的なリスク因子に加え、細菌、特にその成分である「脂質」が引き起こす慢性的な炎症が、動脈硬化の発症や進行に深く関わっていることが明らかになってきました。

 注目されているのは、主にグラム陰性菌の細胞壁の外側にある「リポ多糖(LPS)」という脂質です。LPSは「内毒素(エンドトキシン)」とも呼ばれ、私たちの体内で免疫反応を引き起こす強力な物質です。このLPSが体内、特に血中に侵入する主な経路として、歯周病と腸内環境の乱れが挙げられます。

 歯周病 

:歯周病は、歯周病菌による歯ぐきの感染症です。進行すると歯周ポケットが深くなり、そこから歯周病菌やその成分であるLPSが容易に血管内に侵入します。実際に、動脈硬化を起こした血管の病巣から歯周病菌が検出されたという報告もあります。

 腸内環境の乱れ(リーキーガット) 

:腸内細菌のバランスが崩れると、腸の粘膜バリア機能が低下し、LPSなどが血中に漏れ出しやすくなります。高脂肪食の摂取は、このような「メタボリックエンドトキセミア」と呼ばれる軽度なエンドトキシン血症を引き起こし、動脈硬化のリスクを高める可能性が指摘されています。

 血中に入ったLPSは、免疫細胞の一種であるマクロファージを活性化させます。活性化したマクロファージは、炎症を引き起こす様々な物質(炎症性サイトカイン)を放出します。この反応が慢性的に続くことで、血管の内側を覆う内皮細胞が傷つけられます。

 血管内皮細胞が傷つくと、血液中の悪玉(LDL)コレステロールが血管壁に侵入しやすくなり、酸化LDLへと変化します。マクロファージは、この酸化LDLを異物とみなして取り込みますが、処理しきれないほど大量にあると、コレステロールを溜め込んだまま死んでしまいます。この死んだマクロファージの残骸などが粥状の塊(プラーク、アテローム)となり、血管壁に蓄積していくことで動脈硬化が進行します。つまり、細菌由来の脂質は、直接血管の壁を厚くするのではなく、免疫システムを介して「慢性炎症」を引き起こし、その結果として動脈硬化のプロセスを加速させる「引き金」の役割を果たしているのです。

 動物実験では、LPSの投与による動脈硬化の悪化が確認されています。また、歯周病を持つ人はそうでない人に比べて脳梗塞のリスクが2.8倍高いという報告もあり、細菌感染と動脈硬化性疾患との関連が強く示唆されています。しかし、この分野はまだ研究途上であり、細菌由来の脂質が動脈硬化に与える影響の全容解明には至っていません。

 とはいえ、細菌由来の脂質が原因の慢性炎症が動脈硬化の重要なリスク因子であることは間違いありません。日常の歯周病予防やバランスのとれた食事による腸内環境整備が、従来の生活習慣病対策と並行して、動脈硬化を防ぐ上で極めて重要であると言えるでしょう。


■動脈硬化と一酸化窒素(NO)

 心臓疾患には、心臓の冠動脈の血管が徐々に狭窄する「狭心症」、詰まってしまう「心筋梗塞」などがあり、その原因の大半が動脈硬化です。

血管内皮細胞の損傷 ⇒ 動脈硬化

 血管の内側にある血管内皮細胞は、高血圧、高血糖、コレステロール、喫煙、ストレスなど様々な原因により損傷します。右図のように、損傷した部分からは血液中の悪玉コレステロールなどの有害物質が侵入し、血管壁を厚くし、血管が狭くなり、その結果として動脈硬化となってしまいます。

血管内皮機能を調整しているNO

「一酸化窒素(NO)」は、主に血管の一番内側を覆っている「血管内皮細胞」から作られます。運動などで血流が速まると、それを刺激としてNOが放出されます。このNOには、中膜の筋肉層に働きかけて血管を柔らかくし、拡張させる「血管拡張作用」や、血栓ができるのを防ぐ「血小板凝集抑制作用」、また、単球などの白血球が血管内皮細胞に接着したり内皮細胞下組織に浸潤したりするのを防ぐ作用などがあります。

 これらの働きにより、NOは"血管を若々しくしなやかに保つために不可欠な物質"と言えます。※この発見は非常に重要視され、1998年にはノーベル生理学・医学賞の対象となりました

 しかし、血管内皮細胞が損傷するとNOは減少、血管内皮細胞の機能が低下し、動脈硬化も進行します。

==================

 血管内皮細胞は、微小循環をはじめとする毛細血管を円滑に維持しています。NOの産生が低下すると、血管が収縮し、炎症を起こしやすく動脈硬化になりやすい血管になってしまいます。

 また、生活習慣などの悪影響によって、過剰になった活性酸素による酸化ストレスが動脈硬化を進行させてしまいます。

 康復医学学会の主要研究生薬である「HM-3000(特系霊芝)」には、NOの産生促進に関するデータ、および抗酸化酵素GSH-Px(グルタチオンペルオキシダーゼ)の産生促進・活性化に関するデータがあります。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン


2026年1月28日水曜日

血液の健康

 水を飲んでも血液サラサラにならない?

 世間では「水を飲めば血がサラサラになる」と信じられ、こまめに水分を摂るよう奨励されています。確かに、水は生きていく上で不可欠なもので、三日間水を飲まなかったら死んでしまいます。しかし、何にでも適量というものがあり、植木も水がなければ枯れますが、水をやり過ぎても根が腐ります。「過ぎたるは及ばざるが如し」で、人体も水を摂り過ぎると、様々な問題が起こるのです。

 たとえば、人間の体温は暑い場所でも寒い場所でも変わりません。血液中の水分量は腎臓が調節するので、水をたくさん飲めば、それだけ排尿が多くなり、逆に水を飲まなければ、尿は濃く、少なくなります。つまり水分の摂取量を増やしても、血液の中の水分の量は変わらないのです。これがホメオスタシス(恒常性の維持)といわれる人体の働きです。

 人は年をとるにつれ、頻尿や口の渇きなどの水分代謝の異常症状が表れます。これを中国医学・漢方医学などでは「水毒」といい、必要な組織(細胞内)に水が足りず、不必要な組織(細胞外=胃袋、皮下、細胞と細胞の間など)に余分な水がたまっている状態と捉えます。年をとると、脳梗塞や心筋梗塞などの血栓症が起こりやすいので、西洋医学では水分を多く摂るよう指導します。しかし、皮膚に弾力性がなくなってシワが表れるように、胃や腸などの内臓も、弾力性を失いダラリとしてきます。水をたくさんとっても、下垂している胃腸に水分がたまるだけで、血液には吸収されにくいのです。それどころか胃腸にたまった余分な水分は体全体を冷やし、様々な臓器の機能を低下させたり、血栓を作りやすくさせたりするという側面もあります。なぜなら血栓ができるのは、"冷え"が大いに関係しているからです。水を冷やすと氷になるように、人体内の物質も冷やすと硬くなるのです。水には万物を冷やす作用があるため、体が冷えると体内の余分な水を排泄して"冷え"から逃れようとします。風邪をひくと鼻水やくしゃみが出たり、寝冷えすると下痢(水様便)をしたりするのは、すべて余分な水を捨てて体を温めようとする反応です。

 動物は「前もって水を飲んでおこう」などと考えません。ノドが渇いたときだけ水を飲みます。人間だけが「1日2リットルの水を飲むように」などといわれ、飲みたくないのに飲んだ結果、不健康になってしまっているのです。

 真の「血液サラサラ」を目指すには、適切な水分補給に加えて、以下のような総合的な生活習慣の見直しが不可欠です。

食生活の改善:脂質の多い食事を控え、青魚や納豆、玉ねぎ、緑茶など、血液サラサラ効果が期待できる食品を積極的に摂りましょう。

適度な運動:定期的な運動は血行を促進し、血中の脂質や糖の代謝を助けます。

その他の生活習慣:禁煙やストレス管理も、血管の健康を保つ上で重要です。

 バランスの取れた食事や運動習慣など、総合的なアプローチが健康な血液と血管を維持するための鍵となります。

(出典:Dr.石原の自然療法 http://ameblo.jp/ishihara-yumi/ 他)


■血液の健康は微小循環の改善から

ドロドロをサラサラに変えられるのは「酵素」だけ!

 そもそもドロドロ血液とはどんな状態かというと、赤血球が2個以上つながった状態を指していて、画像でいうと右側です。このように赤血球がくっついた状態をルロー(連銭形成)といいますが、赤血球は2個つながっただけでも微小循環血管には入るのが困難です。

 ルローがさらに悪化して、赤血球が球状になったものをアキャンソサイトといいます。そこまで行くと重症で、微小循環が悪化し、全身に酸素も栄養素も運ばれず、組織は飢餓状態になります。ほとんどの病気が微小循環不良から起こるといっても過言ではありません。

ドロドロの原因、そしてルローをほどくカギとは!?

 本来、ひとつひとつ独立しているはずの赤血球がくっついてしまう原因は、血液内の液体成分が高タンパク状態になったり、酸化油脂などの悪い油や糖化タンパクが増えたりすることにあります。今回の通信1枚目にあるように、いくら水を飲んでもサラサラにはならず、かえって悪影響をもたらすことにもなります。この赤血球のルローをほどく力は「酵素」にしかないのです。体内では代謝酵素が働きますが、食物酵素も体内で吸収され、血中でルローをほどきます。酵素の入った食事(「生」の食物と「発酵食物」)が効果的です。

==================

サラサラだけではダメ、微小循環の改善が重要!

 微小循環を改善することが、あらゆる病気の予防および治癒に影響します。

 血液の質をサラサラにすることはその条件の一つにすぎません。血液の機能にも注目する必要があります。

 微小循環血管を改善し、血液の機能を高めるのが、康復医学学会の主要研究生薬である「HM-3000(特系霊芝)」です。HM-3000は細動脈・細静脈と微小循環血管の接合部分にある括約筋の柔軟性を促し、さらに赤血球が運んできた酸素をヘモグロビンから切り離して全身の組織に届ける機能を改善します。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン


2026年1月21日水曜日

正しい味覚を

 子どもの正しい味覚を育む

「子どもの味覚は3~5歳までに決まる」と言われています。この時期の食体験は、生涯にわたる食の好みや健康的な食生活の基盤を築く上で非常に重要です。

1. 味蕾の発達

 味覚は、主に舌の表面にある「味蕾」で感じます。味蕾の数は、実は生まれた時が最も多く、約1万個あるそうです。大人の約7,500個と比べると、乳幼児がいかに味に敏感であるかがわかります。3歳頃までは味蕾の数が最も多いため、味覚の「黄金期」と言われます。この時期の様々な味覚経験が、味覚の幅を広げる上で極めて重要です。

2. 脳への記憶蓄積

 味蕾がキャッチした「甘味、塩味、酸味、苦味、うま味」の五つの基本味の情報は、脳に送られ、「おいしい」「まずい」といった記憶として蓄積されます。子どもは本能的に、エネルギー源となる「甘味」や、体の調子を整えるミネラルを含む「塩味」、たんぱく質の元となる「うま味」を好みます。一方で、腐敗物や毒物を示すシグナルである「酸味」や「苦味」は、本能的に避ける傾向があります。様々な食材との出会いと経験で、子どもは安全な食べ物を学習し、徐々に酸味や苦味も受け入れるようになります。

3. 味覚の発達段階

 離乳食期(生後5、6ヶ月頃~)は母乳やミルク以外の味に初めて出会う時期。味覚が非常に敏感で、様々な味を受け入れやすい時期です。まずは出汁などの活用で「うま味」に親しませ、徐々に素材そのものの味を経験させましょう。幼児期(1歳半頃~)は好き嫌いがはっきりしてくる時期。4~5歳で好き嫌いのピークを迎えます。この時期に様々な食材や調理法に触れることが、味覚の幅を広げ、豊かな食生活の土台を築きます。


正しい味覚を形成するための7つの注意事項 :

薄味を基本に幼児期に濃い味に慣れてしまうと、素材の繊細な味が分からなくなり、将来的に生活習慣病のリスクを高めます。

多様な食材の経験旬の食材は栄養価が高く味も濃いため、積極的に取り入れましょう。様々な食材の味や香り、食感に触れることで、味覚の幅が広がります。

うま味の活用昆布やかつお節などの出汁に含まれる「うま味」は、他の食材のおいしさを引き立て、満足感を与えます。うま味を上手に使えば、塩分や糖分を控えられ、薄味でも満足できる味覚が育ちます。

加工食品やインスタント食品は控えめに加工食品は味が濃く、添加物も多いため、日常的に食べるのは避けましょう。

食事の時間を楽しむ家族みんなで食卓を囲む「共食」は、子どもが食事に興味を持つきっかけになります。楽しい雰囲気が食べることへのポジティブなイメージを育みます。

無理強いしない苦手な物を無理に食べさせると、その食物に対して嫌な記憶が結びつき、ますます嫌いになってしまいます。

おやつの与え方に注意甘いお菓子やジュースの摂りすぎは、味覚のバランスを崩し、食事に影響を与えることがあります。

 子どもの味覚形成は、日々の食生活の積み重ねです。焦らず、様々な「おいしい」体験をさせることが、生涯にわたる健康と豊かな食生活の何よりのプレゼントとなるでしょう。


■味覚をダメにする"黄金トリオ"

 ご家庭の料理に「だしの素」を使っている人は多いと思います。かつお節や昆布でだしを取る必要もなく、だしカスも出ません。なぜ小さじ一杯で、しっかり"オイシイ"だしが取れるのでしょうか。

 実は食品添加物が大活躍しているのです。インスタント食品の「味の黄金トリオ」、つまり、「①食塩+ ②化学調味料+ ③たんぱく加水分解物」の作り出す濃い味です。これにかつおエキスなどで香りを付けたものがだしの素です(上表参照)

「化学調味料」は近年評判を落としているので「うま味調味料」などと改名しています。成分表示では「調味料(アミノ酸等)」となりますが、日本ではこの一括表示名が許されています。実際の物質は何種類使っているかわかりません。

 左表は、かまぼこに使われている実例です。

「たんぱく加水分解物」:加水分解とは、酸またはアルカリの水溶液で分解するという化学用語。消費者に分かるよう「たんぱく質塩酸分解物」と表示してほしいものです。使われるたんぱく質は、大豆、小麦グルテンなどの植物性と、肉、魚などの動物性があります。植物性は主に和風の味に、動物性は洋風・中華風のコクのある味に使われます。たんぱく加水分解物を一般の人に味見してもらうと、まず、その異臭に驚きます。でも舐めてもらうとスナック菓子やラーメンの味なので、またビックリするようです。

 アレルギー問題に詳しい専門家は、たんぱく加水分解物を配合したスナック菓子やだしの素が、子供のアレルギーの原因となっている可能性があると警告しています。

 また2009年、欧州食品安全機関は、日本の醤油を回収、輸入禁止措置を取りました。それはたんぱく質の分解に塩酸を使うことで発生する「MCPD」という塩化化合物が欧州の安全基準を上回る数値で検出されたからです。日本ではたんぱく加水分解物は添加物扱いではなく、食品材料としての表示が認められているため、使用規制がありません。

「食塩」も安い精製塩が大量に使われることがほとんどで、味の濃いオイシイ調味料に一役買っています。精製塩の摂り過ぎによるリスクは皆さんご存知の通りです。

==================

 康復医学学会では、魚由来のコラーゲンをベースに昆布と椎茸を加えた無塩・無添加の天然だしの開発・商品化に協力しています。本物のうま味で、日本人の味覚を取り戻しましょう!


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン