アドレナリンの歴史
アドレナリンの歴史は、1900年に高峰譲吉と上中啓三が世界で初めて副腎から抽出・結晶化に成功したことから始まります。彼らはアメリカの製薬会社パーク・デイビス(現ファイザー)と協力して、アドレナリンの商品化に取り組みました。当初、アメリカでは別の研究者であるジョン・エイベルが発見した「エピネフリン」という名称が使われていました。しかし、後に高峰らの発見が正式に認められ、日本では2006年にアドレナリンという名称が採用されました。
(1)発見と結晶化:
1890年代後半から、欧米の研究者たちは副腎の抽出成分に注目し、"血圧上昇作用"や"止血作用"があることを発見していました。
1900年、高峰譲吉と上中啓三は、アメリカのパーク・デイビス社の研究プロジェクトに参加し、牛の副腎からアドレナリンを抽出し、世界で初めて結晶化することに成功しました。
この結晶化されたアドレナリンは、外科手術の止血剤として使用され、患者の生存率向上に貢献しました。
(2)名称と商品化:
高峰譲吉は、副腎を意味するラテン語「adrenal」に由来する「アドレナリン」と命名しました。
一方、アメリカのジョン・エイベルは、同じ物質を「エピネフリン」と命名していました。
高峰は、パーク・デイビス社と協力してアドレナリンの商品化に取り組み、1901年にアメリカで特許を取得し、1902年には日本でも販売を開始しました。
(3)名称論争:
高峰の死後、エイベルは高峰の研究は自分の盗作であると主張し、アメリカでは「エピネフリン」という名称が使われ続けました。しかし、ヨーロッパでは高峰らの功績を認め、「アドレナリン」という名称が使われました。日本では、2006年の薬事法改正で「アドレナリン」が正式名称として採用され、名称論争に終止符が打たれました。
(4)現在の状況:
アドレナリンは、現在でも医療現場で広く使用されており、特に心肺蘇生処置やアナフィラキシーショックの応急処置などに欠かせない薬となっています。
また、アドレナリンは、一般的に「興奮状態」や「緊張状態」を表す言葉としても使われています。
(出典:https://diamond.jp/ 他)
■"全集中"でアドレナリンをコントロール!
「アドレナリンが出て良いパフォーマンスがでた。試合中は痛みも感じない」などの表現をすることがあります。そもそもこの「アドレナリン」とは何なのでしょうか。
生き延びるためのホルモン「アドレナリン」
アドレナリンとはホルモンの一種で、健康や生命、成長などを維持するために、体の様々な機能を調節する役割があります。人間が外敵から襲われ、生き延びるためには戦うか逃げるしかないといった、まさに"生命の危機"というような状態になったときに出るホルモンです。アドレナリンは、心拍数を上げ、体内により多くの酸素を供給できるように血流を流すため、いつも以上の力が出せる状態になります。そして筋肉にエネルギーを送ったり、瞳孔を開いて周囲がよく見えるようにしたりします。また、戦いや逃亡途中に尿をしたくならないように、膀胱を広げて尿をためやすくしたりもします。
アドレナリンは、主に腎臓の上にある副腎髄質で作られます。また、脳や自律神経の交感神経節でも作られています。そして、生き残りをかけたような状態になると、脳からアドレナリンを出すように指令が出て、脳の視床下部で拡散し、「やるぞ!」と感情に働きかけ、交感神経節を通って身体の機能として戦闘態勢を整えて、心と体の準備をします。
アドレナリンの出過ぎはあまりよくありません。その状態は、血流は増加しますが末端の血管は収縮したままなので、体が硬くなって思うように動けなくなり、パフォーマンスは悪化します。またこの状態が続くと、自律神経にも悪影響を与えて、冷え性や自律神経失調症になる場合もあります。アドレナリンが出過ぎるのは、ひとつには不必要に緊張し過ぎているような場面で、「交渉が失敗したらどうしよう」「試合で負けたらどうしよう」等、過度な心配をしているとこうなります。結果、体が硬くなり、動きも悪くなってしまいます。日常生活でいえば、常にストレスに晒されているような状況です。
アドレナリンは、簡単に調節できる?
調節方法の一つが「深呼吸」。3秒吸ったら6秒吐くというイメージで深くゆっくり呼吸しましょう。緊張を感じた時、まず1分間、深呼吸をしましょう。これは、試合の最中でも有効です。ミスをした時、同じミスを繰り返さないように、深呼吸で間を作り、ミスの理由について分析をすると、落ち着いてプレーに戻れます。
"○○の呼吸"で作る全集中。それが「ゾーン」
「ゾーンに入った」という状態があります。人気アニメ『鬼滅の刃』における「全集中」という言葉で表される状態、これは典型的な「ゾーン」です。闘争心だけでは体が硬くなり、呼吸も乱れて冷静さもなくなります。そのときに呼吸を整え、アドレナリンの過剰な放出を抑えれば、集中力が極限まで高まります。それがいわゆる「ゾーン」です。体をコントロールしている自律神経の機能のうち、唯一、人間が意識して高めることができるのが呼吸です。言い換えれば、アドレナリンをコントロールするためには呼吸の方法が重要なのです。
いつもありがとうございます。
愛・感謝 村雨カレン









