2022年5月25日水曜日

骨粗しょう症

 医学部教授が警鐘! “骨卒中”とは

「高齢者が一度骨折をすると、クセになりやすいというのは定説だ。特に注意すべきは背骨と股関節周辺の骨折だろう」

 こう話すのは、鳥取大学医学部の萩野浩教授。高齢になって足腰が弱くなると、ちょっとした動作で転倒し、骨折するのは体を支える中心部であることが多く、フレイル(虚弱)状態が進むため、治っても再び骨折する確率が高くなるのです。

「たとえば、背骨を骨折した高齢者は、そうでない人に比べて4~7倍、再び骨折しやすくなる。しかも、次に骨折するのは背骨だけでなく、股関節周辺であることも多い」(同教授)

 一般的に股関節周辺の骨折は予後が悪く、長期間、寝たきりの生活を送ることになります。するとさらに筋力が落ち、自力で生活できなくなって介護生活に入る‥‥。ショッキングなことに、5人に1人が1年以内に死亡しているそうです。

骨折後、死亡までの期間が極端に短くなることを『骨卒中』と呼び、警鐘を鳴らしている」

 60~70代で背骨を骨折、その後、70~80代で股関節周辺を骨折するというパターンが多く、また、3人に1人が生涯に1度は背骨の骨折を、5人に1人が股関節周辺の骨折を経験するといいます。

 さらに、一度骨折をすると1年以内に再び、という可能性は非常に高く、少なくとも骨折後10年間はその影響が続くことになります。しかし、骨卒中のサインは、そのずっと前から出ているのだと萩野教授は話します。

「高齢になってから骨折する人の多くは、50歳前後で手首を骨折している。つまずいたり転んだりして手をついたときが多いのだが、その時点ですでに骨がもろくなっているという証拠と言える」

 にもかかわらず、「手首だから軽く済んでよかった」と骨折の治療だけを施して、骨質を上げる対策をしないケースがほとんどです。

 最初の骨折時点で行うべきこととして、自分の骨密度を知ること、必要に応じて骨粗しょう症の治療をすること、転ばないためにも筋力をつけ、骨密度を上げる食生活をすることが挙げられます。ちなみに、骨粗しょう症の治療には注射と投薬があり、治療することで、再発のリスクが50%程度下がります。

 また、生活周りの危険な場所のチェックも必要です。

「高齢者の転倒骨折の9割は家の中で起こっている。じゅうたんの縁がめくれていたら留める、段差のあるところには手すりをつけるなど、転倒のリスクがある場所の処置をしておくことが大切だ」

(出典:https://jisin.jp/life/health)


■骨粗しょう症予防

 人の骨は生涯を通して古い骨を壊して吸収し(骨吸収)、その場所に新しい骨を作る(骨形成)ことにより、血清中のカルシウムの値を調節すると共に骨の強度も保っています。これを骨代謝と呼びます。


予防のための運動:骨に刺激が加わる運動を

 骨粗しょう症を予防するためには、カルシウムの摂取とビタミンDを体内で合成するために必要な日光浴に加えて、ウォーキングや筋力トレーニングなど、骨に刺激が加わる運動が推奨されます。骨はその長軸に対して物理的な刺激が加わると、微量の電流が骨に伝わり強さが増すといわれています。スポーツ選手の骨密度は、一般の人よりも高いことが知られていますが、物理的な過重負荷が大きい者ほど高いのです。たとえば過重負荷の少ない水泳選手は、陸上でグランドを使用するスポーツ選手よりも骨密度が低いそうです。したがって骨粗しょう症を予防するためには、ウォーキングやジョギングのような重力のかかる運動が効果的だと考えられます。軽いダンベルを持ったウォーキングはパワーウォーキングと呼ばれますが、自身の体重に少し負荷を増やしたウォーキングも効果的です。


α-リノレン酸の高い効果

 オメガ3脂肪酸の一種であるα-リノレン酸(ALA)が、骨の健康状態を改善することは、すでに2007年に立証されています(ペンシルベニア州立大学)。

 クルミと亜麻仁油を加えたα-リノレン酸の高い食事と、リノール酸の高い食事の2種を平均的な米国人の食事(AAD)と比較した結果、骨吸収を表す数値が平均的な米国人の食事に較べて、クルミを加えたα-リノレン酸食において最も低下した、というものでした。この研究は、人において骨の健康状態に対する植物性オメガ3脂肪酸(ALA)供給源の効果を評価した最初の研究です。

 この研究結果からα-リノレン酸の摂取量が増えれば骨の代謝が抑制され、骨の「分解と形成」の2つのバランスが「形成」の方に傾くということが示唆されたのです。

 高齢化社会の今、骨粗しょう症や骨折は治療の長期化により寝たきりのリスクも高くなります。普段から食生活などに気をつけ、骨を丈夫に保つことを考えていくことが大切です。

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霊芝と骨粗しょう症

 中国の古い薬物書には、「霊芝」が更年期障害など中高年の体の不調に有効であるという記述があります。そこに着目した九州大学の清水邦義教授は、霊芝が骨粗しょう症への効果も期待できるのではと考え、研究を始すすめ、ついに、霊芝によるエストロゲン様活性破骨細胞分化抑制活性骨密度低下抑制活性の新規機能性の発見に成功しています。

※清水教授の論文『霊芝の前立腺肥大・骨粗鬆症改善効果』(2006年)、『高齢化社会に対応した霊芝の機能性--骨粗鬆症予防・改善効果』(2008年)


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2022年5月19日木曜日

脳腸相関とセロトニン

 "腹が立つ"は科学的にも理がある

 大腸の粘膜に炎症が起こって潰瘍ができる病気に、潰瘍性大腸炎があります。悪化しても大腸を全摘する手術で命はほとんど助かりますが、栄養が低下して元気がなくなったり、免疫力が低下したりします。そこから、大腸は便をつくって排出するだけでなく、もっと多くの仕事をしているのではないかと考えられるようになりました。

 大腸をとってしまうと元気がなくなるのは、脳と腸が密接に関わっているからです。大腸には多くの神経細胞があり、交感神経系や副交感神経系を介して脳とつながっています。お腹の調子が悪いと気分が沈み、逆に脳にストレスがかかるとお腹の調子が悪くなるといったように、脳と腸が双方向に影響し合うことを"脳腸相関"といいます。日本語には「腹が立つ」「腑に落ちる」「腹が黒い」などの表現があり、お腹と脳(心)がつながっていることを体験的に知っていたと思われます。

 大腸には免疫機能もあります。口からは食物だけでなく、多くの病原菌も入ってきます。危険な侵入物から身を守るために、腸管では食品のように安全なものと、病原菌のように危険なものを識別しています。安全なものに対しては、制御性T細胞(Tレグ)と呼ばれる免疫担当細胞が免疫を弱めるように働き(経口免疫寛容)、病原性のあるものに対しては抗体(主としてIgA抗体)をつくって腸管から体内に吸収されるのを防いでいます。これを"腸管免疫"といいます。腸管免疫がうまく働かなくなると、体全体の免疫も低下してきます。近年、腸の働きの維持のために腸内細菌が重要な役割を担っていることがわかってきました。

 脳腸相関ということでは、腸内細菌は神経伝達物質もつくっています。神経伝達物質は神経細胞間の情報伝達を担っている物質で、セロトニンやドーパミンなどがあります。たとえばセロトニンは感情のコントロールや精神の安定に深く関わっている物質で、不足するとうつ病を発症する原因ともなります。

 小刻みな歩行になるなどの症状がみられるパーキンソン病は、ドーパミンが働かなくなることで発症します。一般には脳・神経の病気と思われていますが、最新の研究では、原因が大腸にあるのではないか、と言われるようになってきました。大腸でのドーパミンの産生が減り、それが神経を伝わって脳にまで広がって発症するのではないかというのです。

 また、神経難病の一つである多発性硬化症にも腸内細菌が関係しており、糞便移植(健康な人の便に含まれる腸内細菌を病気の人に投与する治療法)をすると改善することがあります。

 このように腸と脳(心)は密接に関係しています。それを結びつけているのが腸内細菌です。最近では腸内細菌のバランスの乱れが、肥満、花粉症、糖尿病、大腸がんなどさまざまな疾患とも密接に関係していることが明らかになりつつあります。

(出典:https://www.asahi.com/)


■腸内セロトニンと脳内セロトニン

 セロトニン(serotonin, 5-HT)は、トリプトファン(必須アミノ酸の一種)から生合成される神経伝達物質です。体内に存在する約10mg程度のセロトニンのうち約90%は消化器内にあり、これが「腸は第2の脳」といわれる理由の一つになっています。小腸の粘膜細胞内にあり、ぜん動運動に作用し、消化を助けて整腸作用があります。昨今急増している過敏性腸症候群(IBS)の症状にもセロトニンが関連しているといわれています。体内の残り10%のセロトニンのうち、8%は血小板に収納され血液中を流れています。血液中のセロトニンには、血液を凝固させる止血作用や、血管の収縮作用などがあります。


人間の活動に大きな影響を与える脳内セロトニン

 そして、ほとんどの病気の原因といわれるストレスなど人間の精神面に大きな影響を与えているのが、脳内の中枢神経に存在している僅か2%のセロトニンです。体内時計を調節したり、メラトニンの原料となったり、ドーパミンやノルアドレナリンの作用を制御して、気分や感情のコントロール、衝動行動や依存症の抑制をしたりしています。また、痛覚の抑制(鎮痛作用)、海馬における記憶力や学習効果にも影響を及ぼします。咀嚼や呼吸といった反復運動の機能にも作用しています。脳内セロトニンは日常の些細なストレスによっても使われるため、ストレス社会といわれる現代においては、セロトニン量は不足気味で、セロトニン神経系の働きも鈍ります。うつ病などの精神疾患が増える原因でもあります。


脳内セロトニンの原料を食事で摂るのは難しい

 脳内セロトニンを増やすために、原料のトリプトファンを多く含む食材を摂ればいいと勧める先生もいますが、実はそう簡単ではありません。トリプトファンの代謝は極めて多様かつ複雑です。食事で摂ったトリプトファンがセロトニン経路に使われるのはごく一部で、しかも大部分が腸内セロトニンの合成に消費されます。また、食事で摂ったトリプトファンはそう簡単には脳内には入りません。血管から脳への物質の関所「血液脳関門」(脳毛細血管の内皮細胞)の通過にあたり、トリプトファンは他のアミノ酸(バリン・ロイシン・イソロイシン・フェニルアラニン・チロシン・メチオニン)と共通の輸送体を使って脳内に入るため、高たんぱく食など他のアミノ酸が多い環境ではトリプトファンはほとんど脳内に入らず、脳内セロトニンの合成にはつながりません。

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【脳内のセロトニンを活性化させるには】

 基本は不規則な生活や睡眠不足などの生活習慣の改善です。セロトニンは太陽の出ている昼間に分泌されやすく、睡眠中や日没後は分泌が少なくなります。『昼間に活動し夜は寝る』という人間本来の生活リズムが大切です。また、セロトニンにはリズム運動によって活性化される特徴がありますから、歩行運動、食事の際の咀嚼、意識的な呼吸などを心がけましょう。当学会の研究素材「ラフマ」には、脳内セロトニンの分泌促進、及び脳神経細胞膜の流動性改善に関するデータがあります。


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モヤモヤ血管

 座骨神経痛、歩行・排尿障害も

 座骨神経は腰から太ももの後ろ側を通って足先まで伸びています。脳や脊髄のような中枢神経から広がる末梢神経のひとつ。これが通っているお尻から足にかけて痛みやしびれを感じ、腰を曲げると足の痛みが強くなる‥‥こうした症状を座骨神経痛と呼びます。

 原因は9割以上が腰での神経障害。若いうちは腰椎椎間板ヘルニア、60代以降は腰部脊柱管狭窄症が多くなります。

 脊椎の間でクッションのような役割をしている椎間板が何かの弾みで破れて、組織の一部(髄核)が飛び出すのが椎間板ヘルニア。靱帯や骨の変形などで脊髄が通る脊柱管が狭くなるのが脊柱管狭窄症です。どちらも座骨神経の根元が圧迫され、お尻や足に痛みやしびれを感じるようになり、腰痛を併発しやすくなります。

 椎間板ヘルニアは、3~6カ月程度で自然に治ることもありますが、必ず自然に治るとは限らないので注意が必要です。脊柱管狭窄症は加齢による場合が多く、症状が進むと、痛みで歩くことが困難になったり(間欠跛行)、頻尿や失禁が起こったりします。

 脊髄から分かれて伸びる「馬尾」と呼ばれる神経に障害が起こると、排尿障害、男性では勃起障害が起こることがあります。早く手術しなければ治らなくなることもあります。

 別の病気の可能性として、がんの腰椎転移や、細菌感染により、座骨神経痛が起こる場合もあります。神経圧迫が長期間続くと炎症が進み、マヒを起こすようになります。発症後3日たっても痛みが軽減しないときには医療機関を受診すべきです。

 治療には非ステロイド性抗炎症薬や鎮痛薬が使われます。神経の根元に注射するブロック療法、赤外線などで腰を温める温熱療法もあります。こうした治療をしても改善がみられない場合、手術が選択肢に入ります。今はほとんど内視鏡で進めるので肉体的負担は少なく、1週間程度の入院ですむことが多いようです。

 座骨神経痛を防ぐには脊椎への負担を減らすのが大切になります。正しい姿勢を心がけ、体重の増加に注意します。長時間のデスクワークも避けましょう。座っていると体重のほとんどがお尻にかかります。腰椎の椎間板にかかる圧力は立っているときの1.4倍といいます。足を組むなどすると、さらに負荷が高くなります。1時間に1回は席を立って動くようにしましょう。

 腹筋、背筋、大腰筋などの筋力をつけるのも脊椎の負担軽減につながります。ただあおむけの状態から上半身を直角に起こす腹筋運動などは腰への負担が大きいのでやめましょう。

(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)


■痛みの原因はモヤモヤ血管?

 繰り返しのストレスにより炎症が起きている部位には異常な血管(病的新生血管)が増殖してしまうことがわかってきました。50μm(0.05mm)程度の非常に小さな血管です。この異常な血管は血管造影画像で霞んでぼやけて見えるため、「モヤモヤ血管」と呼ばれます。

 モヤモヤ血管ができるとなぜ痛みが発生するのか。それはモヤモヤ血管と共に病的な神経も一緒に増殖してしまい、その神経が痛み信号を発しているからです。


モヤモヤ血管ができる原因

 組織が傷ついて炎症を起こすと、それを修復するために血管が増えます。通常は治る過程で新しく増えた血管は減っていきますが、何らかの理由で負担をかけ続けて組織の損傷が続くとその中の一部がとどまるようになります。このようにして留まるようになった病的新生血管(モヤモヤ血管)が様々な形で悪さをするようになるわけです。

 年齢にかかわらず、誰の身体にもモヤモヤ血管はできますが、特に40歳を過ぎるとモヤモヤ血管が減りにくくなります。わかりやすい例が四十肩、五十肩です。広い意味では、モヤモヤ血管は加齢による変化と言えるでしょう。


モヤモヤ血管による痛みのメカニズム

 坐骨神経痛や脊椎間狭窄症の痛み、椎間板ヘルニアの痛みも、モヤモヤ血管が原因かもしれません。モヤモヤ血管は、主に以下の3つの機序で悪さをすると考えられています。

痛み物質を血管外に漏らしてしまう(病的新生血管は構造がいびつであるため)

正常な血管から血液を盗み取ってしまう(盗血現象により、局所では酸素不足に)

病的新生血管の周囲には、異常な神経が伸びてきて痛み信号を発する


モヤモヤ血管ができやすい体質

 糖尿病、脂質異常、高血圧などのいわゆる生活習慣病や、喫煙、肥満、甲状腺の病気、がん、抗がん剤の使用などとの因果関係が指摘されています。これらに該当する方は、同じ負担が加わっても炎症を助長しやすいというわけです。

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モヤモヤ血管の予防は微小循環の改善も大切

 微小循環とは、動脈と静脈をつなぐ毛細血管領域のことを言います。微小循環を改善することで、モヤモヤ血管の減少を促し、全身の隅々までの血流の維持・修復に役立ちます。

 康復医学学会が研究を続けている「HM-3000(特系霊芝)」は、微小循環の改善効果のエビデンスを有する最高峰の生薬です。


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NUD(機能性胃腸障害)

 検査で異常なしの胃痛、NUDかも

 コロナ禍の影響もあってストレスを抱える人が少なくありません。そんな中、増えているとされるのが「NUD(Non-Ulcer Dyspepsia/機能性胃腸障害)」です。別名「FD(Functional Dyspepsia/機能性胃腸症)」とも言われています。ちなみに、ノン・アルサーは「潰瘍がない」、ディスペプシアは「消化不良」の意味です。

 胃もたれや胃痛、胸やけ、食欲不振、吐き気、嘔吐など症状があるにもかかわらず、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの病変がなく、検査を受けても異常なしというケースがほとんど。このような上腹部不定愁訴の原因・要因として、消化管運動機能障害が注目され「不定愁訴(明確ではない不調のこと)」を総称して、NUDという病名で診断されることがあります。

 原因として考えられるのは、不規則な食生活や食べ過ぎ、ストレスなどです。薬の副作用で起こることもあります。

 消化器系の中でも胃はストレスに弱い臓器といわれています。心配事があったり、緊張したりすると「胃が痛くなる」という声はよく聞かれます。

 胃の働きは自律神経によってコントロールされていて、活動時や緊張時には交感神経系が働き、リラックスした時は副交感神経系が働きます。

 通常は交感神経系と副交感神経系のバランスがうまく保たれているのですが、ストレスなどを受けるとバランスを崩しやすくなります。その結果、胃の働きが乱れてしまうのです。

 NUDの病態を「車の運転」と考えてみてください。ストレスがかかってアクセルを踏みすぎると下痢になったり、ブレーキをかけすぎて便秘になったりします。またアクセルやブレーキを上手くコントロール出来ないので胃がもたれたり、すぐにお腹がいっぱいになったりします。

 NUDと診断されれば、症状に応じて胃酸を抑える薬や胃の働きをよくする薬などでの治癒はもとより、食生活の改善に務めることも重要になってきます。脂こい食事や辛いものはできるだけ控え、不規則な食生活も改善する必要があります。

 また、ストレスが原因の場合は、その緩和に務めることも大切です。

(出典:https://maidonanews.jp/)


■胃腸とストレスの関係

 呼吸や体温調節などの機能は、自身の意思によらず、自動的に自律神経によって調節されています。交感神経と副交感神経の2系統ある自律神経が消化管を支配していて、それがストレスと胃腸を深く結びつけているのです。


欧米型食習慣は、日本人には負担大!

古来、遊牧民族を先祖に持つ欧米人が好んで食べていたものは、たんぱく質や脂肪が多く含まれる動物性の食品です。一方、日本では気候的に稲などの穀類がよく生育し、米を主食としてきました。また、仏教の伝来にともない肉食が禁止された影響もあって、センイ質の多い食品が主となってきました。このような、食文化の違いが体型に大きく影響していると思われます。食文化の違いは、胃腸の構造にも影響しているのです。

 欧米人の胃は、動物性食品の消化・吸収のために、胃酸分泌が比較的旺盛で、頑丈であるといわれています。また、腸が短いのは、たんぱく質を分解する際に作られる有害物質を早く体外に排出するためであるといわれています。

 一方、日本人は、消化に良いものを主食としてきたので、比較的華奢な胃といえます。また、比較的腸が長く、繊維質の多い食物を吸収するために時間をかける構造となっています。


世界的に増えている機能性胃腸炎!

 ストレスによる脳腸相関の悪循環に加え、腸管神経の活動や消化に関わる神経伝達物質の分泌に何らかの影響があり、胃炎や胃潰瘍など胃カメラで確認できず、胃もたれや不快感があるNUD(機能性胃腸炎)やIBS(過敏性腸症候群)が、世界的に増えていると言われています。そして、日本人の胃腸は上図のように、肉や動物性脂肪が豊富な欧米型の食事にうまく対応できないのも影響しています。

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 NUDやIBSは、「脳⇔自律神経⇔胃腸」の胃腸相関、その経路の活動に関与している神経伝達物質のバランスが原因と考えられています。当学会の主要研究生薬「ラフマ葉エキス」は、セロトニン活性を促すため、神経伝達物質のバランス改善に期待がもてます。


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愛・感謝 村雨カレン