認知症の前段階、MCI
「MCI(軽度認知障害)」とは「認知機能の低下は見られるが、認知症ではない」という状態で、本人や家族から記憶障害の訴えがあるものの、日常生活は自立している人を指します。日本では400万人いると考えられています。
MCIには、アルツハイマー病など様々な病気が背景にありますが、そのまま認知症になってしまう人も、あまり悪化しない人もいます。
2000年代に「アミロイドPET(陽電子放射断層撮影)」という検査法が開発され、脳内に溜まる異常なたんぱく質「アミロイドβ」の蓄積を調べられるようになりました。するとMCIの中にアミロイドβが溜まっている人と溜まっていない人がいました。さらに、アミロイドβが溜まっている人は症状が悪化しやすく、溜まっていない人は悪化しにくいことがわかったのです。日本では、アミロイドβが蓄積しているのは、MCI全体の約4割と考えられています。
アミロイドβが蓄積しているMCIの人は、将来認知症になる可能性が極めて高いと言えます。逆にアミロイドβが蓄積していない人は認知症になる確率は低いのですが、蓄積していなくても2割程度の人は認知症に進行します。これはレビー小体型などアルツハイマー型以外の認知症である可能性が考えられます。
フィンランドでMCIの人を対象とした2年間の「FINGER」という有名な研究調査(2015年発表)では、運動や食事、認知トレーニングなどに取り組んだMCIの人に認知機能などの改善が見られ、アミロイドβが蓄積している人でも改善効果が認められています。
最近は、認知症を生活習慣病と同じように考えるようになってきました。例えば、糖尿病は診断された段階では、何の症状もないことが多いと思います。症状がない時は、本人は何も困ることはありませんが、放っておくと心筋梗塞や脳卒中を起こしたり、目が見えなくなったりして、取り返しがつかなくなります。高血圧もそうです。認知症に関しても、症状がなくても脳内に溜まる異常なたんぱく質、アミロイドβの蓄積がまだ少ない時から介入し、MCIにすらならないとか、MCIになる時期を大幅に遅らせることができるようになれば、メリットは大きいでしょう。そのような理由から、MCIや症状のない人たちに関する研究が増えているのです。今MCIと診断されたとしても、現段階では国内に治療薬はありません。「あなたはアルツハイマー病があるから何年か後に認知症になります」と言われても、「薬もないのに困るだけだ」と思う人もいるでしょう。本人が「どこまで知りたいか」も重要になります。
(出典:毎日新聞「くらしナビ」)
■米国が承認した認知症新薬
6月、アルツハイマー型認知症の治療薬として米国で新薬「アデュカヌマブ」(製品名ADUHELM)が、十分なエビデンスが示されないまま承認され、波紋が広がっています。
アデュカヌマブは、米・バイオジェン社がスイスNeurimmune社から導入し、アルツハイマー病を対象にエーザイと共同開発してきた抗アミロイドβモノクローナル抗体です。アルツハイマー病の発症機構は完全には解明されていないものの、認知症を発症する約20年前から脳内にアミロイドβやタウたんぱく質が蓄積され、脳神経が変性・脱落して認知機能の低下などを来す神経疾患です。アデュカヌマブはアミロイドβを標的とした抗体医薬で、静注で投与して脳内に蓄積したアミロイドβを除去することを企図して創製されました。
患者や家族にとって、新しい薬への期待は非常に大きく、今回のような新薬の登場は素晴らしいことです。ただし、米国で承認されたアデュカヌマブが日本国内で承認されたとしても、現在、認知症の人の多くは対象とならない可能性が高いと言わざるを得ません。アデュカヌマブの対象は、MCIや軽度認知症の人だからです。今後、新しい薬が出てきても、同じように対象にはならないかもしれません。
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微小循環血流の改善で老廃物を回収する
認知症の症状軽減や治癒には、脳血管血流を含めた全身の微小循環血管の機能改善が前提となります。全身の組織や末端の部位にまで酸素と栄養素を運び、不要な老廃物や二酸化炭素を回収するという血管内外の物質交換が起こるところは微小循環以外になく、微小循環血管が生理学的には「交換血管」とも呼ばれる所以です。
康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」には、微小循環の改善と認知症の症状軽減・機能改善に関わるさまざまな実証例とデータがあります。
認知機能障害改善用組成物 に関する特許症 |
脳は脂質成分が多いため酸化されやすく、円滑な血流が必要な組織です。そのため、脳の酸化を抑え、血流を良くすることが、認知症予防につながります。
当学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」による脳血流の改善作用は、早くから認知症患者の症状改善の実証例を積み重ねてきました。2018年には、微小循環研究所の森昌夫所長(当学会理事長)が、長年研究してきた"認知症患者向けのサプリメント"に関わる特許を取得いたしました。この特許技術は、HM-3000を基に様々な成分を独自配合し、和漢生薬研究所によって製品化を実現しています。
いつもありがとうございます。
愛・感謝 村雨カレン
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