2018年3月20日火曜日

慢性疲労症候群

日常生活も困難な "慢性疲労症候群"

ある日突然、座っているのさえつらいほどの疲れに襲われる。微熱や頭痛が続き、朝起きることもできなくなってしまう。これらの症状が伴い、20~40歳代の女性を襲うことが多いのが慢性疲労症候群(CFS)です。

 風邪と思って病院に行くのですが、微熱や喉の痛みは治まりません。検査をしても疲労や筋肉痛の原因が見つかりません。疲れているのに眠れず、次第に朝起きることができなくなり、会社を休んでしまう――。CFSによく見られるケースです。
「職場に迷惑をかけるからと休職するのだが、復職しても欠勤を繰り返し、退職せざるを得ないということもある」(大阪市大医学部附属病院疲労クリニカルセンター山口医師)

 CFSは「筋痛症性脳脊髄炎」とも呼ばれ、生活が著しく損なわれるほどの強い全身倦怠感、微熱、リンパ節腫脹、頭痛、筋力低下、睡眠障害、思考力・集中力低下などが休養しても回復せず、少なくとも6か月以上の長期にわたって症状が続き、重症例では生活全般において介護が必要な状態となり得る疾患です。重症患者は医療機関への通院も困難となると言われています。
 1984年に米国で集団発生のあったCFSは、日本では現在約40万人の患者がいると報告されていますが、明確には把握されていません。はっきりとした原因は分かっていませんが、インフルエンザやヘルペスなどのウイルス感染精神的・肉体的なストレスなどにより、神経内分泌・免疫系の機能不全を来すことが関係しているのではないかといわれています。

 診断ではまず、疲労の原因と考えられる病気がないことを確認します。その上で、疲労感など診断基準となる主な症状があるか、6カ月以上続いているかを調べます。
 根治的な治療法はなく、活性酸素を減らすビタミンCや漢方薬を処方し、睡眠導入剤や痛み止めなどによる対症療法を併用します。また、起床時に横になったままストレッチをする、ラジオ体操をするなど、続けることができる軽い有酸素運動も指導するそうです。

「CFSの患者は、ウイルスなどから体を守る免疫力の鍵となるNK細胞(ナチュラルキラー細胞)の活性数値が下がっているので、感染症には弱い。風邪やインフルエンザの予防に手洗いやうがいも大切だ」(山口医師)

 該当する症状に悩む人は、一般内科を受診して疲労の原因となる他の病気が隠れていないか確認した上でCFSの対策を実践するのが望ましいとのことです。
(出典:http://kenko100.jp/) 


■慢性疲労症候群

脳の機能低下が原因

肉体的な疲労で手や足、腰がだるいとしても、手足、腰の筋肉で疲労を感じているのではなく、筋肉の抹消から脳に信号が伝わり、脳で「疲れた」という感覚が生じているのです。その結果として、意欲や行動が低下すると考えられています。
 
 抹消組織から送られてきた信号を感知し脳内で疲労感を伝える物質の働きが「疲労の本質」といわれています。
 その過程は、免疫系や内分泌系もからんでいて、脳にこれらの働きを制御する、右図のような「疲労回路」があるのです。疲労感が長く続く慢性疲労症候群の患者は、脳内の神経伝達物質の合成・分泌障害などが確認されていて、脳の疲労回路機能が低下していると考えられます。

原因はセロトニン神経の低下

慢性疲労症候群患者の脳全体を調べたところ、右図の白点線部分のみでセロトニン輸送体の量が減少していました。これは、セロトニン終末(神経線維の末端)の数の減少を表していると解釈されます。
 同時にセロトニンの分泌量が減少していて、この部分でセロトニン神経が低下していると考えられています。

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 慢性疲労症候群のような、日常生活に支障をきたすほどの疲労に対しては、康復医学学会の研究テーマのひとつ「コエンザイムQ10(Co-Q10)」に期待がもてます。Co-Q10は抗酸化やエネルギー産生に関わるメカニズムが解明されています。
 また、同学会の主要研究素材「ラフマ」には、セロトニンの分泌促進に関するデータがあります。セロトニンは、睡眠ホルモンのメラトニンの原料でもあるため、慢性疲労症候群の症状のひとつである「睡眠障害の改善」にも期待できます。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 村雨カレン

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