“座りっぱなし”は認知機能を低下?
毎日身体活動をしていても、ソファで過ごす時間が長い高齢者はアルツハイマー病(AD)を発症しやすい可能性があるようです。新たな研究で、高齢者における長い座位時間は、認知機能の低下やADの発症に関連する脳領域の萎縮と関連していることが明らかになったのです。米ピッツバーグ大学神経学分野のマリッサ・ゴグニアット博士らによるこの研究結果は、学術誌『Alzheimer's & Dementia』に5月13日掲載されました。
ゴグニアット博士氏らは、50歳以上の成人404人(平均年齢71±8歳、男性54%)を対象に、座位時間とADの関係を調査。試験参加者は、腕時計型の活動量計を7日間装着して活動量を測定したほか、神経心理検査と脳の3T MRI検査を受けました。試験開始時の活動量計での測定時には、79%の参加者で認知機能に障害は見られませんでした。また、87%が米疾病対策センター(CDC)が推奨する身体活動量(中~高強度の運動〔MVPA〕を1週間当たり150分以上)を満たしており、1日当たりのMVPAの時間は平均61分でした。
横断解析(1時点のデータに基づく)の結果、座位時間が長いことは、嗅内皮質や中側頭皮質などのADに関連する脳領域の皮質厚の減少(ADシグネチャー)、およびエピソード記憶の低下と有意な関連を示しました。ただし、エピソード記憶との関連はMVPAで調整すると有意ではなくなりました。これらの関連は、ADの遺伝的リスク因子であるAPOE-e4の保有者において特に顕著でした。一方、縦断解析(長期追跡データに基づく)からは、座位時間が長いほど、記憶を司る海馬の体積の減少速度が速く、また、言葉を思い出す能力と情報を処理する能力の低下速度が速いことが明らかになりました。
こうした結果を受けてゴグニアット博士は、「ADのリスクを減らすには、1日に1回の身体活動だけでは不十分だ。たとえ毎日、身体活動を行っていても、ADの発症リスクを抑制するには座位時間を最小限に抑えるべき」と話しています。
加齢に伴うライフスタイルの選択とそれが脳の健康に及ぼす影響を研究することは非常に重要です。この研究は、座位時間を減らすことが、脳の神経変性とそれに続く認知機能低下を予防する有望な戦略となり得ることを示したものであり、特に、ADの遺伝的リスクが高い高齢者において、座位時間を減らすことの重要性が強調されています。
日中に座って過ごす時間を減らして体を動かし、活動的な時間を増やすことは、脳の健康にとって非常に重要です。
(出典:HealthDay News)
■健康的な生活を送るために
健康的な生活は、身体的・精神的な健康を維持・向上させるために不可欠なものであり、生活の質を高める基盤となります。健康的な生活を送るためには、適切な要素の取り入れ、日々のルーティーンの確立、そして避けるべき習慣を理解し実践することが重要です。
健康生活に欠かせない要素
1. バランスの良い食事 :栄養素をバランスよく摂取することは、身体の機能維持や免疫向上に直結します。具体的には、野菜や果物、全粒穀物、良質なタンパク質(魚・鶏肉・豆類など)、良質な脂質(オメガ3脂肪酸を含む魚油やナッツ類)を適度に摂ることが大切です。一方で、加工食品や過剰な砂糖、塩分、飽和脂肪酸の摂取は控えましょう。また、水分補給も忘れずに。十分な水分摂取は代謝を助け、身体の老廃物を排出する役割を担います。
2. 適度な運動 :WHO(世界保健機関)では、成人は週に最低150分の中強度有酸素運動、または75分の高強度有酸素運動を推奨しています。有酸素運動は心肺機能の向上や体脂肪の減少に寄与し、筋力トレーニングは筋肉量の維持・増加を促します。さらに、ストレッチやヨガも、ケガ防止やストレス軽減に役立ちます。運動は精神面にも好影響を与え、うつ症状の軽減にもつながります。
3. 十分な睡眠 :睡眠は身体の修復や記憶の定着、ホルモンバランスの調整にとって重要です。成人の場合、7~9時間の睡眠が推奨されています。睡眠の質を高めるためには、毎日同じ時間に就寝・起床する規則正しい生活習慣を心掛け、寝る前のスマホやテレビの使用を控えることが効果的です。寝室は静かで暗く、適温に保つことも大切です。
4. ストレス管理 :過度なストレスは免疫機能の低下、血圧上昇、消化不良など身体に悪影響を与えます。ストレス緩和のために瞑想や深呼吸、趣味の時間を持つことも有効です。人間関係を良好に保ち、感情を適切に表現・発散することもストレス管理に役立ちます。
避けるべき・止めるべき習慣
健康的な生活を阻害する習慣の代表が「喫煙」です。タバコはがんや心臓病のリスクを大幅に高めます。禁煙は重要な健康改善策の一つです。また、「過度な飲酒」も肝臓疾患や各種健康問題を引き起こします。適量・節酒を心がけましょう。さらに「過食」や「ジャンクフードの常習的摂取」も肥満や生活習慣病の原因となります。
また、「座りっぱなし生活」も健康に悪影響を及ぼします。姿勢の悪化や筋力低下、代謝の低下を招くため、立ち上がって身体を動かす習慣を持つことが大切です。さらに、「睡眠不足」や「不規則な生活」は免疫低下や精神的な不調を招きます。規則正しい生活を。
総じて、健康的な生活は上記4つの健康要素を基本に意識しつつ、それらを日々のルーティーンに落とし込み、不健康な習慣を避けることによって築かれるのです。小さな習慣の積み重ねが大きな効果を生むため、無理なく継続できる取り組みを優先し、自身の生活環境や好みに合わせて調整していくことが、健康的な生活を長く維持する鍵となります。
いつもありがとうございます。
愛・感謝 村雨カレン

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