2011年9月23日金曜日

サルコペニア② 骨と筋肉

骨と筋肉の密接な関係

WHO(世界保健機関)が提唱する健康の定義には、「健康とは、完全に、身体、精神、及び社会的によい状態であることを意味し、単に病気でないとか、虚弱でないということではない」とあります。長寿大国にあっても老後が寝たきりや要介護では意味がありません

年齢と共に減少する骨密度は、骨折の原因となり寝たきりなどのキッカケになりますが、他にも腰痛、背中・腰が曲がる、円背、亀背、身長が縮むなどの症状につながります。しかし、原因は骨密度だけではありません。骨粗鬆症に悩んでいる方が、病院でもらった薬を欠かさず服用しているのに、一向に改善しないなどと聞くことがあります。それは、筋肉に対する取り組みが欠けているからです。筋肉と骨密度には、たいへん密接な関係があります

筋肉は骨(厳密に言うと骨膜)に付いています。筋肉が強く働くとその筋肉が付いている骨も影響を受けます。その強さに比例して、骨の強さも決まります。筋肉だけが強くなっても、もし骨が弱ければ折れてしまったり曲がってしまったりしますので、骨も筋肉と同様に強くなるために、カルシウムなどを蓄積させて骨密度を増やす必要があります。しかし、骨に必要なカルシウムなどの電解質をいくら食事やサプリメントで摂取しても、強度を保つのに必要な状態(筋肉の働きや重力への抵抗など)でなければ、カルシウムは吸収されず排泄されてしまいます。筋肉が強く働くと、骨膜は強く振動されることになり、骨の強度を向上させるために脳に指令を送って、血中のカルシウムなどの電解質を骨に沈着させるのです。

このように骨と筋肉には密接な関係があるのです。
最近では、ダイエットや健康を重視するあまり、筋肉に必要なたんぱく質が不足している人が多いようです。筋肉の減少が骨にも影響しQOL(生活の質)にも影響を及ぼしかねませんので注意が必要です。


加齢性筋肉減弱症又は筋肉減少症
■ サルコペニア②

サルコペニアは、骨格筋・筋肉が減少している現象です。加齢に伴い筋肉量の低下する老年症候群のひとつですが、広義には、すべての原因による筋肉量と筋力の低下を意味します。70歳以下の高齢者の13-24%、80歳以上では50%以上に、サルコペニアを認めるという報告があります。

サルコペニア4大原因
サルコペニアには、加齢も含め4つの原因があります。そのうち、加齢のみが原因の場合を「原発性サルコペニア」、その他の3つは「二次性サルコペニア」といいます。二次性サルコペニアの場合、入院時に複数が認められるそうですが、栄養に関連するサルコペニアは、加齢とともに生活習慣でも十分考えられるものです。

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《原発性サルコペニア》
●加齢以外の原因なし
《二次性サルコペニア》
●活動に関連(廃用*、無重力)
●栄養に関連(エネルギー摂取不足・飢餓)
●疾患に関連(侵襲**・悪液質、神経筋疾患)
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*廃用:長い間使わなかったために、器官や機能が失われたり萎縮すること。
**侵襲:生体内の恒常性を乱す可能性のある外部からの刺激。外科手術、感染、中毒など

たんぱく質の不足と合成促進の低下!
今回、ポイントとしているサルコペニアは、栄養に関連する二次性サルコペニアです。これはエネルギーとたんぱく質の摂取量不足によって生じます。しかし、原発性サルコペニアも加齢による筋たんぱく質の合成促進反応と分解抑制反応の減弱によるもので、やはりたんぱく質が関係しているのです。

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栄養に関連したサルコペニアの場合に重要なのが、適切な栄養管理です。筋肉量が少ないからといって栄養を考慮せず筋力トレーニングを行っても、筋肉量は逆に減少する可能性が高くなるので注意してください。
たんぱく質は、常に分解と合成を繰り返していますが、加齢による分解・合成の低下偏食やダイエットなどによって不足が生じてしまいます。また、通常の食事で摂ったたんぱく質が、消化吸収されて有効利用されているかは定かではありません。たんぱく質を手軽に摂取・吸収・有効利用に期待できるのがサプリメントの特徴です。くわしくは、対策編でお送りいたします。


いつもありがとうございます。
愛・感謝 五月雨ジョージ

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