2012年2月11日土曜日

がんと酸素①


寿命が延びることはない「がん検診」?

 現代医療の無駄の多さ、過剰さに疑問を呈し、健康のために真に必要なものは何なのか、独自に調査・研究を進めてきた新潟大学医学部・岡田正彦教授。教授は、過去20年間にわたって世界中で発表されたがん検診結果に関する論文を読みました。そして、がん検診を受けた人と受けない人が10年後にどうなっているか、睡眠時間、体重、生活習慣、過去に受けた医療行為など、あらゆる条件を考慮した上で、「検診を受けようが受けまいが、寿命が延びることはない」と断言しました。

 ある海外の肺がん検診の追跡データでは、検診を受けたグループは、受けないグループより肺がんによる死亡率が圧倒的に多く、それ以外の病気による死亡率も明らかに多いという結論が出ていたそうです。そしてその原因のひとつが、肺がん検診の際のエックス線検査だったのです。推奨している国や専門家は「エックス線検査には放射線被曝というデメリットがあるけれど、それ以上にがんの早期発見というメリットのほうが大きい。だから害は無視できる」と主張しています。

 しかし、問題なのはCTのほうで、被曝量は胸部エックス線の数十倍から数百倍にも達し、アメリカではCT検査を繰り返すとがんが十数%増えるというデータもあるのです。現時点での日本では、「CTを使って数㎜のがん腫瘍を早期に見つけることができれば、手遅れになる前に手術で切除すれば大丈夫」、「だから検診で早期発見が望ましい」というのが常識になっています。
しかし世界的に見ると、現在は「がん=悪性」というイメージは古い考え方になってきているようです。動物実験では、人工的にがんを発症させて経緯を調べたら大多数は大きくならず、身体に悪影響を与えておらず、生涯大きくならないがんが相当数あることがわかってきています。これらの研究は、すでに人間を対象にしても世界的に行われています。このようながんは、へたにいじらない方が良く、それに、もしタチの悪いがんなら、早い時期に全身に転移するので、早期発見した時には手遅れの場合が多く、予後はそれほど変わらないとのことです。岡田教授は、「検診に大金を費やすより、予防に力を入れるほうが、国民の健康保持にとってはるかに有効だ」といいます。また、人間の身体は、余計な手を加えずとも、自然に沿った生活や施しをすることで、健康が保たれ回復するようにできているのだと言っています。

 検診大国・日本で健康に生きていくためには、過剰検査・過剰医療の恐ろしさをよく理解することが重要になってきているのです。 【参照:週刊現代】


■がんと酸素の関係

 通常、身体を構成している細胞は、分裂・増殖と、「プログラムされた細胞死」(アポトーシス)を繰り返しています。しかし、無理な活動や過剰なストレスで一部の細胞に連続して損傷を与え続けると、限りある分裂・増殖は打ち止め(テロメアの枯渇)となり細胞再生ができなくなります。そして死滅すべき細胞が自ら生き残るために変異して死滅しなくなり増殖を続けるようになるのが“がん細胞”です。

“がん”の発症・増殖の原因は酸素不足
 がん細胞が、酸素を使わず糖質だけでエネルギーをつくる性質(嫌気性解糖系)は、約80年前ノーベル賞受賞者のドイツのオットー・ワールブルク博士が突き止めています。
 増殖に多量のエネルギーが必要ながん細胞がなぜ、効率の悪い方法を行うのかは、長年の謎でした。そして、がん細胞が酸素を使わないことで、細胞内のミトコンドリアの膜に付着し、アポトーシスを引き起こす分子の活性化を回避していることを山形大医学部腫瘍分子医科学・北中千史教授グループが発見しています(2006年)。

“がん”=血流改善は、定説!
 がんの周辺で血管が乱造されるのを食い止め、がん細胞を「兵糧攻め」にする従来の治療法(新生血管抑制療法)は、腫瘍内が酸素不足になり、逆に低酸素状態を好むがん細胞の温床になっていたのです。これとは逆発想の、がんの周辺の血管を修復・再生し、血流を改善する新たな方法でがんの増殖を抑えることに、旭川医科大などの研究グループは動物実験で成功させています。

『康復医学』の基礎
 健康回復の基本は、微小循環の改善である。そして、康復医学においては、この微小循環(血流・血管)の改善を前提としている。

 近年、病気の予防に対して“免疫を高める”ということが持て囃されている。しかし、実は病気の予防及び健康の維持・回復にとって、最も重要なのは「微小循環の血流」であり、次には「酸素の供給」である。「免疫」はその次であることを理解していただきたい。病気は、微小循環に表れて、微小循環から改善されるのである。

 しかし、微小循環の改善薬は存在しない。そこで注目されるのは生薬であり、その中で最も有力な生薬は「霊芝」である。 

※『康復医学大綱』(微小循環研究所刊)より抜粋。


いつもありがとうございます。
愛・感謝 五月雨ジョージ

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