はしか感染広がる 「第3波」に注意
大阪府泉佐野市の関西国際空港(関空)から、はしかの感染が広がっています。空港従業員や利用客ら少なくとも計39人の発症が確認され、今後も感染拡大が心配されています。厚生労働省は「2回接種が必要なワクチンをきちんと受けていない人は、早く受けてほしい」と呼び掛けています。
感染力強いウイルス
はしかは麻疹ウイルスによって引き起こされる感染症です。風邪と初期症状が似ていますが、感染力が強いのが特徴です。免疫を持たない人がウイルスに感染すると、ほぼ100%発症します。感染から約10日の潜伏期間を経て、発熱やせき、鼻水などの症状が表れ、高熱や全身に発疹が出ます。発症者が最初に現れたのは8月9日。関空の国際線カウンターなどで接客を担当する20代の女性従業員でした。厚労省によると、9日以降に発症した利用客3人は、7月31日に関空にいました。4人はこの時期に関空にいた別の人物から感染したとみられています。
従業員と接触した医療関係者も次々に発症。関空利用客の1人が参加した千葉市の幕張メッセで開かれたコンサート会場にいた人への感染も確認されています。大阪府は8月9日を「第1波」、次に症状が相次いだ同21日以降を「第2波」としています。2次感染者から広がる「第3波」は9月7日ごろ以降とみています。
「排除状態」にあったが…
日本は2015年3月、世界保健機関(WHO)から、はしかの「排除状態」にあるとの認定を受けました。国内に定着した麻疹ウイルス(土着ウイルス)による感染が3年間、確認されなかったことから、一般には日本ではしかが「撲滅された」と理解されています。日本は先進国の中では認定を受けたのが遅く、対策が進んでいた海外からは「はしか輸出国」と非難されたことも。はしかはワクチンを2回接種すれば、ほぼ免疫を獲得できるため、2006年度から未就学児に2回の定期接種を始めています。2007~08年にワクチンを十分に受けていなかった10~20代に大流行が起きたことから、2008年度から5年、中学1年と高校3年が接種する機会が設けられました。2008年に1万人超だった患者数は2009年以降は激減しています。
今回の感染者にはワクチン接種歴のない人が目立っています。感染の大半は20~30代で、ワクチン接種を1回しか受けていない人が多いとのこと。十分な免疫が付かなかったため、感染につながったとみられています。
■ワクチンの有効性論争
はしか(麻疹)には、特異的な治療法はありません。日本でははしかと風疹を予防するための混合ワクチン『MRワクチン』が広く使用されています。ワクチンを接種することで95%以上の人に免疫をつけることができると言われていますが、副作用もあります(接種して2週間以内の発熱が約13%、接種後1週間前後の発しんが数%、アレルギー反応としてのじんま疹が約3%、発熱に伴うけいれんが約0.3%)。重篤な副作用として脳炎がありますが、因果関係が不明なものを含めて100~150万人に1人以下とされています。最終判断は自分たちで下すしかない
そもそも予防接種を打つかどうかを判断するには、正確な情報が必要です。しかし、医師や学者の間でもワクチンの有効性を訴える人や無効性を説く人の双方がいますので、その情報が正確なのか偽りなのかの最終的判断は自分たちで下さなければならないのが難しいところです。【ワクチン積極論者の言い分】
「はしかは感染力が強く空気感染もするので、手洗い、マスクのみで予防はできません。ワクチンが有効な予防法といえます。また、はしかの患者に接触した場合、72時間以内にワクチンの予防接種をすることも効果的です。反ワクチン論者のせいで、わざと子どもをはしかに感染させて"自然な免疫"を付けさせようという人もいますが、合併症を起こして後遺症が残るリスクは高いのです。はしかに限らず、ワクチンは免疫の弱い人たちを病気から守るためのものでもあります。ワクチンを打っても免疫がつきにくい人、病気のせいでワクチンを打てない人もいます。不正確な反ワクチン論が広まると、こうした弱い人たちが被害を受けることを忘れないでください」
【反ワクチン論者の言い分】
「はしかのワクチンも風疹のワクチンも効きません。たとえばイスラマバード市内の病院は運ばれてきたはしかの子どもたちの50%以上は以前に予防接種を受けてきたことがわかっており、ワクチンに何も予防効果もないことを証明しています。日本のトップ機関である国立感染症研究所のデータでは、はしかにかかった人の66%ははしかワクチンを接種、風疹に罹った男性の76%は風疹ワクチンを接種、女性の65%は風疹ワクチンを接種、とあります。やはり予防効果はありません。そもそもワクチンは効果がないどころか感染症を増やしてしまうのです」
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いずれにせよ、きちんとワクチン接種する人も、ワクチン接種しない人も、無防備な時期が生じるのは避けられません。また、はしかワクチンは不足しており、予防接種を希望しても、打つのが難しくなる恐れも出てきています。
(はしかに関する国の考え方は、厚労省のホームページをご確認ください。→ http://www.mhlw.go.jp/qa/kenkou/hashika/ )
いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 村雨カレン
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