2021年5月19日水曜日

飲酒の有害度

 酒は百薬の長にあらず‥‥

 新型コロナウイルスが日本に上陸してからの間、使われる頻度が増えた言葉に「行動変容」があります。「感染拡大防止には、三密回避など国民の行動変容が不可欠」、といった使われ方です。ただ、この言葉は従来、「適度な運動や食生活の改善」など、生活習慣病予防の文脈で出てくることが大半でした。

 食生活の行動変容の中で難しい一つが、「節度のある飲酒」です。特に今は、外出自粛や在宅勤務のストレスで、家での飲酒量の増加が懸念されています。

 酒は百薬の長。適量の飲酒習慣は健康に良い――。そう思っている人は多いはず。根拠はあります。1980~90年代に行われた国内外の複数の研究で、アルコール摂取量が1日平均20g程度の人は、飲まない人よりも死亡リスクが低い、という結果が出ました。厚生労働省が定めた健康の目標値『健康日本21』でも、「節度ある適度な飲酒」は純アルコールで1日平均20g程度。ビールなら中瓶1本、日本酒なら1合にほぼ相当します。

 ところが、2018年8月、酒好きにはショッキングな研究結果が英医学誌『ランセット』に掲載されました。1990~2016年の195の国・地域におけるアルコール消費量と、死亡、がんや心臓などの病気、けが、自傷などとの関係を分析したところ、健康への悪影響を最小限に抑えるアルコール量は、ゼロ。つまり、「まったく飲まない方が健康には良い」という結論になったのです。

 酒の害を示す報告や研究は、実はたくさんあります。2010年に『ランセット』に掲載された報告では、英国の専門家たちが20の薬物の害を、死亡率や病気、けが、依存性、犯罪、家族関係など16の基準で採点しました。結果は、ヘロインやコカインなどの薬物を抜いて、アルコールが最も有害だったのです(たばこは6位)。

 国内研究も多く存在します。1日23gのアルコール摂取を10年続けると、がんのリスクが5%上がります(食道がんは4倍以上)。脳のMRI(磁気共鳴画像)の膨大なデータで飲酒習慣との関係を調べると、酒を飲む人ほど脳の萎縮が進んでいました――。

 いずれも科学的根拠のあるデータ。事実は事実として受け止めるしかありません。受け止めはしても酒をやめるつもりはないという人は多いでしょう。数十年もの間、自分の喜怒哀楽に付き合ってくれた酒に、害を上回る"益"を感じていることでしょうから‥‥。

(出典:https://www.yomiuri.co.jp/)


■アルコールから肝臓と脳を守る方法

 国内のアルコール依存症者数は、その手前の予備軍まで入れると1千万人を超えるといいます。にわかには信じがたい数字ですが、毎日の晩酌が習慣になっている人も、医学的には「予備軍」に入ります。実は医学の世界では、アルコールは立派な「薬物」。薬の安全性の目安となる安全係数でみれば、アルコールは10段階の4にあたります(数値が高いほど安全で、3以下は「危険な薬」)。特に最近登場した「ストロング系」に至っては、危険ドラッグといっても過言ではありません。

 東京アルコール医療総合センターのセンター長・垣渕洋一氏は、著書『「そろそろ、お酒やめようかな」と思ったときに読む本』(青春出版社)の中で、飲酒を完全にやめてしまう“禁酒”をすすめており、これが次世代の常識になると語っています。

「百薬の長」と言われるお酒ですが、精神的な効用は多少あっても身体的な効用はゼロ。肝障害といった病気だけでなく、家庭でのDVや職場での勤怠問題など、人生に暗雲をもたらす一要因となっています。しかも、飲酒問題は加齢と共に深刻化するそうで、リタイア後に酒で身を持ち崩す人は少なくないのです。


アルコールが引き金となる病気

■消化器系 

 肝疾患(脂肪肝、肝炎、肝線維症、肝硬変)、膵炎、胃食道逆流症、マロリーワイス症候群、急性胃粘膜病変、門脈圧亢進性胃炎、下痢、栄養などの吸収障害、痔核

■循環器系

 心筋梗塞、心不全、高血圧、脳梗塞、脳出血、不整脈、末梢血管障害

■生活習慣病

 がん、心臓病、脳卒中、糖尿病、高血圧、脂質異常症(高脂血症)、メタボリックシンドローム

■神経・筋肉系

 アルコール性末梢神経障害・ウェルニッケ脳症・眼振・失調性歩行・アルコール性小脳失調症

■その他の機能低下

 集中力・判断力、認知機能、学習能力

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 もしあなたに毎日飲酒する習慣があるのなら、微小循環を改善し、脳の抑制性神経伝達物質を増加させ興奮性神経伝達物質を減少させる「霊芝」でさえも、肝臓と脳の機能低下を完全に抑えることはできません。体と脳をしっかりと守りたいなら“禁酒”しかないのです。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

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