2025年1月29日水曜日

出血傾向

 大人の鼻血は重大病のサイン?

「鼻血」は、大人になるにつれ少なくなります。成人してから1カ月に何度も繰り返したり、止血をしてもなかなか止まらなかったり場合には注意が必要です。

「左右の鼻の穴は鼻中隔という壁で隔てられていて、鼻の入口から1cmほど奥にある“キーゼルバッハ部位”には、動脈が集結している。鼻の中は柔らかい粘膜で覆われているので、洗顔したり、鼻をかんだりするだけで簡単に出血しやすい。大人の鼻血で受診される8~9割以上は、このキーゼルバッハ部位(右図)からの出血だ」(日本橋大河原クリニック大河原大次院長)

 アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎(蓄膿症)があると、鼻水の量が増えて何度も鼻をかむようになり、粘膜は傷つきやすくなります。また冬の時季は、粘膜を覆う粘液が乾燥し、少しの刺激で鼻血が出やすくなります。ティッシュを丸めて鼻の中をグリグリする人もいますが、粘膜の表面を傷つけます。アレルギーによる鼻血なら、原因となる病気の治療が必要です。

 鼻血は押さえなければ止まりません。いざ鼻血が出たら椅子やソファにリラックスした状態で腰かけ、親指サイズに丸めたティッシュまたは綿を鼻の穴に詰め、出血した側の小鼻を親指で30分間押さえて圧迫します。その際、喉へ血液が流れ出て飲み込むと胃が刺激され吐き気を催しやすいので、嘔吐を防ぐためにも飲み込まず吐き出しましょう。

「血が固まる前にティッシュを取り出すと、再び出血したり傷口が広がる恐れがある。入れたティッシュは12時間入れたままに。止血後もかさぶたが取れないよう鼻はなるべく触らず、当日は飲酒を避け、入浴はせずシャワーを浴びる程度にしてください」(同院長)

 注意したいのが、止血を行ってもなかなか止まらず、何度も繰り返す鼻血です。稀に、白血病や再生不良性貧血などの血液疾患があると、血小板の数が減少し、鼻血が止まりにくくなります。また、それらの病気の初発症状として鼻血が現れるケースもあります。

ある30代の男性は、水のような鼻血が長時間止まらない日もあると耳鼻科を受診。検査の結果、白血球の数値に異常な増加が見られ、白血病の疑いが高いと言われました。

「大人の鼻血の場合、背後に重大な病気が隠れている場合も少なくない。白血病だけでなく、鼻腔や副鼻腔に悪性腫瘍があると鼻血が出やすいので、診察では血液検査をはじめ、鼻咽腔ファイバースコープなどの内視鏡で鼻の奥を観察し異常がないか確認している」(同院長)

 他にも脳梗塞や心臓病の治療で抗凝固薬を服用していると、血液がサラサラになって鼻血が止まりにくい上に、容易に出血しやすくなります。また血管の形成異常が起こるオスラー病は、血管がもろくなりあらゆる部位から出血が起こりやすいです。患者の8~9割は鼻血を繰り返すとされ、放置すると肺の血管に血栓ができ脳梗塞のリスクが高くなります。

 たかが鼻血だと放置せず、1カ月に何度も鼻血を繰り返していたら耳鼻科でしっかりと検査を受けることです。

(出典:https://www.nikkan-gendai.com/)


■“出血傾向”の出現

 人間の身体には、出血を止めるための機能として、血液中にある血小板や凝固因子(血液を固まらせるたんぱく質)を持っています。何らかの理由でこの働きが崩れると「出血傾向」が出現します。出血傾向とは、「血が止まりにくくなる」あるいは「ささいな怪我でも出血しやすくなる」状態のこと。ひどい場合には明らかな原因がないのに体から血が出ます。

 出血傾向の症状としては、「青あざ」「鼻血」「歯茎の出血」「皮下出血」「下血」「吐血」「黒色便」「血痰」「血尿」などがあります。「吐血」「下血」「黒色便」があれば、胃や腸など消化管からの出血を疑います。そのような場合には、同時に血便や腹痛、腹部膨満感などが現れることも。下血や吐血の前に食欲不振や吐き気などの症状が現れることもあります。

「血尿」が出たら、腎臓や尿管、膀胱などからの出血の疑いがあります。同時に頻尿、排尿時の痛み、下腹部痛などがみられることがあります。

 出血が原因と気が付きにくい症状としては、頭蓋内出血の際に見られる吐気・めまい・激しい頭痛・項部硬直・意識障害・麻痺・視力障害・感覚障害など、また眼底出血時の目のかすみなどの症状、関節内出血に伴う関節の変形や腫れ・痛み・運動制限などがあります。

 このような明らかな症状で出血傾向に気がつく場合もありますが、「手術(抜歯)により出血が止まらない」などをきっかけに、初めて出血傾向に気がつくこともあります。

出血傾向の原因

 高齢者の場合、加齢で皮下組織や血管の壁がもろくなっているので、ちょっとしたことで皮下出血しがちです。明らかな原因がなく両方の手や腕にできる出血斑は「老人性紫斑」という良性のものです。この場合、特に治療は必要ありません。

 病的な出血傾向の原因としては、以下の3通りに分かれます。

(1)血小板の形や働き・数に問題がある場合

 血小板が産生しづらくなる再生不良貧血や急性白血病、骨髄異形成症候群などの血液疾患、または悪性腫瘍の骨髄への転移や抗がん剤の影響などがあります。特発性血小板減少性紫斑病・全身性エリテマトーデスのようにせっかく造られた血小板が壊されてしまう病気も考える必要があります。また、生まれつき血小板の働きに問題があるような場合(血小板無力症など)もあります。

(2)凝固因子の数や働きに問題がある場合

 血友病などでは、生まれつき凝固因子の働きが悪いことがあります。また、ワルファリンなど抗凝固薬の影響で凝固因子が働かなくなり、出血傾向をきたすことがあります。

(3)血管の壁に問題がある場合

 老人性紫斑はこのタイプ。またクッシング病など副腎皮質ホルモンに異常がある病気でも出血傾向がみられることがあります。

出血傾向の予防・ケア

 出血傾向がある方が怪我をすると、血が止まらなくなります。転倒や怪我には十分注意しましょう。ワルファリンなどの抗凝固剤、抗血小板剤を内服している方は、出かける時には「おくすり手帳」を持ち歩くと安心です。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2025年1月22日水曜日

血管モレ

 女性の更年期に血管が老化する?

 お腹まわりが太ってきた、健康診断の数値が悪くなった──これらは更年期を迎えるころから体が「内臓肥満型」に変わり、「血管老化」が進行しているサインかも。女性の更年期は生活改善のギアチェンジが必要な時期です。

 健康に気を配り食事にも気をつけているつもりなのに、更年期に入ってからお腹まわりが太りやすく、洋服のボトムスがきつくなる一方。同時に、血糖値やLDLコレステロール値といった健康診断の数値も悪化するなど、“更年期メタボ”のような現象に戸惑っている人が多いようです。女性の場合、変化の始まりはエストロゲン(卵胞ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)といった女性ホルモンの分泌の低下からです。

「女性は更年期に卵巣機能が低下し、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が低下していく。男性と同様に内臓肥満が起こりやすく、メタボになりやすい体質に変わる。その結果、血管の老化が一気に進行し、脳梗塞や心筋梗塞といった病気のリスクが高くなってくる」(大阪大学大学院特任准教授・野口緑氏)

 更年期の血管老化は、エストロゲンの減少による動脈硬化脂肪が蓄積する場所の変化LDLコレステロールの増加──という3つの変化とともに進んでいきます。

(1)エストロゲンの減少が、ダイレクトに血管を硬くする 

⇒エストロゲンは、血管の最も内側にある血管内皮細胞で分泌される血管拡張物質NO(一酸化窒素)の産生を高め、血管をしなやかに保つ。しかし、エストロゲンが減少するとNOの産生が減るので、NOが担っていた血管拡張作用が発揮されず、血管の弾力性が低下する。

(2)脂肪がたまる場所が変わる

⇒女性は、更年期まではエストロゲンの働きによって余剰エネルギーを優先的に「皮下脂肪」にためる性質がある。柔らかくて指でつまむことができる皮下脂肪。更年期以降は、男性同様「内臓脂肪」として蓄積するようになる。

(3)血管が詰まる要因を作るLDLコレステロールの増加

⇒たとえ肥満でなくとも、女性は更年期以降、LDLコレステロール値の悪化が起こりやすくなる。コレステロールはホルモンや細胞膜、胆汁酸という消化液などの材料になる。しかし、更年期以降は女性ホルモンを作る必要がなくなるために、材料のコレステロールが余る。

「更年期にエストロゲンの分泌が減少すると、ホルモン作りに使われていたコレステロールが消費されなくなります。必要量が減っているのに、食事からコレステロールやコレステロールの材料となる飽和脂肪酸をとり続けると、LDLコレステロールの数値が悪化することになります」(野口氏)

 そして、コレステロールは脂質の仲間とはいっても、中性脂肪とは違ってエネルギーを作るために消費することができず、運動をしてもなかなか減らないのが難点です。食事の見直しが重要です。                    

(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)


■毛細血管の機能低下 “血管モレ”とは

 毛細血管は、体中の細胞に血液を通じて栄養と酸素を届けます。この毛細血管は、45歳を境に急激に傷つきやすくなり、栄養分が漏れ、消滅しやすくなります。これを「血管モレ」といい、これが老化に多大な影響を及ぼすことがわかっています。

「血管モレ」はこうして起こる!

 毛細血管がダメージを受けて傷つき、老化して血管モレを起こすメカニズムは、毛細血管の外側にある壁細胞と内側の内皮細胞のゆるみにあります。

 毛細血管は加齢や紫外線、活性酸素によるダメージが原因で、外側の壁細胞が剥がれやすくなります。壁細胞が剥がれてしまうと内側の内皮細胞に影響が及び、不安定な血管に。内皮細胞にも隙間ができて、栄養分や酸素が漏れ出てしまいます。これが血管モレの正体です。

 血管モレが続くと、毛細血管の末端まで血液が届かなくなり、そうなると、毛細血管は無機能血管になってしまいます。周囲の細胞も血管も消滅して"ゴースト血管"となり、さまざまな不調の原因になるのです。

 安定した血管は、外側の壁細胞と内側の内皮細胞が密着して安定した構造を維持しています。加齢や活性酸素などで壁細胞がダメージを受けると、壁細胞と内皮細胞の構造がゆるみ、血管は不安定になります。血流が滞り、写真のように毛細血管はゴースト血管になってしまうのです。

 血管モレによるゴースト血管こそが肌や髪、全身の不調の原因です。このゴースト血管を防ぐには、毛細血管の壁細胞と内皮細胞との接着剤の役割をする“Tie2(タイツー)”という受容体を活性化させることです。“Tie2受容体”が活性化すると、剥がれそうな血管を補強したり、壁細胞自体を強く丈夫にしたりする働きをします。

「血管モレ」を生活習慣で防ぐ

 血管モレは以下のような生活習慣の実践で予防することができます。

塩分と糖質、悪い油を摂らない

血液の質をよくする腸内環境もケア

全身の血流を改善して体を温める

ふくらはぎ運動

毛細血管復活の救世主“Tie2活性植物”ヒハツシナモン月桃葉ルイボスハス胚芽スターフルーツなどがTie2受容体の活性化に効果が認められている)

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 康復医学学会のメイン研究テーマは「HM-3000(特系霊芝)」です。霊芝は微小循環系*の改善に最適です。また、抗酸化作用や健寿延命への影響が期待されます。

*微小循環系とは:毛細血管床その輸入・輸出血管である細動脈・細静脈を一括した呼称。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン


2025年1月15日水曜日

筋トレと認知機能

 認知症が増えた背景

 認知症が初めて世に発表されたのは今から119年前です。1906年、ドイツのアロイス・アルツハイマー医師により発表されました。つまり、それより以前は認知症のような症状は稀だったのです。当初から認知症は文明の発達によってもたらされた現代病と考えられていました。それを証明するために昔の人々の認知症の有病率を調べようとしましたが、残念ながら資料が全くなく、当時の人々も生存していないため調査手段がありませんでした。

 総合能力研究所所長の本山輝幸氏は次のような仮説を立てています。「近代化によって人々の暮らしが便利になった反面、現代人の"感覚神経"が休眠状態になってしまい、筋刺激が脳に戻りにくくなった結果、認知症が増えてしまった。昔の人々は負荷の強い日常生活で全身を使うため感覚神経が良好になっており、認知症のような人は少なかった」

 2022年に南カリフォルニア大学から『アルツハイマー病予防への新たな洞察』という論文が学術誌に掲載されました。それは、南米・ボリビアで暮らす先住民の高齢者を対象に、認知症の有病率を調べたものです。ボリビアは学校や最低限のインフラなどもあり他国と極端な違いはないものの、先住民は昔ながらの自給自足の生活をしていて文明の利器を使っていない点が現代人と大きく異なります。専門医が心理テストやCTなどを使って彼らの脳機能を厳密に検査したところ、その結果は、認知症の有病率は0.6%で、100人中1人にも満たないという驚異的なものでした。日本の認知症有病率は17%、運動が習慣化しているアメリカでも11%です。論文発表した研究者は、「産業革命以前の生活の中にある"何かしらの要素"が、この地域の高齢者を認知症から保護しているようだ」と述べています。

「私はこの"何かしらの要素"は"感覚神経の良好さ"であると確信している。世界の研究者たちは認知症が増えたのは高齢化、身体活動量の減少、食物摂取の変化やストレス、遺伝子など様々な要因を列記している。どれも一因ではあると思うが、私は"感覚神経"の不具合が認知症増大の大きな要因と考えている。なぜなら感覚神経を良好にしたMCI(軽度認知障害)や認知症の人たちは健常者に戻るし、感覚神経が良好であろう民族には認知症の人がほとんどいないからだ」(本山氏)

 事実、認知症が多いのは近代化が進んだ先進国であり、身体に負荷のかかる生活をしている国では認知症は少ないのです。

 そして、2022年、アメリカの『neurology(神経学)』という科学誌にも「2000人異常の高齢者を11年追跡した結果、下肢の感覚が鈍い人はそうでない人に比べて認知症になりやすかった」との研究結果が発表されています。

 現代人は幼少期から過保護になり過ぎ、身体に負荷を与えるようなことを避ける傾向にあります。自ら積極的に動き、感覚神経を良好にすることで、認知症を予防していきましょう。

(出典:ダイレクト出版『ルネサンス』)


■筋トレで脳を覚醒する

 認知症やMCI(軽度認知障害)の人たちは、筋肉の痛みや疲れを感じにくいという身体的特徴があります。例えば、驚くような距離を一晩で徘徊したり、スクワットをとめどなく続けられたり、といったことです。こんなことができてしまうのは、筋肉と感覚神経とのつながりが悪く、筋肉の情報が脳に伝わりにくくなっているからだと言われています。通常、長距離を歩いたり、何度もスクワットをすれば、足が疲れてしまって歩けない、筋肉が痛くなって続けられないなど、疲労や痛みを感じます。しかし、筋肉の情報が脳に伝わらないと、疲れや痛みを脳が感知できず、歩き続けたり、スクワットを続けたりができてしまうのです。

 伝わりにくくなってしまった筋肉からの情報が、再び脳へ伝わるように回復する可能性はあります。低下した感覚神経の働きの改善方法として「強めの筋トレ」が効果をあげます。

意識した筋肉への強い刺激が脳を覚醒させる

 筋肉からの刺激が通る脳幹という部分には、生命活動の中枢を担う「脳幹網様体」という神経繊維の集まりがあります。ここに筋肉からの強い刺激が伝わると脳が覚醒します。その結果、失われていたり、眠っていたりした脳細胞の機能を取り戻すことができるのです。

 脳に伝わる筋刺激は強いほど効果が高く、筋肉の太さに比例します。つまり、体の中で最も大きい筋肉である太ももの筋肉を鍛えるのが最も効果的です。筋トレのポイントは「鍛える部分に意識を集中させること」です。トレーニングする筋肉を意識することで、運動神経を通して「この筋肉を動かす」という指令が脳から目的の筋肉に伝わり、その筋肉で生じた「筋トレによる痛み」が強い電気信号となり、感覚神経を通して大脳へ戻ってきます。目的の筋肉を意識していた場合には脳が感じ取る痛みが増し、感覚神経の改善につながるのです。

 感覚神経の働きが回復すると、筋肉で生じた痛みや疲れが脳に伝わり、「足が疲れた」「太ももが痛い」と感じられるようになるのです。

感覚神経が回復すると認知機能も向上する

 強めの筋トレを続けると、感覚神経のつながりが良くなり、痛みや疲労を感じるようになります。それに合わせて認知機能も向上することが多いようです。MCIの方が週1回の筋トレを3ヶ月続けた結果、記憶力スコアが健常者レベルにまで回復したという報告もあります。

筋トレを行う頻度と強度

 筋トレは、極限近くまで筋肉を使う強度で週1回行うことがお勧めです。残りの6日間で筋繊維が修復され、より強い筋肉に若返ります。自分の体力レベルに合ったトレーニングを実践すれば、早い人はその日のうちに、通常では2~3ヶ月で効果を実感できるでしょう。

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 認知症の予防・改善のためにはサルコペニア(筋肉減少症)やフレイル(虚弱)にならないよう、日々の運動と食事が大切です。脳機能の維持に有効な微小循環の改善には「HM-3000(特系霊芝)」が、また、体力の維持・強化には「コエンザイムQ10」がお勧めです。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2025年1月9日木曜日

睡眠と肥満

 適度な"小太り"の基準とは?

 新年が明けました。今年も健康的に参りましょう。

 さて、ここ数年「小太りの方が長生きする」という記事が多いようです。「痩せ過ぎより少し小太りの方が長生きと言われるが、小太りとはどのくらいまで?」こんな疑問に、心療内科本郷赤門前クリニック院長で医学博士の吉田たかよし氏が答えます。

 小太りの方がいい :「肥満によって動脈硬化が進み、心筋梗塞とか脳梗塞になるので、昔は肥満がよくないと言われていた。その後の研究で『少し太っている方が死亡率が低い』ということがわかってきた。最近では小太りの方がいいというのは、ほぼ定説になっている」

 小太りの基準 :「これは結論が共通している。以前はBMI(体重kgを身長mで2回割った値)が22を理想としていた。しかし、死亡率を詳しく調べたら、最も死亡率が低いのが女性=BMI 23.5、男性=26前後だった。例えば女性の場合、身長160cmなら体重59kg、男性は身長170cmなら75kgが、最も死亡率が低い値。これが“良い小太り”の基準」

 なぜ小太りは死亡率が低い? :「痩せた人は骨粗鬆症になりやすく、転んで骨折⇒寝たきり⇒老化が進み死亡、という因子が大きい。免疫力も低い傾向にあり、それで肺炎も起こしやすい。さらに痩せた人は脳梗塞は少ないが、それ以上に脳出血が増えて、それで死亡する要因も大きい。また、皮下脂肪が健康を守る働きをしていることもわかってきた。ペプチンという物質を作って食欲を抑えて安定させてくれる。だから健康的な、ほどよい食事をずっと続けられる。血糖値が安定して、老化を抑えてくれる効果も見つかってきている」

 脂肪が健康によいか悪いかは、その脂肪がどこについているかで決まります。健康によくないのは内臓脂肪。血圧を上げて動脈硬化が進み、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病にもなります。一方、皮下脂肪は、圧倒的にこうした悪さは少ないのです。

 内臓脂肪は減らすコツ :「できるだけ遅いスピードでダイエットをすることにより、内臓脂肪はかなり減る。多くの人はダイエットとリバウンドを繰り返しているが、実はこれが最悪。極端なダイエットは、内臓脂肪も落とすが、皮下脂肪も落とす。その後、リバウンドすると皮下脂肪はなかなか元に戻らず、内臓脂肪だけが優先的に増える仕組みになっている。だからダイエット、リバウンドを繰り返すと老化が早まり、死亡率を上げてしまう」

 健康的な体重を維持するための基準 :「体重の管理より、腹囲の測定が重要。腹囲を測れば内臓脂肪の変化を正確に把握できる。同じ人で比較すると、腹囲を測ると正確に内臓脂肪の増減がわかる。腹囲が1cm減れば、内臓脂肪が600g減っている。腹囲が1cm増えたら、内臓脂肪が600g増えている。腹囲は空腹時に立った状態でおへその高さを測ること。自然に呼吸して息を吐き切ったところで測定する」

 腹囲の変化に注目して、内臓脂肪をしっかりコントロールするのが大切なようです。

(出典:https://hicbc.com/)


■正月太り対策:睡眠不足と肥満

 小太りが健康的だとは言え、太り過ぎ=肥満も重大な健康障害をもたらします(右表参照)

睡眠時間と食欲の関係

 睡眠不足が食欲増進につながるということを示したデータがあります。健康成人男性1,024名を対象に「睡眠時間と食欲に関するホルモンの関連を調べた報告」によれば、睡眠時間が短くなると、レプチン(食欲抑制ホルモン)の分泌が低下して、グレリン(食欲増進ホルモン)の分泌が増えることが示されています。つまり、睡眠時間が短いと食欲に関するホルモンのバランスが乱れて食欲が増進してしまい、肥満につながりやすいと考えられます。

健康と美容には、まず“睡眠”の改善

「ストレスは寝て解消する」という習慣は、本来、すべての人間にプログラミングされていた自然な習慣のひとつなのだと考えられています。それが大人になるにしたがって、仕事や趣味などで夜更かしが増え、睡眠がもたらすストレス解消と肥満予防の効果効能を忘れ去ってしまった人が多いのです。しかし、健康的に肥満を解消したいのであれば、十分な睡眠時間と質の高い睡眠を心がける生活習慣に変えていく必要があります。

 睡眠不足状態が体から消えていくにしたがって、心身の疲労やストレスが解消されていき、昼間も軽やかにしっかり動けるようになっていきます。もちろん睡眠は健康だけではなく、見た目にも大きな影響を与えます。睡眠をしっかりとると、全身の代謝がアップするので、むくみがとれ、リンパ管から老廃物が排出されやすくなるので、顔も体もスッキリと引き締まるようになるのです。

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 康復医学学会が長年研究を続けている天然生薬「ラフマ葉エキス」は、睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」の原料「セロトニン」に影響を与えます。セロトニン神経を活性し、セロトニン分泌を促進するというデータがあるのです。年末年始で不規則になった生活習慣やストレスによる睡眠障害の改善には最適です。

 また、睡眠が改善されればエネルギー消費に関わる基礎代謝が高くなります。基礎代謝は1 日の総消費エネルギーの60~70%を占め、ミトコンドリアの活性に影響します。ミトコンドリアでエネルギー産生するに最も重要なのが「コエンザイムQ10」 です。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン