2012年12月14日金曜日

うつと睡眠障害④


睡眠障害~うつ・生活習慣病

「健やかな眠りの意義」(厚生労働省「健康情報サイトe-ヘルスネット」より抜粋)によると、「健やかな睡眠があってこそ十分な休養をとることができます。睡眠不足による産業事故、慢性不眠によるうつ病生活習慣病の悪化など、睡眠問題を放置すると日中の心身の調子にも支障をもたらします」とあります。

 慢性的な睡眠不足は 日中の眠気や意欲低下、記憶力減退など精神機能の低下を引き起こすだけではなく、体内のホルモン分泌自律神経機能にも大きな影響を及ぼします。寝不足(4時間睡眠)をたった2日間続けただけで食欲を抑えるホルモンであるレプチン分泌は減少し、逆に食欲を高めるホルモンであるグレリン分泌が亢進するため、食欲が増大することが分かっています。実際、慢性的な寝不足状態にある人は糖尿病心筋梗塞狭心症などの冠動脈疾患に罹りやすいことが明らかになっています。

 また、睡眠障害のひとつでもある睡眠時無呼吸症候群では、夜間の頻回の呼吸停止によって低酸素血症と交感神経の緊張(血管収縮)、酸化ストレスや炎症、代謝異常(レプチン抵抗性、インスリン抵抗性)などの生活習慣病の準備状態が進み、その結果として5~10年後には高血圧、心不全、虚血性心疾患、脳血管障害などに罹りやすくなります。
 慢性不眠症の人も、交感神経の緊張や糖質コルチコイド(血糖を上昇させる副腎皮質ホルモンの一つ)の過剰分泌、睡眠時間の短縮、うつ状態による活動性の低下など、多くの生活習慣病リスクを抱えています。入眠困難や中途覚醒、早朝覚醒など不眠症状のある人では、良眠している人に比較して糖尿病になるリスクが1.5~2倍になることがわかっています。

 睡眠不足や睡眠障害によりさまざまな生活習慣病が増加・悪化するメカニズムが徐々に明らかになり、睡眠障害への対処が生活習慣病を改善させるということも明らかになっています。


康復医学の基本 うつと睡眠障害④

■質の良い睡眠を演出するセロトニン

人が行動を起こす時、その情報は、脳の細胞から各細胞へ伝わり、情報が伝わるとき脳の細胞からは「セロトニン」が出て、このセロトニンの働きで人は動いたり、食べたり、眠ったりすることができます。
 睡眠を誘う神経伝達物質はメラトニンですが、その原料となるのがセロトニンで、"質の良い睡眠"を実現する主人公です。

セロトニンが不足すると睡眠を妨げる!

セロトニンは、睡眠中の呼吸量も調節しています。体内の酸素量が不足したとき、セロトニンの分泌量を増やし呼吸中枢を刺激します。
 セロトニンが不足すると酸素が不足し睡眠中に息苦しくなり、何度も目を覚まし熟睡できないということが起こります。

セロトニン分泌にはリズムがあります!

セロトニンは1日中分泌されていますが、睡眠中はセロトニン神経の活動は弱くなっていて深い眠りを作り、朝方になると分泌量を増やして覚醒し、スッキリ目が覚めるというリズムがあります。いつまでも寝つけずぐっすり眠れない人は、慢性的にセロトニンが不足しているからです。

要注意!慢性的なセロトニン不足

 ストレスによってセロトニン神経の機能は低下し、分泌量は減少してしまいすが、分泌されたセロトニンは、そのままなくなるわけではありません。再び取り込まれリサイクルしています。慢性的なストレスは、セロトニンをリサイクルさせる「セロトニン再取り込み機能」をも低下させ、リサイクル量を減らしてしまいます。そして、慢性的なセロトニン不足となってしまうのです。

=======================================================================

社会や生活環境でのストレスは、精神的・肉体的な疲労を伴う複合型ストレスです。そして、気力・活力の低下、睡眠の質の低下に影響します。
 ストレスが精神神経系のCRH(別名:ストレスホルモン)を分泌させ、セロトニン神経に影響していきます。
 セロトニン神経の活性化は、今後「対策編」でお伝えする予定です。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

0 件のコメント:

コメントを投稿