2013年1月26日土曜日

疲労とその対策⑥


睡眠不足、経済損失は3兆円!

 睡眠は、地球上のほぽすべての哺乳類にとって生命を維持するために必要なものです。かつては「覚醒レベルが低下したため眠くなる」と受動的にとらえられてきましたが、近年の研究では脳が自ら能動的に睡眠を起こしていることがわかってきています。
 睡眠中には、生命を維持するためのさまざまなホルモンが分泌され、身体が成長する機能や疲労を回復し修復する機能が働いています。また深い眠りは大脳を休ませて記憶を定着させ、翌日の活動に備えるためにも不可欠なものです。このような働きを毎日繰り返すことで健康を維持できるのです。
 しかし、さまざまな要因で質の高い睡眠が取れないと、体と心に悪影響を及ぼします。過去、歴史的な重大な事故の中には睡眠不足が引き金となったものがあります。1979年の米国・スリーマイル島原発事故や、86年のスペースシャトル「チャレンジャー号」の爆発事故、95年の客船「スター・プリンセス号」座礁事故などは、本来起きていなくてはいけない人が眠ってしまっていたために発生した事故だったということがわかっています。
 日本国内でも睡眠不足や不眠が社会や経済活動に与える影響は甚大で、06年に日本大学医学部の内山真主任教授(精神医学)らのグループは、眠気による作業効率の低下遅刻・欠勤などの影響、交通事故の増加などの経済損失は、合計で実に年間3兆4,000億円に上ると試算しています。
 現代日本で不眠を訴える人が多いのは、24時間型社会になって、体内の生体リズムと社会の生活リズムが合わなくなっているからだという指摘は多いのですが、その中で経済が回っているとすれば、いったん作り上げた社会システムを変えていくのは容易ではありません。となれば、一人ひとりが睡眠の重要性に目覚めて、社会生活とのバランスを取りながら睡眠の質を高めていくことが求められるのではないでしょうか。
 本来人間は、体内に自らの体と心を修復する機能を備えています。その力を呼び起こすのが「睡眠」の役割だとすれば、決して眠ることを侮ることはできません。


康復医学の基本 疲労とその対策⑥

■睡眠の重要性:魔のトライアングル

【深刻にとらえていない睡眠の現状】

不眠は、その経済損失3兆円とも言われています。
「アテネ不眠」尺度というものがあります。WHO(世界保健機関)が中心になって設立した「睡眠と健康に関する世界プロジェクト」が作成した、世界共通の不眠症判定法です。これを用いた調査によると、実に40%を超える人に「不眠の疑いがある」という結果が出ています。その一方で、70%以上の人が「自分は不眠症とは思わない」と回答しており、不眠をあまり深刻にとらえていない傾向が見られました。

【生活習慣病の危険因子、うつ病の9割が不眠!】

過去、不眠と生活習慣病との関係は指摘されていませんでした。しかし、近年の国内外での疫学調査などから、不眠や睡眠不足が肥満や糖尿病、高血圧、高脂血症などの危険因子になることが明らかにされています。また、うつ患者の実に8~9割が不眠に悩んでいるとされる一方で、不眠を原因としてうつ病を発症する人も多いのです。現代社会における不眠の多くはストレスなどの精神的な理由で起こっていますが、病院では、症状が1ヶ月以上続き日常生活に支障をきたしてしている場合に「不眠」と診断されます。
 不眠は左図のように「不眠」⇔「うつ」⇔「生活習慣病」がリンクしていて、“現代社会の魔のトライアングル”などと言われています。
 不眠の原因は、日常生活におけるストレスや疲労によりセロトニン神経の機能が低下し、またセロトニン分泌が抑制されてしまうことです。ストレスや疲労に対して康復医学学会が推奨しているのが「ラフマ」という昔からお茶などで楽しまれているリラックス・ハーブです。ラフマは、セロトニン神経の活性に影響し、セロトニン分泌を促し、ノルアドレナリンやドーパミンなどの他の神経伝達物質のバランスを整える理想的なハーブです。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

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