若い脳を持つ"スーパー老人"の謎!
80歳を超える高齢者の中に「スーパー老人(Super Agers)」ともいうべき、若い脳を持つ人たちがいることを、英紙「Daily Mail」が報道しました。その1人が89歳のT氏。見た目は普通の老人ですが、普段から読書、ボランティアに精を出し、インターネットまで楽しむというエネルギッシュな方です。そんな彼の活力の源は食生活でも運動でもなく、脳の若さにあったのです。
米ノースウェスタン大学が医学誌に掲載した論文によると、T氏をはじめ24人のスーパー老人の脳と通常の高齢者の脳を18カ月のスパンを空けてMRIで調べたところ、通常の高齢者では平均して脳の2.24%が萎縮していたのに対し、スーパー老人はわずか1.08%の萎縮しかなかったそうです。脳の老化速度が通常の半分だということです。
2015年に同研究チームが行った研究では、スーパー老人は生まれつき脳の体積が大きく、萎縮スピードは通常の人と変わらないと予想されていましたが、今回の研究により彼らの脳が萎縮に抵抗していることが明らかになったのです。
T氏の脳は、なんと25歳の人に見劣りしない若さを保っているといいます。萎縮が進行しない分、同年代よりも分厚い大脳皮質を保持しているため、認知機能が衰えにくいので記憶を失うことが少なく、認知症のリスクも極めて低いそうです。
「通常、加齢には"典型的な"認知能力の低下や認知症のような深刻な症状が伴うが、スーパー老人の存在は加齢による認知能力の低下が絶対ではないことを示している。我々の研究は、スーパー老人の脳が萎縮する軌跡が通常と異なるかどうか調べることにあった。結果的に、彼らの脳は通常の萎縮比率とは異なっていることが分かった。また、彼らは平均寿命と健康寿命を両立させ、晩年に至るまで人生を楽しんでいることも明らかになった」(米ノースウェスタン大学研究員)。
今後の課題は、この現象を引き起こす生物学的要素の特定と、高齢者の記憶維持、アルツハイマー病予防への将来的な応用とのこと。
現在、娘夫婦と3人の孫娘と暮らしているT氏は、冗談交じりに自身の生活を次のように語っている。
「こういう生活に慣れなきゃいけないんだよ。孫たちはフランク・シナトラやフランクリン・ルーズベルトをよく知らないから、いつもこう言ってやるのさ。『今週来るのはチャンス・ザ・ラッパー(米人気ヒップホップアーティスト)かね、テイラー・スウィフトかね?』ってね」
常に新しい事に興味を持ち続けることが若さの秘訣のようです。
(出典:http://www.excite.co.jp/)
■脳の健康を維持する10の方法
① 外的傷害から守る:
シートベルトやヘルメットの着用、ボクシングなどは行わない。② 酸素を充分に供給する:
血栓や動脈硬化などで血流が損なわれている場合、脳細胞に酸欠状態が発生する。それを避けるためには、循環系統の改善・維持が必須。③ フリーラジカルと戦う:
脳が酸素を代謝する際、脳細胞を破壊する副産物フリーラジカルを生む。抗酸化レベルを上げれば、精神活動の減退が抑えられる。天然ビタミンEなどの強力な抗酸化剤の定期的摂取が、高齢者の認知能力維持に効果的であることが確認されている。④ 濃色野菜を摂る:
果物や野菜の抗酸化力は自然染色素にある。濃色野菜を摂ると、多彩な植物化学物質を吸収できる。老ネズミに濃色野菜を与えた実験では、その認知・運動機能が、若いネズミと同等程度に回復し、加齢による損傷から脳細胞が保護されていることを示した。⑤ 毒を取り入れない:
タバコ、酒、麻薬は、脳に障害を与える。長期喫煙は、治癒不能の脳損傷を起こし記憶・認知障害の発症リスクが高い。ごく少量の飲酒は記憶障害の予防になるが、飲み過ぎは厳禁。麻薬は回復不能な細胞損傷の原因となる。⑥ 良性脂肪を摂る:
青魚に含まれるEPA・DHAや、亜麻仁油、エゴマ油など脳の脂肪酸細胞膜組成をほぼ決める良性オメガ3系脂肪酸が豊富な食物は、脳を損傷から守る効果がある。⑦ 睡眠は充分に:
眠っている時でも、脳は働いている。睡眠中の脳は、新しい記憶の処理、技能定着、問題解決、創造的発想などをもたらす。睡眠不足は、覚醒時の脳の働きを妨げるだけでなく、睡眠中も働く脳の機能を削ることでもある。⑧ ストレス管理:
ストレスによって脳は数種類のホルモンを分泌するが、慢性的ストレスはうつや不安状態を引き起こし、脳の機能をも阻害する。定期的な瞑想などでストレス解消すると、前頭皮質の知覚処理部位の厚さを増し、加齢による厚さの減退を遅らせる。また、モーツァルトを聞くことで脳機能が活発化して、数学的、空間的推察力が増したという調査結果もある。⑨ 新技能の習得:
頭の回転を速めるには、新しい技能の習得を継続すると良い。脳の活性化で脳神経細胞に新たな結合を生み出し、情報の蓄積と引出しをより円滑にする。コンピュータのマウスを左手で扱ったり、眼を閉じて服を着たりなどの簡単な訓練で脳を活性化できる。⑩ 身体の運動:
運動により身体の血流を促すことで、脳血流も増加させ、脳細胞の成長を促進させる。激しい運動より、定期的な運動のほうが効果的。マウス実験では、規則的な身体運動が、主に記憶や学習を司る海馬において新たな脳細胞の生成を助けることが確認された。
豪ビジネス誌「The Weekend Australian Financial Review」より
いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 村雨カレン
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