背中の痛み 検査するも異常なし!
【問診】夕方から肩に違和感があり、2時間前から痛みが出た。今日はパートの仕事に行き左の肩・腕が痛かった。夕飯後に背中が痛んだが一旦痛みは消えた。その後我慢できない痛みになった。2、3時間痛みが続いたのは初めてだが、同様の痛みは1年程前から月1、2回あり、夜寝ているときが多かった。その他、姑のお手洗いの介護をする時、外出する時にもあった。生理はあるが少し不順。更年期障害の症状は2年程前から出始めている。顎・歯が痛むこともあるが、20~30分で治まる。
【触診】圧痛なし。心音・呼吸音も異常なし。
【検査】心電図、CTなども異常なし。
実はAさん、片岡医師のもとを訪れる前に、いくつか別の病院でレントゲン、エコー、心電図、CTスキャン、胃カメラ、MRI、心臓カテーテル検査を受けており、すべて異常なしでした。心療内科を勧められ受診するも、そこでも異常なしだったということです。
3人の研修医が予想した病名は、それぞれ「高安病」「自立神経失調症」「更年期障害」でした。
高安病は大動脈などに炎症が起きる病気。血液が流れにくくなります。15~35歳の若い女性に発症し、発熱・倦怠感・失神などが現れます。生理不順と関連がなく、発熱の症状がないなどが合わない点です。
自立神経失調症は自立神経のバランスが崩れる病気で、めまい、冷や汗、動悸などの身体症状や精神症状も現れます。合わない点は突然の背部痛です。
更年期障害は、閉経前後に女性ホルモン(エストロゲン)の減少で起きる身体的・精神的不調。ほてり・のぼせ・肩こり・腰痛の他、イライラ・不安・うつなども現れます。更年期障害は、血管が収縮・拡張して痛むことがあり、狭心症のような症状が起こることもあります。合わない点は心臓カテーテル検査でも問題がないこと。
片岡医師は、心臓カテーテル検査でも写らないものは何か、研修医たちに問いかけます。それは「微小血管」でした。人間の心臓には無数の微小血管があり、微小血管の閉塞が起きている可能性は否定できません。そして、結果的に導き出された病名は「微小血管狭心症」でした。片岡医師の適切な診断と処置により、Aさんの症状は治まったそうです。
微小血管狭心症は更年期の女性の10人に1人くらいはいるということです。この病気は1980年代にアメリカで報告され、日本では2010年に専門学会のガイドラインに病名が掲載されたばかりの新しい病気です。カルシウム拮抗薬、ニコランジルが効くことがわかっています。しかし現在、多くの医師がこの病気を知らないそうです。
■更年期女性に多い 微小血管狭心症
一般の狭心症は男性に多く、冠動脈が硬化して狭くなったり痙攣したりして血流が悪くなり胸に痛みが出ます。これに対し、微小血管狭心症は女性(特に更年期)に多い病気です。血管を広げる女性ホルモン(エストロゲン)の量が閉経で減少し、心臓の細い血管が収縮しやすくなるのが原因と考えられています。この病気が米国で報告されてから20年以上経ちますが、循環器専門の医師でも詳しい人は多くありません。胸や背中の痛みを訴え病院に行くものの、診断がつかずに複数の医療機関を渡り歩く人が後を絶ちません。その理由の一つが診断の難しさ。血管造影検査では細い血管は映りにくく、また心電図で異常が見つかるケースも少ないそうです。
ただ、これまでの研究で病気の特徴は分かっています。就寝中など安静時に起こりやすいことと、痛みが長引くことです。但し、痛みを感じても、逆流性食道炎だったり、更年期障害だったりするケースも少なくないのが実情です。一部の専門病院は、MRIなどを活用し、血流の変化から病気を確定する検査方法の確立を目指しています。
治療も一般の狭心症とは異なり、ニトログリセリンは細い血管を広げる作用が弱いため、塩酸ジルチアゼムなどのカルシウム拮抗薬というタイプを投与します。また、うつ病などに用いる漢方薬が効く患者もいるようです。
微小血管狭心症は予防するのは難しい病気と言われています。痛み発作を引き起こしかねないストレスや疲労をなるべく溜めないなど、日常生活に気を配ることが大切です。
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【赤血球変形能の改善、集合性の低下、血栓形成の予防、組織酸素供給の向上、毛細血管口径と密度の調整、血漿粘度の低下、2,3-DPG産生の促進、血管内皮細胞の増殖促進、血圧の降下、血糖値の降下など】
また、ストレスや疲労対策には「ラフマエキス」の効果が期待できます。
いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 村雨カレン
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