ロコモ 簡易テストでチェックを
下半身の骨や関節、筋肉などが衰え、立ったり歩いたりする動作ができなくなる「ロコモティブシンドローム」(運動器症候群)。高齢者を中心に4500万人を超えるとの大学の推計もあり、将来、転倒による骨折などで要介護状態になるリスクも高まります。整形外科医らでつくる協議会はロコモかどうかを判定する簡易デストを公表し予防を呼びかけています。ロコモは日本整形外科学会が2007年に提唱した概念。「筋肉や骨のピークは20~30代で、使わなければどんどん衰える。軽度のうちは平地を歩くには支障がなく、ロコモだと気付いていない人は多い」。整形外科医らが啓発のために10年に立ち上げた「ロコモチャレンジ!推進協議会」委員長で、NTT東日本関東病院整形外科部長の大江隆史氏は言います。
大江氏によると、日常的に運動不足な人は要注意。特にやせすぎだと骨や筋肉の量が減り、太りすぎでは腰や膝に負担がかかるため、ロコモになっている可能性があります。
同協議会は筋力やバランスなど運動機能の低下が始まっている状態を「ロコモ度1」、さらに機能低下が進んで骨折しやすく、将来的に寝たきりになるリスクが高まっている状態を「ロコモ度2」と規定。ロコモ度を簡単に調べられる3種類のテストを公表しました。
床から40センチの高さの台に腰掛け、片足だけで立ち上がって三秒間キープ。腕は胸の前で組み、反動をつけずに足の力だけで立ち上がります。これができない人はロコモ度1。さらに高さ20センチの台から両足で立ち上がれなければロコモ度2に該当。
この判定法に基づき、東京大が17年に発表した推計では、ロコモ度1の人は40歳以上で4590万人で、このうち、より重度のロコモ度2の人は1380万人に上ります。
20代でロコモと判定された人もいるといい、大江さんは「若いからと油断せず、運動器が衰え始めたことに早めに気付くことが大切。予防のために筋トレと適切な食事をすれば、ロコモは解消できる」と説きます。
協議会が推奨している筋トレは、片足で一分間立ってバランス能力をつける「片足立ち」と、肩幅より広めに足を開いて腰を落とす「スクワット」の二種類が基本。スクワットは腰を痛めないよう、かがむときに膝がつま先より前に出ないようにする。
難しい人はいすに腰掛けて、机に手をついて立ち座りの動きを5~6回繰り返す。ともに1日3回を目安に、「無理をせずに長く続けることが大切」といいます。
食事は炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルの五大栄養素をバランス良く摂ること。骨や筋肉を強くするにはカルシウムやタンパク質、ビタミンを意識して摂ること。
詳細は、ロコモONLINEのホームページ(https://locomo-joa.jp/)で公開しています。
(出典:https://www.chunichi.co.jp/)
■寝たきり、健康寿命短縮の主要因
骨・関節・靱帯、脊椎・脊髄、筋肉・腱、末梢神経など、体を支え(支持)、動かす(運動・移動)役割をする器官の総称を「運動器(locomotive organs)」といいます。そして、これら運動器の障害により「要介護になる」リスクの高い状態になることを運動器症候群(ロコモティブシンドローム、ロコモ)と呼んでいます。2つの「運動器の障害」の原因
1)運動器自体の疾患(筋骨格運動器系)
加齢に伴う、様々な運動器疾患。たとえば変形性関節症、骨粗しょう症に伴う円背、易骨折性、変形性脊椎症、脊柱管狭窄症など。あるいは関節リウマチなどでは、痛み、関節可動域制限、筋力低下、麻痺、骨折、痙性などにより、バランス能力、体力、移動能力の低下をきたします。2)加齢による運動器機能不全
加齢により、身体機能は衰えます。筋力低下、持久力低下、反応時間延長、運動速度の低下、巧緻性低下、深部感覚低下、バランス能力低下などがあげられます。「閉じこもり」などで、運動不足になると、これらの「筋力」や「バランス能力の低下」などと相まって「運動機能の低下」が起こり、容易に転倒しやすくなります。ロコモは、メタボや認知症と並び、「健康寿命の短縮」、「ねたきりや要介護状態」の3大要因のひとつになっています。
高齢者は、これらの加齢や運動不足に伴う身体機能の低下や、運動器疾患による痛み、易骨折性(軽微な外傷による骨折)など多様な要因が重なって、負の連鎖により、バランス能力、体力、移動能力の低下をきたし、ついには、立って歩く、衣服の着脱やトイレなど、最低限の日常生活動作(ADL)さえも自立して行えなくなり、「健康寿命の短縮」、閉じこもり、廃用症候群や寝たきりなどの「要介護状態」になっていきます。
メタボとロコモ
メタボは、心臓や脳血管などの"内臓の病気"で「健康寿命」が短くなったり「要介護状態」になったりするのに対し、ロコモでは、"運動器の障害"が原因でおこります。ロコモ、メタボ、認知症を合併する人も多いという報告もあります。高齢者のトータルヘルスの観点からは、幅広い対応策が必要です。年を取って、寝たきりや要介護、認知症となることはできるだけ避けたいものです。これらの「健康寿命の延伸」、「生活機能低下の防止」には、日ごろの食事、運動、睡眠などの生活習慣を見直すこと、そして、病気やケガの予防、早期発見・早期治療が重要です。いつもありがとうございます。
愛・感謝 村雨カレン
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