脳過労…デジタルと脳の関係
今や私たちの生活に欠かせない、スマホをはじめとしたデジタル機器。しかし、使い過ぎによって脳や身体に変調をきたす人が増加していると言われています。なかでも、増えているのが認知症に似た症状が起こる「脳過労」です。脳過労とは、脳が疲労して疲れがたまり、心身に影響を及ぼしている状態。その症状は、認知症の初期症状と似ています。例えば、もの忘れ、集中力・作業能力の低下、理解力・判断速度の低下、人柄が変わる‥‥などです。
情報を入れる「入力」、その情報の「整理」、話すなどの「出力」。脳は、これら3つのステップを通じて情報を処理しています。しかし、脳が働きすぎると情報処理が追いつかず、脳機能が低下する現象が見られます。これが「脳過労」の状態です。
【脳過労セルフチェック】※3つ以上当てはまる方は、脳過労の可能性があります。
□ よく眠れない事が多い
□ ここ数年もの忘れが増えた
□ よくイライラする
□ やる気・興味がわかなくなった
□ 仕事・家事の段取りが悪くなった
脳過労を回復させるには、以下の二つの方法が効果的です。
(1)ぼんやりする:ぼんやりする事で脳の情報が整理され、脳過労が回復します。"ぼーっとする"時間を作って、脳がごみ屋敷になるのを防ぎましょう。
(2)単調なリズム運動:皿洗いや、部屋の中での足踏みなど、単調なリズム運動を行いましょう。神経伝達物質「セロトニン」が放出され、脳の疲れを回復してくれます。
脳過労を引き起こす危険なスマホの使い方として、「目的なしスマホ」が挙げられます。目的を持ってスマホを使うのならよいのですが、暇だからといって目的もなく使用するのは、ぼんやりする時間がスマホによって奪われることになり、脳過労を生み出します。また、入浴しながら、歩きながらなどの「ながらスマホ」も危険です。異なる行動を同時に行うマルチタスクは、脳にストレスを与えます。特に、テレビやパソコンとスマホの同時使用は、情報量を大幅に増やし脳へのストレスが大きくなって、神経細胞にダメージを与える事さえもあります。
デジタル機器はその便利さに頼り切るのではなく、使うシーンを考えて、上手に付き合っていくことが大切なのです。
(出典:CBCテレビ「健康カプセル ゲンキの時間」)
■ドーパミンとセロトニン
私たちが電子機器を使うようになったのは、ここ数十年のこと。テレビの登場後、それに続くパソコン、タブレットPC、スマホなどの登場は比較的最近です。人間が何百万年もかけて進化を遂げてきたことを考えると、20年ほど夜更かしを続けたくらいで身体が適応できるとは思えません。電子機器を使えば依存する恐れが生じる、というレベルの話ではありません。私たちはすでに、電子機器に依存しています。そうなるように、人間の身体ができているのです。つまり、絶えず何かを探求するようにできているのです。
夜の電子機器の使用が習慣化すると、体内リズムが慢性的に狂う恐れがあります。そうなれば、深刻な病を抱える可能性が格段に高まるのです。
スマホはドーパミン無限製造機
私たちの体内では、「ドーパミン」と呼ばれる物質が生成されます。影響力がとても強く、かつては、脳が「快楽」を感じるシステムを司る物質だと言われていました。楽しい、嬉しいといった気持ちにさせてくれるので、ドーパミンの分泌を促す行為(食事、セックス、ドラッグなど)を求めたくなるという理屈です。ところが近年になり、ドーパミンは快楽と無関係であることが明らかになったのです。快楽の感情は、「オピオイド」という物質の作用がもたらす結果として生まれるといいます。ドーパミンは、探求という行為にのみ関係する物質だったのです。獲物を探す、先がどうなるのかを知る、といったことをするだけで、ドーパミンは分泌されます。
脳はドーパミンがじわじわ分泌される状態が大好きです。そんな脳が、インターネットにハマらないわけがないのです。
なぜ、探求に夢中になるのか。それは、オピオイドが快楽の感情を与えてくれるからです。ネットで何かを調べるという行為には、必ずオピオイドがついてきます。そして、瞬時に満足感をもたらしてくれます。新しいフォロワーができる、記事に「いいね!」がつく、インスタグラムに誰かの新しい写真がアップされるというように、何か新しい発見があるたびに、脳内に少量のオピオイドが分泌されます。そうすると、また新たな発見がしたくなり、ドーパミンがさらに分泌されるというわけです。
ドーパミンが意欲や注意力に関係する一方、「セロトニン」は充足感や緊張の緩和を促します。この二つは体内で別々に作用しますが、どちらの作用が強くなるかは、寝る前にテレビを観るかどうかで決まります。夜にぐっすり眠るためには、神経伝達物質やホルモンのバランスが重要なのです。
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いつもありがとうございます。
愛・感謝 村雨カレン
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