かくれ脱水と基礎疾患
厚生労働省の発表資料によると、昨年の5月~9月の全国における熱中症による救急搬送人員の累計は 71,317人でした。熱中症は、最悪の場合、死に至る怖い病気です。でも、正しい知識を持って対処すれば防ぐことができます。高齢になると発汗など体温の調節機能が低下します。高齢者が特に気をつけなければならないのが、自身の脱水状態に気づかない「かくれ脱水」の存在です。暑いと感じる感覚も、年齢とともに鈍くなります。のどの渇きを感じていないのに、熱中症になることもあります。自覚のないまま進行することもあると、まずは自覚することが大切です。
また、年齢に限らず熱中症にかかりやすい"熱中症弱者"の存在も問題です。血糖コントロール中の糖尿病患者さんや、βブロッカー(高血圧、頻脈性不整脈、虚血性心疾患、心不全などで用いられる薬)を服用している患者さんなどが熱中症弱者にあたります。
なぜ糖尿病患者さんが?と思われるかもしれません。血液中のブドウ糖濃度が高いと、それを薄めようとして血管の外側から水分を取り込み続けます。増えた水分は尿として体外へ排出される浸透圧利尿が生じるため、体内の水分不足=脱水症状を招いて熱中症にかかりやすくなるのです。
また、糖尿病の合併症で自律神経系に支障があると「暑さを感じにくい」「汗をかきにくい」そうです。そして、高血圧の利尿剤はいうに及ばすですが、βブロッカーなどの心臓の機能を落とすことで血圧を下げたり心臓の負担を軽くしたりする薬の場合、暑熱環境で体内に熱がたまると、体温の上昇を抑えるため、熱を放出しなければなりません。そのため対表面の血流を増やすことで、①皮膚から外気への熱伝導を促進、②大量の発汗と汗の蒸発時に体から奪う気化熱で体温の低下を図ります。体内に溜まった熱を体外へ汲み出すのが血流で、汲み出しているのが心臓のポンプ機能で、その心臓ポンプの機能を落としてしまうのがβブロッカーですからよけいに熱中症にかかりやすくなるのです。
■熱中症と血液循環
熱中症は、主に外気の高温・多湿などが原因です。
体温よりも気温が低ければ、皮膚から空気中へ熱が移行しやすく、体温の上昇を抑えることができ、湿度が低ければ、汗をかくことで熱が奪われ、体温を適切にコントロールすることができます。しかし、夏場などのように外気の温度が高くなると、人の体は自律神経の働きによって抹消血管が拡張し、皮膚に多くの血液が集まり、外気への熱伝導によって体温を低下させようとする機能が低下して、熱の放出が困難となって、体温調節は発汗だけに頼ることになります。
発汗が多量になると、体内の塩分濃度の減少に伴い、筋肉が硬直、けいれんしたりします。また、自律神経は体内の塩分濃度を保つために発汗量を制限(少なく)します。
屋内では汗が気化できずに流れ落ちるだけで気化熱が発生せず体温を体の外へ放出することができず、体内に熱がこもります。
熱中症 ⇒ 循環機能異常!
唇や爪の色が紫色になるチアノーゼは、血中酸素濃度の低下で起こります。通常、健康な人の血液では、酸素とヘモグロビンが結合していて、それが血液の赤い色をつくっています。しかし、熱中症で体温調節が限界を超えると皮膚血管の拡張のために皮膚に血液が集中し、発汗などのため血液粘度も上昇し血流障害を起こします。重症の場合、心負担→血圧低下→チアノーゼを経て虚脱状態や意識障害などになります。血栓症を発症する場合もあり、脳血管障害、心機能障害をはじめ、高齢者や基礎疾患を持っている方はより注意が必要です。===============
夏のこの時期、炎天下でもエアコン環境の中でも、体温調節異常から循環機能異常が起こることは十分考えられます。実際、家の中でも就寝中に熱中症が起きています。また、血流障害による夏の血栓症は冬より多いという調査報告もあります。また、暑さでだるくなり、食欲がなくなり、あっさりしたものや清涼飲料水・アルコールばかりを摂っていると、体内でエネルギーに変える栄養素やたんぱく質が不足し、体がだるくなったり、疲れやすくなったりして夏バテ症状を引き起こすことになります。熱中症による血流低下からくる酸素供給低下の予防には、多めの水分と「HM-3000(特系霊芝)」がお勧めです。また、食欲減退によるエネルギー産生不足には、霊芝に加えて「コエンザイムQ10」です。かくれ脱水や基礎疾患を持つ熱中症弱者の熱中症対策に期待ができます。
いつもありがとうございます。
愛・感謝 村雨カレン
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