2020年8月19日水曜日

小腸

 最後のブラックボックス『小腸』

「お腹の張り」は、病院でも改善させることがなかなか難しい症状のひとつです。医師らは胃カメラや大腸カメラをして、まずは症状の原因になるものを除外するのですが、検査をすると、がんや潰瘍などの「器質的疾患」は存在しないことがほとんどだそうです。まずは一安心ですが、患者としては症状の原因がないので逆に困ってしまいます。お腹の張りを一時的に減らす薬はありますが、根本治療にはなりません。

 そこで注目されるのが「小腸」です。6~7mもの長さの小腸。これまで胃カメラでも大腸カメラでも届かない未知の領域であった小腸は、最近まで「ブラックボックスの臓器」と言われていました。「小腸を調べなくて良いのか?」と思われるかもしれませんが、幸いなことに、小腸は管腔内が流れの速い臓器なので、滞って小腸がんが発生することは少ないのです。なので、小腸はこれまでいわば「ほったらかしの臓器」だったわけです。しかし困っている人が多い「お腹の張り」。その原因は、小腸にあるようです。

 健康な小腸には腸内細菌が大腸と比較して非常に少なく、1mlあたり10万個から1000万個くらいと言われています(大腸には1mlあたり1000億個もの腸内細菌が棲息)。

 ところが、小腸に腸内細菌が異常に増殖して、普段の10倍くらい細菌が繁殖することがあり、これを「SIBO(シーボ:小腸内細菌異常増殖症)」と呼んでいます。

 SIBOは様々な症状や病気を引き起こします。まずは異常に増えた細菌が発酵して腸内ガスを産生します。すると、そのガスで「お腹が張る」ようになります。小腸は膨らむことに強くはできていないので、小腸壁のバリアーが崩れ、容易に異物が体内に入ってくるようになります。これをリーキーガット(腸から漏れてしまう)症候群と言います。他にも小腸がうまく機能しないと、免疫力の低下や精神疾患にも影響を与えると言われています。

 SIBOが起こる理由としては、

小腸の動きが悪いことで小腸内に無駄な細菌増えやすくなる 

胃酸の分泌が少ないため小腸の無駄な細菌を殺せない

などが挙げられます。

小腸の動きが悪い場合には、小腸と大腸を繋いでいるバウヒン弁(回腸と盲腸の境界にある弁)の位置をお腹の上からマッサージしてあげることが良いと言われています。また、ピロリ菌を除菌して、胃を元気にして胃酸分泌を活発化しましょう。

逆に「胃酸を抑えるお薬」を慢性的に飲んでいる方は、小腸の腸内細菌が繁殖するもとになりますので、頓服に変えると良いでしょう。

最近では、小腸内視鏡やカプセル内視鏡が少しずつ広まり、腸内細菌のゲノム分析が進んできていて、腸内細菌の働きや弊害が分かりつつあります。ブラックボックスだった小腸の研究が進めば、難解なお腹の張りも理由が分かって治療法が一般的になるかもしれません。

(出典:https://www.fukuoka-tenjin-naishikyo.com/)


■小腸内の細菌が爆増する病気

 腸内細菌は食べたものをエサとするだけに、食生活がカギを握ります。 一般的に、"腸にいい"というとヨーグルトや納豆などの発酵食品、食物繊維が豊富な野菜が「整腸食」として浮かびますが、近年、整腸食でお腹の調子を崩す病気の存在がわかってきました。

「『SIBO(シーボ:小腸内細菌増殖症)』は、大腸にあるべき細菌が小腸に流れ込み、小腸内の細菌が爆発的に増えるという病気。ただでさえ小腸に細菌が異常にある状態で整腸食を摂取すると、さらに細菌が増殖して大量のガスが発生し、便秘や下痢、肌荒れや肥満を招く。小腸は本来、ガスに耐えられる器官ではないため、『リーキーガット症候群』を患いやすくなり、あらゆる感染症や肝臓がんになるリスクが上がる」(江田クリニック江田院長)


FODMAP(フォドマップ)とは?

SIBOを予防・改善するためのキーワードは「FODMAP」です。これは、「Fermentable(発酵性の)」、「Oligosaccharides(オリゴ糖)」、「Disaccharides(二糖類)」、「Monosaccharides(単糖類)」、And、「Polyols(ポリオール)」、という4種類の糖質の頭文字を組み合わせた略語のこと。

オリゴ糖は豆類や小麦など、二糖類は牛乳やヨーグルトなど、単糖類は果物やはちみつなど、ポリオールはキシリトールガムやマッシュルームなどに多く含まれています。そのFODMAPに含まれる糖質を摂取しないような食生活が望ましいそうです。


 腸内を悪化させるかもしれない意外なNG食品 

ヨーグルト 牛乳 納豆 さつまいも ごぼう キムチ オリゴ糖 

豆乳 大麦 きのこ類 セロリ アーモンド(20粒以上) 

ドライフルーツ ウーロン茶など


「腸活ブームでヨーグルトや豆類、フルーツを積極的に食べる人が多いが、SIBOによるお腹の不調を抱えている場合は、それらを控え『低FODMAP食事法』を行ってほしい。チェック項目(上参照)に複数該当する人は、3週間FODMAPの食品を一切摂らないこと。その後、穀物、野菜、乳製品など1ジャンルずつFODMAPの食品を再開してみることで、何を食べると調子が悪くなるのか特定できる」(江田院長)。低FODMAP食事法の実践期間中は、小麦⇒、納豆⇒海藻・ブロッコリー、はちみつ・オリゴ糖⇒メープルシロップ・ピーナッツバター、ヨーグルト⇒アーモンドミルクなどに変更するとよいそうです。



いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

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