2020年11月18日水曜日

動物由来感染症

 中国豚コロナ ヒトへの感染の可能性も

 アメリカ研究者チームは、最新の研究論文の中で、中国で確認された「豚急性下痢症候群コロナウイルス(SADS-CoV)」について報告しました。このウイルスは、ヒトへの感染リスクがあると考えられ、もしヒトに感染した場合、新型コロナウイルスに似た症状を引き起こすとの事です。

『アメリカ科学アカデミー紀要(PNAS)』は10月12日、豚コロナウイルスに関する研究論文を掲載し、中国では2016年10月から、豚の下痢や嘔吐の症状を伴う群れの感染を誘発するSADS-CoVの感染があったと指摘しました。


 論文には、SADS-CoVは中国広東省で発見され、4つの子豚の群れに胃腸障害、重度の下痢を引き起こしたと記されています。SADS-CoVは、コウモリを由来として豚に経口感染します。子豚にとって非常に致命的なウイルスで、感染後は90%の子豚が5日以内に死亡すると報告されています。

 研究者は、SADS-CoVウイルスの複製をヒトのサンプル細胞に感染させ、ウイルスの伝播、増殖(複製)などを検証しました。すると、SADS-CoVが肺と腸の両方に由来する初代ヒト細胞で効率的に複製されることを発見しました。このことは、豚からヒトへ感染する可能性を示すといいます。

 SADS-Covは現在、世界的パンデミックを引き起こした「新型コロナウイルス(COVID-19)」と同じファミリーに属しており、研究によると、SADS-CoVがヒトに感染すれば、COVID-19と同様に呼吸器症状を発症する可能性があるといいます。

 この研究は、アメリカ・ノースカロライナ大学の疫学者、免疫学者、微生物学者の14人からなるチームが行いました。

 研究者らは、豚コロナウイルスは流行の可能性があるため、中国の養豚業界は細心の注意を払うべきだと書いています。

 昨年にも中国では「アフリカ豚熱」が発生しており、その結果、数百万頭の豚が殺処分されています。

 台湾大学医学院感染科の黄立民医師は台湾メディアに対し、「ウイルスが哺乳類に感染した場合、人間が感染動物と頻繁に接触している限り、人間にも感染する可能性はある」と指摘しました。

(出典:https://www.epochtimes.jp/


■動物由来感染症

 動物由来感染症とは、世界保健機構(WHO)では「脊椎動物と人の間で自然に行き来することができる病気又は感染」と定義しており、人獣共通感染症やズーノーシス(ZOONOSIS)とも呼ばれています。交通手段が発達したため、人・動物の国境を超えた移動が著しく増え、海外の病気の流入が容易になったことや、野生動物が希少ペットとして飼育されるようになったこと、また、ペットを室内で飼う家庭が増え、人とペットの距離が近くなったことなどから近年、注目されるようになっています。動物からの感染で健康を害する場合があり、現在、WHOで確認されているだけでも200種類以上あり、よく知られる病気として狂犬病や鳥インフルエンザ、エボラ出血熱、中東呼吸器症候群(MERS)、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、豚熱(CSF)などがあります。

 どういう動物から感染するのか  

 エボラ出血熱はコウモリの一種からサルなどを介して、中東呼吸器症候群(MERS)はラクダから感染すると考えられています。東南アジア地域で見られる鳥インフルエンザも、野生のハトやスズメ、飼育されているニワトリなどの鳥類から人に感染することが知られています。しかし、このような特殊な感染症だけでなく、日本でも日常的に見られる共通感染症として、ネコに引っかかれて発症する猫ひっかき病、ミドリガメやイグアナなどの爬虫類から感染するサルモネラ症、接し方によっては家庭のペットのイヌ・ネコが普通に持っている病原体で感染するQ熱、パスツレラ症などがあります。

 感染経路は  

 動物から人に感染する経路は、大きく分けると動物から人に直接感染する直接伝播とダニや蚊などを介して感染する関節伝播があります。引っ掻かれたり咬まれたりして生じた傷口からの感染、動物に舐められたり動物や動物の糞尿を触ったりすることでの感染を直接伝播、蚊やダニなどを介して感染したり、動物の肉などを食べて感染したり、動物から排泄された菌が土壌や水系を介して感染するのを関節伝播といいます。

 感染しないために気をつけること  

 動物との濃厚な接触を避け、動物に触った後は手洗いに心がけましょう。動物が赤ちゃんや小さな子どもを舐めたり触ったりするのはよくありません。また、国内外問わず野生動物は大変危険です。引っ掻かれたり咬まれたりしないよう十分に気を付けて接します。ペットを飼育する方は、ペットの身のまわりを清潔にし、糞尿は速やかに処理するよう心がけましょう。

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 康復医学学会が推奨する「ホタテ貝殻焼成カルシウム」の水溶液には、複数の大学の人獣共通感染症学研究室が行った、殺菌・抗ウイルス作用に関するデータがあります。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

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