糖質制限“老化説”の問題
「炭水化物減らすダイエット 60代後半で老化顕著に 糖質制限ご用心」という記事が、2~3年前にリリースされました(日本農業新聞ネット版)。これは、東北大学大学院・農学研究科の都築毅准教授らのグループが行った「マウス」による試験で、炭水化物を減らした食事を長期間続けると老化が早く進み、短命になるというものでした。
内科医、漢方医、高雄病院理事長・江部康二氏の反論
この研究グループは根本的な間違いを犯しています。それは、『そもそもマウスの食事実験の結果はヒトには当てはまらない』という基本的なことを無視していることです。手軽なマウスやラットが実験動物として使われやすいのは事実ですが、マウスやラットで糖質制限食(高脂肪・高タンパク食)の実験をすること自体が、根本的な間違い。なぜなら、マウスやラットなどネズミ類の本来の主食は草の種子(穀物)だからです。
ネズミの主食はあくまでも「穀物=低脂質・低タンパク食」であり、その主食に特化して、消化・吸収・代謝システムが適合しています。マウスの代謝に合わない糖質制限食をマウスに与えれば、すべての代謝が狂って老化が進み寿命が短くなるのも、言わずもがなです。
一方、農耕以前の700万年間、人類の主食は狩猟採集生活だったので、糖質摂取はまれでした。つまり農耕が始まる前は人類皆、実質的に糖質制限食を実践していたのです。
また、ヒトの進化過程で脳が急速に発達しシナプスが張り巡らされるためには、EPAとDHAの摂取が不可欠でした。EPAとDHAは、動物性食品にしか含まれていません。したがって、肉・骨髄・昆虫・地虫・魚貝などの高脂肪・高タンパク食を、脳が急速に発達した時代に必要充分な量、食べていたことは間違いないでしょう。
このように人類は本来、高脂肪・高タンパク食に慣れているので、糖質制限食の安全性は高いのです。ネズミ類とヒトの食性は全く異なっているのです。
本来ヒトと主食が全く違うマウス・ラットなどネズミ類で、人類の食物代謝の研究を行うのは、出発点から根本的に間違っている可能性が高いので注意が必要です。
糖質制限食こそが老化を防ぐ
糖質制限によるアンチエイジング効果は、多くの実践者から報告されています。糖質制限で血行が改善されるなど、様々な病気の予防改善効果も期待できます。逆に、糖質の取り過ぎは健康寿命を縮めると報告されており、医学誌『ランセット』にも「炭水化物の摂取増加で死亡リスク上昇」という記事が出ています。今回の実験とは全く逆に、糖質を制限しないと「老ける」「寿命が縮まる」というのが国際的な常識です。全世代に言えることですが、特に50代以降の健康維持の鍵を握るのは「糖質制限」だと言っても過言ではありません。(出典:https:// https://toyokeizai.net/)
■糖質との上手なお付き合い
糖質は体のエネルギー源の一つですが、過剰摂取が習慣になってしまうと、太りやすい体質となり、生活習慣病のリスクが高まってしまいます。糖質を摂り過ぎると、食後の血糖値が急激に上がります。そうすると、体の中でインスリンが大量に分泌されます。血糖値を下げる役割を持つインスリンには、エネルギーとして利用されなかったブドウ糖を中性脂肪などにして体に蓄える働きがあります。したがって、糖質を摂り過ぎるとインスリンを過剰に分泌することになり、太りやすくなってしまうのです。
そして、脂肪が増え肥満と呼ばれる状態になると、糖尿病やその他様々な生活習慣病のリスクも上昇してしまいます。
糖質の摂取量の目安は?
糖質は、摂り過ぎても不足し過ぎても体に良くありません。厚生労働省『日本人の食事摂取基準(2020年版)』によると、摂取量の目安としては、1日のエネルギー総量の50~65%としています。1日のエネルギー総量の目安は体格や運動量によって異なりますが、健康な成人女性の場合は1,400~2,000kcal、成人男性の場合は2,000~2,400kcalほどだとされています。つまり、成人女性は700~1,000kcal、成人男性は1,000~1,400kcal程度の糖質摂取を目安にすると良いでしょう。※糖質1g=4kcalとすると、成人女性の1日に必要な糖質量は175~250g、成人男性は250~350gとなります。
日本では「糖質」の摂取上限量を定めていませんが、食品の加工や調理の際に加えられる「糖類」に関してWHOは1日の総エネルギーの10%未満が望ましいとしています。
霊芝と糖質代謝
2型糖尿病マウスの肝臓における霊芝抽出物の糖質代謝の研究では、霊芝抽出物は肝臓での糖新生を抑制するとともに解糖系およびグリコーゲン合成を活性化させ、さらに肝臓への糖の輸送能を亢進して血糖上昇を抑制することが確認されています。
血中のヘモグロビンには、酸素と結びついて全身の細胞に酸素を届けるという大きな役割を担っています。しかし、糖と結合したヘモグロビンは酸素を寄せ付けなくなり、細胞に酸素が行き届かない状態を作ってしまいます。
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康復医学学会の主要研究生薬である「HM-3000(特系霊芝)」の3大産生物質の一つ、2,3-DPG(グリセリン2,3-リン酸)は、効率よく酸素を細胞に供給するという働きだけでなく、糖化ヘモグロビンの生成を阻害する作用があるため、HbA1c(糖結合したヘモグロビン量の比率)の数値の低下に大きく影響することもわかっています。
いつもありがとうございます。
愛・感謝 村雨カレン
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