週3時間の運動で細胞寿命を延ばす!
運動が体にいいのは、あくまでも"適度な運動"ということです。激しい運動を続けるのでなければ、運動習慣は健康にいいのです。運動によってアンチエイジング効果があるということでは、次のような調査結果があります。英国の大学、キングス・カレッジ・ロンドンの調査では、週3時間以上の運動習慣のある人は、運動をしない人(週に15分以下)と比べて、細胞の寿命が約9年長くなるという結果を発表しています。細胞の寿命が長くなるとは、寿命を決定するテロメア(染色体末端部にあり、染色体末端を保護する役目を持つ)が、寿命にすると9年分長いということです。
この調査は18~81歳の約2,400人の"双子"を対象にして、運動習慣のアンケート調査と血液を採取してテロメアの長さを調べたものです。遺伝的な条件が同じである双子を対象にしたことで、生活習慣によって老化のスピードが違ってくるのをはっきりさせたわけです。運動習慣があることで約9年分老化が遅くなるということで、それがそのまま寿命が変わるかどうかは判断できませんが‥‥。
この調査での週3時間の運動というのが、どの程度の強さの運動なのかははっきり示されていませんが、ウォーキングも入るならば、1日30分程度のウォーキングで老化が変わるということになります。
ついでですが、このキングス・カレッジの研究では、やはり双子を対象にした調査で、"ほくろ"が多い人(100個以上)は、25個以下の人よりもテロメアが長いことを発見しました。だいたい6~7年の違いがあったということです。つまり、ほくろの多い人の方が6~7年老化が遅くなるというのです。
ウォーキングは手軽にできる運動です。しかも歩くことは体力維持のためにいいだけではなく、脳細胞を活性化するということも定説になっています。歩けば最低限、足の筋力も保てますし、認知機能の維持にもなるのです。
ちなみに歩くことがいいのは、脳内物質のセロトニンが分泌されることもあります。リズム運動で分泌されると言われるセロトニンは、気分を安定させる役割を持ち、うつ気分やストレスを解消させます。
運動はやり過ぎは危険ですが、まったく運動をしないというのもよくありません。定年になって家にこもりがちであまり外に出て歩かないと、あっという間に歳を取ってしまいます。コロナ禍でますます外出しにくい昨今、リタイアした方でなくても、どうしても家に閉じこもりがち。散歩や外に出る機会を自分で工夫してつくることが大切になってきます。
(出典:『"健康常識"はウソだらけ』奥村康著/WAC文庫)
■なぜ人は老化するのか
各生物の寿命は、ハエ4ヶ月、マウス2年、サル25年、ヒト70年、ゾウ70年と、生物種によって決まっています。つまり個体差は別として、生物種によって寿命は予めプログラムされている、という考え方です。1961年、米ウイスター研究所のヘイフリック博士が、若者の体の細胞を培養してみたところ、細胞は50~60回分裂したところで分裂しなくなりました。さらに、40歳、80歳の細胞の培養では、細胞の分裂回数が年齢の分だけ少なくなるということを発見しました。
一方でヒト以外の動物の細胞を調べてみると、寿命が長い生物種の細胞ほど分裂の限界回数も多くなっています。つまり、生物の細胞には寿命があって、ある回数以上は分裂できないこと(細胞には寿命があること)がわかったのです。細胞が一定回数以上は分裂できない理由のひとつとして、染色体の「テロメアの短縮」という現象があります。染色体DNAの末端部分はテロメアとよばれ、TTAGGGという塩基配列の繰り返し配列で構成されています。テロメアには、染色体の構造を安定化するなどの役割があります。実は、細胞分裂でDNAが複製されるたびに、テロメアの繰り返し配列部分が端から50~100塩基ずつ短くなっていきます。細胞分裂が繰り返され、テロメアがある限度を超えて短くなると、染色体の構造が不安定になり、テロメアより内側にある大切なDNA配列が削れてしまいます。その結果、細胞はそれ以上分裂できなくなってしまうのです。一方で、テロメアの短縮が起こらず細胞分裂能力が衰えない(寿命のない)細胞が存在します。それは、精子、卵子を生み出す生殖系列の細胞と、がん細胞です。
細胞の寿命にとって、重要な働きをしているテロメアですが、マウスの染色体を見てみると、テロメアが非常に長く、一個体の一生の間には細胞分裂が止まってしまうほどのテロメアの短縮は起こりません。これは、細胞の寿命と個体の寿命は必ずしも一致しないことを示しており、テロメアと個体の寿命との関係については今後のさらなる研究が必要です。
霊芝の抗老化作用
生薬の最高峰「霊芝」は、古より“不老長寿の薬”として用いられてきました。霊芝の抗老化作用を解明するための研究は多く、平均寿命や最長寿命を延ばし、体力の保持や学習・記憶障害を改善させる作用などが期待されています。
いつもありがとうございます。
愛・感謝 村雨カレン
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