2021年7月15日木曜日

ジャンクフード

 脳機能の低下がジャンクフードを求める

 疲れたときに甘いものが欲しくなるように、無性にジャンクフードが食べたくなる‥‥。

「自分は疲れているからジャンクフードを食べたくなっているんだ。だから食べてしまうのは仕方がない」と考える人が多いと思うのですが、カナダ・ウォータールー大学では「前頭前皮質(脳の左背外側)の機能を一時的に低下させると、カロリーが高い食べ物を欲するようになるだけでなく、実食においてもジャンクフードを食べる傾向が高くなる」との研究が行われています(2018年)。

 前頭前野を含む前頭葉は、注意力、集中力、判断力などと関係し、感情や欲求を抑制する脳の大切な部位です。そのため前頭葉の機能が低下すると、普段は「悪いからやめよう、我慢しよう」と思っていることについての判断が鈍くなり、我慢できなくなってしまうのです。

 また、背外側前頭前皮質の機能低下は、ストレスが原因で引き起こされます。つまり、ストレスが蓄積して、脳の背外側前頭前皮質の機能低下が生じると、それに応じて判断が鈍ってしまうというわけです。

 多くの人が、ジャンクフードは太りやすく、健康上あまりよくないものだと認識していると思います。「疲れているから仕方がない」と思いたいところですが、実はそうではありません。脳が十分に休めていないからジャンクフードに手が伸びてしまう‥‥。普段は体に悪いからやめておこう、我慢しようと思っている抑制のフタが外れてしまった結果、ポテトチップスの袋を開けてしまうのです。

 先の研究は、ジャンクフードを食べたいという気持ちになってしまう原因は、脳の機能低下にあると指摘しています。脳にジャンクフードのおいしさが刷り込まれており、脳が十分に休めていないからこそ"止まらない"のです。

「本来は我慢しなければいけないジャンクフードを食べてしまう=脳に十分なリフレッシュが足りていない」というサインでもあるわけですから、ジャンクなものを食べたくなったら仮眠を取るなど体を休ませた方がいいかもしれません。

 また、どうせ食べるのであれば、「疲れているから」という具合に脳のせいにするのではなく、「好きだから食べているんだ」と割り切ったほうがよいでしょう。自己決定は、自らの幸福度を上げる効果があります。「この選択は自分を満足させるために好きで食べているんだ」と考えれば、幸福度も高まり、脳も安心感を覚えます。

 罪悪感に苛まれながら食べると、ますます脳がストレスを抱えて抑制のフタが外れてしまい、さらにジャンクな食べ物を求める‥‥というように、心身ともに負のサイクルに陥ってしまう恐れもあります。食べたいときは"自己決定感"を持つようにしましょう!

(出典:210618 日刊ゲンダイヘルスケア)


■ジャンクフード、体への影響

「ジャンク」とは「がらくた」「くず」の意味です。ファストフードのハンバーガーやフライドポテト、カップ麺にポテトチップス、菓子パンやドーナツ、スナック菓子、甘い飲料水など、一般的には糖質・脂質・塩分が多く高カロリーで、ビタミン・ミネラル・食物繊維が不足している食品のことをジャンクフードと呼んでいます。

 ジャンクフードには以下のような体の機能への悪影響があります。

 免疫システム 

 ジャンクフードの摂り過ぎは、免疫システムにも悪影響を及ぼす。私たちが口にする食べ物は、腸内の免疫細胞と相互作用する腸内細菌に影響する。主に脂肪、塩分、砂糖からなるジャンクフードの過剰摂取は、免疫機能を低下させ、炎症の原因となることが確認されている。

 炎症 

 ジャンクフードは、一般的に脂肪が多く食物繊維が少ないため、腸内細菌のバランスを崩す。また、炎症を抑える役割がある酪酸のような有益な短鎖脂肪酸を生成する善玉菌の成長を妨げる。こんな研究結果も報告されている。南アフリカ人に、西洋風のファストフードを食べてもらい、アメリカ人に、南アフリカ人が食べるような食物繊維を多く含む食事を2週間してもらった結果、南アフリカ人のグループでは、酪酸レベルが半減し、その一方で、アメリカ人グループでは酪酸のレベルが約2倍に増加した。

 代謝 

 ジャンクフードの大量摂取は代謝にも影響する。実際、インスリン抵抗性のリスクを高め、毎日身体が消費するエネルギーの熱量を減らす恐れがある。また、高脂肪な食事は代謝に影響する腸内細菌を変化させることが分かっている。微生物叢は、食事からエネルギーを抽出する方法や、脂肪(エネルギー)を蓄える方法にも関係している。健康な腸内細菌は代謝を高める一方、不健康な腸内細菌は脂肪を蓄える。

 精子異常 

 ジャンクフードなどの不健康な食事は、脂溶性毒素が上昇して、エストロゲンを過剰に分泌させる。また、不摂生を続けて肥満になると、酸化ストレスが上昇し、増加した活性酸素が精子形成に悪影響を及ぼす。さらに脂肪細胞は男性ホルモンのテストステロンを減少させる。男性ホルモンの減少が精子異常や精子形成の低下を招く。

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 重要なことは、腸の健康のために、加工食品や食品添加物を極力避け、自然な食品を食べるということです。そして、日々の食事で不足していると思われる栄養分は補助食品等を利用して、腸内細菌の健康をサポートしましょう。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

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