寒いと体が縮こまるワケ
さて突然ですが、寒さを感じたとき、人間の体はどう反応するのでしょうか。
寒くなると体の熱が大幅に失われ、体温が下がり、代謝も落ちてしまうので、熱が逃げないよう、すぐに交感神経がさかんに働き始めます。交感神経は、よく知られているように人体の活動を活発にする神経で、血管を締める働きがあります。血管が締まると血流が少なくなります。つまり、皮膚の表面を流れる動脈が収縮し、流れる血液の量が減るので、放熱が抑えられるわけです。通常は皮膚を通して血液の色が見えているので、皮膚は赤みを帯びていますが、血管が収縮すると白っぽくなります。それで、寒いと顔や手足が白くなるのです。
血行が悪くなると皮膚に悪影響を及ぼすのではないか、と心配されるかもしれませんが、皮膚の表面は酸素不足に相当強く、少々血液が足りなくても平気です。逆に言うと、放熱の役割を担わせるために、わざと常に過剰に血液が行く状態にしてあるのです。
この機能がすごく発達しているのは、動物では人間だけです。それは人間には、動物のように全身を覆う毛がないからです。寒さに対して動物では、皮膚の血行の調節より、毛による反応が先に起こります。動物は寒いと、放熱を抑えるために毛を立てます。通常、毛は寝かせていますが、立てると皮膚に接する空気の量が増えます。毛の中の空気は循環しないので、皮膚の熱で温かい層を形成します。これが断熱効果を生むのです。
冬の寒い日、雀が梢で体を膨らませているのを見たことはありませんか。あれは羽毛を立て、体からの放熱を防いでいるのです。実は人間にも、この毛を立てる反応が残っています。"鳥肌を立てる"、というのがそれです。毛がなくなっても、人間には立毛筋という毛を立てる筋肉は残っていて、寒いと、この立毛筋が収縮し、毛穴をギュッと締め上げます。それで、鳥肌特有の「皮膚のいぼいぼ状態」が生まれるのです。ただし、毛穴からの熱の放散はある程度抑えられるものの、肝心の毛がないため、放熱防止という点ではほとんど効果はありません。
(出典:https://www.yakult.co.jp/)
■体は寒さに適応する
普通の筋肉収縮は自分の意志でコントロールできますが、寒さによる筋肉の震え(骨格筋の収縮)は自分の意志とは関係なく起こり、一度震え始めると、止められません。この震えは、いわば緊急処置で、体にストックされたエネルギーをフル活用するようなものなので、大変疲れます。いつまでも厳しい寒さへの対処ができないでいると、最終的には低体温症になります。体全体の代謝が低下し、ついには脳へのエネルギー供給も低下して意識がなくなります。昏睡状態に陥るわけです。体温が下がると心臓の動きも弱く、ゆっくりとなり、血液供給の低下に拍車がかかります。最後には、エネルギー不足で細胞組織が破壊され、死に至ります。
寒さから一番守らなければいけない器官は心臓です。心臓の動きが悪くなると、脳への血液供給も低下してしまいます。たとえば、酔っ払って地べたで寝て、急死する人がいます。アルコールは血管を開く作用があるので、酔うと熱が大量に抜けます。それで、どんなに暑い日でも、酔った人の体温は下がり気味で、そうした人が地べたに寝て心臓のあたりを冷やしたりすると、心臓の働きが低下し、急死しかねないのです。
寒い地域に暮らしていると、次第に寒さに慣れてきますが、それにはホルモンが大きな役割を果たします。中でも「甲状腺ホルモン」が重要です。
甲状腺は、喉仏の下のあたり、気管の前にある蝶々のような形をした臓器で、ここから甲状腺ホルモンを分泌します。このホルモンは体中の代謝を高め、細胞活動を活発にし、その結果、酸素消費量が増え、発熱量が増大します。基礎代謝量が上がるということです。そのため、「バセドウ病」のように甲状腺ホルモンが出過ぎる人は暑がりで汗かきに、「橋本病」のように足りない人は寒がりで、体が冷え、気持ちも沈みがちになります。
寒さを感じると、この甲状腺ホルモンがよく分泌されるようになる、ということが分かっています。分泌量が北方で暮らす人と南方で暮らす人で違うらしく、北の人のほうが若干高いと言われています。
副腎が分泌するアドレナリンも、寒さをふせぐのに役立つホルモンで、作用自体は交感神経とよく似ています。寒さに直面してすぐに働くのが交感神経、ロングスパンで効果を上げるのが甲状腺ホルモンで、このアドレナリンはその中間のタイミング、いわば亜急性期に働くと考えられます。
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代謝で生まれた熱エネルギーは血液が運ぶ!
血流が滞ると代謝が低下し、熱エネルギーの運搬力が弱まって冷えにつながります。主な原因は、運動不足、冷気(外気・エアコン)の浴び過ぎ、ドロドロ血液、血管の硬化など。
康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」は、血流を改善し、熱エネルギーを全身に運ぶ血液を後押しします。また、冬のエネルギー不足を感じたら「コエンザイムQ10」も一考の価値あり、です。
いつもありがとうございます。本年も宜しくお願い致します。
愛・感謝 村雨カレン
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