“こむら返り”はなぜ起きる?
ふくらはぎや足の裏が突然つって(けいれんを起こして)激痛が走る“こむら返り”。運動不足の高齢者から激しい運動をする若い人まで、幅広い年齢層が経験する不快な症状です。人によっては、血管や内臓の病気を背景に発生することもあるといいます。こむら返りはなぜ起こり、どうすれば予防できるのでしょうか。こむら返りとは、筋肉が強い痛みを伴ってけいれんを起こすこと。"こむら"はふくらはぎという意味で、その名の通り、こむら返りが一番起こりやすいのはふくらはぎです。原因は諸説ありますが、一番有力なのは、体液中の「電解質バランスの崩れ」です。電解質(イオン)とは、カルシウムやカリウム、マグネシウムなど、五大栄養素のミネラルのことで、このバランスが崩れると、足がつる現象が起こると言われています。
筋肉を動かそうとするとき、脳からの指令を受けた神経が反応し、筋肉に電気信号が送られます。その働きに関与するのが電解質で、電解質バランスが崩れてしまうと、神経から筋肉への伝達が阻害されるのです。
そのほか、筋肉に疲労がたまったときもこむら返りが起きやすいと言われています。
では、どんな状況でこむら返りが起きやすいのでしょうか。
季節に関して言えば、こむら返りがよく起きるのは夏です(右表)。発汗量の多い夏は脱水症状を起こしやすく、電解質バランスが崩れがちだからです。利尿作用のあるアルコールを過剰に摂取することも、脱水につながるので要注意です。就寝中も、足がつりやすい場面です。昼間の活動量が多すぎたとき、1日の疲れがこむら返りとなって夜中に出るのだと思われます。寝返りのような急な動きが引き金となって足がつるのでしょう。
また、こむら返りは下肢静脈瘤や肝臓病がもとで生じることもあります。下肢静脈瘤があると足の静脈血の量が増え、電解質のバランスが崩れてしまいます。そのため、下肢静脈瘤が悪化すればするほど、こむら返りをよく起こすようになります。次いで多いのが、肝臓の病気です。脂肪肝や肝炎などの肝臓の病気が進めば、様々な物質を分解・合成するという肝臓本来の働きが果たせなくなり、電解質バランスも崩れるのです。
(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)
■予防は、水分補給と適度な運動から
こむら返りの予防上の注意点としては、適度な水分補給によって脱水を避け、適度な運動を毎日続けることが大切です。血流が良くなれば電解質バランスも整うので、入浴時はお湯に浸かって体を温めるのもいいですし、下肢静脈瘤や肝臓病がある人は、その治療も必須です。いずれも適切な治療を受けて改善すれば、こむら返りの頻度を減らすことができます。
食事に関しては、こむら返り予防に効く食材は特にありません。食事が偏ると体の中も偏ってくるので、電解質バランスを崩さないよう、野菜や穀物、肉類など何でもバランス良く食べるようにしましょう。電解質バランスの崩れを防ぐためにイオン飲料を飲むのもいいと思いますが、糖類や人工甘味料にはご注意を。
頻繁にこむら返りを起こす人は、医師に相談して弾性ストッキングを使ってみてはいかがでしょうか。血流が改善すると電解質バランスが崩れにくくなり、こむら返りの予防効果が期待できます。
電解質バランスにとって大切な腎臓の働き
余分な水分や電解質、老廃物を尿として体外に排泄し、必要な水分と電解質は再吸収することで、体内を一定の環境に維持する働きをしているのは"腎臓"です。体内の水分量や、体液に含まれる電解質量のバランスを保つのも、腎臓の役割のひとつなのです。
人の体は、約60%が水分でできています。汗を大量にかくなど、体内の水分量が不足したときは尿の量を減らします。一方、飲み物や食べ物で体内の水分量が増えたときは尿の量を増やして余分な水分を体外に出します。
身体を体液が入っている「水槽」と例えると、水分の出入りを調節し、体内の水分量をコントロールするポンプのような働きをしているのが腎臓です。
電解質は神経の伝達や筋肉の運動に深くかかわり、腎臓はこれら電解質の量を一定に保つ働きもあります。腎臓の機能が悪くなり、電解質のバランスが崩れると、こむら返りだけでなく、むくみが出てきたり、高血圧や心不全などをもたらしたりします。最悪の場合、生命の危機にかかわることもあります。
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愛・感謝 村雨カレン
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