2023年3月1日水曜日

がん悪液

8割が苦しむ “がん悪液質”のサイン

「かなり体力が落ちてしまって。1時間とか1時間半とか、通常のコンサートは難しい」

 1月5日のTV番組に出演した音楽家の坂本龍一さんはがんとの闘病生活についても触れ、最近の体調をこのように語っていました。

 坂本さんは2014年に中咽頭がんを患ったものの、治療で寛解。21年には直腸がんを切除しています。これまでの報道によると、その直腸がんはリンパ節や肝臓、両肺にも転移していて、22年までに大小6度の手術を受けたそうです。

 他の臓器への転移があるステージ4は、多くのがんで予後がよくありません。しかし、直腸がん(大腸がん)は例外です。転移したがんを切除できれば、完治が見込めます。

 ジャーナリストの鳥越俊太郎さんは、05年に見つかった大腸がんはステージ4で、左肺に転移がありました。その後、右肺と肝臓にも転移していますが、原発の大腸がんも転移がんもすべて切除できたため、18年たった今も活躍されています。

 では、坂本さんの状態の悪さの原因は何なのでしょう。皆さんも気になるところだと思います。NHKの番組の様子や報道されたことからの推測ですが、がんによる“悪液質”が影響しているのでしょう。

 がん悪液質とは、複合的な代謝異常による症候群を指します。がん細胞は筋肉や脂肪を分解し、大量のブドウ糖をエネルギーとして増殖。やせて筋肉が減少するのは、そのためです。

 がん悪液質になると、少し動いただけでも疲れやすく、疲れるから動かなくなります。そうすると、余計に体力も筋力も低下する悪循環に陥るのです。同時に生理活性物質の作用によって、食欲不振が強まります。それによっても、体重低下が悪化するのです。

 健康な人でも体調を崩すと食欲がダウンしますが、がん悪液質による食欲不振は一過性ではなく、長期にわたるのが特徴。食欲低下と体重減少が見られたら、早期にがん悪液質を治療することが大切です。

 進行がんでは、4~8割にがん悪液質が認められ、死亡する1~2週間前では8割以上が体重減少になるといいます。ですから、がんと診断された後は、過去半年との比較で体重の5%以内の減少に食い止めるような食事療法を心掛けることがひとつ。もうひとつは、軽い有酸素運動や簡単な筋トレで筋肉をキープすることです。

 鳥越さんはがんになる前から運動に励み、いまも続けているように見えます。運動すると食欲がアップしますから、悪液質対策になります。転移などのがんをしっかり取り切ったことも大きいと思いますが、この生活習慣もとても大切です。

 いまでは、がん悪液質の薬剤もあります。薬物治療と並行して生活改善も重要なことが、今回の教訓といえるでしょう。

(出典:https://hc.nikkan-gendai.com/)


■生存率を左右する “がん悪液質”

 なぜ、がん治療に悪液質が重要かというと、進行がんでは初診時で半数、終末期には8割の方が悪液質を経験するからです。栄養状態、治療のリスクに関わるため、がん悪液質の重症度が、治療を優先するか症状を取るための支持医療を優先するか、ディシジョンメーキング(意思決定)の非常に重要な要素になります。

 がん悪液質は国際的に、「通常の栄養サポートでは完全に回復することができず、骨格筋量の持続的な減少を特徴とし、進行性の機能障害にいたる、多因子性の症候群」と定義されます。つまり、がんによって体重が減り、筋肉も減少して歩けなくなる病態です。

 その発症リスクは、がん種によって異なり、膵がん、胃食道がん、頭頸部がん、肺がん、大腸がんで高く、血液がん、乳がん、前立腺がんなどでは低くなっています。


進行がんは、体が浪費モードになり筋肉まで燃やしてしまう

 治療前にがん悪液質があると、体重減少が少ない人より生存率が下がることも報告されています。406人の進行肺がんの患者さんを対象にした京都府立医科大学の研究では、治療前の体重減少が多いほど、生存率が低いとの結果でした。

 多くの薬が開発されて医療は進歩しましたが、未だに体重減少という基本的なものが生存率を左右しています。がん悪液質の患者は、身体機能が低下して要介護になりやすく、抗がん治療に耐えられなくなります。生存期間が短いだけではなく、生活の質が低下して、入院期間が長くなり、結果的に医療費がかかることもわかっています。


悪液質が起こるメカニズム

 私たちの体は、健康な時には省エネモードでエネルギーの代謝をハイブリッド車のようにコントロールしています。ところが、進行がんになると、炎症やがんから出る様々な物質によって浪費モードとなり、戦車のように燃料を使い続けてやせてしまいます。しかも、がん悪液質の患者は、脂肪だけではなく、筋肉まで燃焼させてしまい減少させているのです。

 がんを攻撃するために体から出る炎症性サイトカイン(細胞が放出する生理活性たんぱく質)が様々な臓器に働き、例えば、脳の食欲中枢に作用して食欲を落とし、肝臓に作用してエネルギーの備蓄ができないようにしてしまっているのです。

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 康復医学学会の主要研究生薬である「HM-3000(特系霊芝)」は、微小循環の改善に影響を与え、そして以下のような可能性が期待できます。

●悪液質の改善、老廃物回収の促進による体内環境の調整、転移・浸潤の抑制

●免疫機能の増進による腫瘍マーカーの改善

●細胞への酸素供給量の促進、がん化進行抑制

●血栓の生成を抑制し、血栓症(がんの死因に多い)を予防


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン 

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