2023年4月20日木曜日

鉄(Fe)

国産ひじきは鉄分70%減?

 あなたは「ひじきの鉄含有量が減った」という事態をご存知でしょうか。ひじきといえば鉄の補給源として重宝されている食材です。煮物やサラダなど、健康を意識してとられている方も多いのではないでしょうか。そのひじきに何が起こったのか…。答えは「日本食品標準成分表」にあります。1950年に初版が作られて以来、2020年度版は8回目の改訂となります。これによると、ひじきに含まれる鉄が改訂前の9分の1に減っているのです。

 ひじきは原料の海藻を煮て渋みをとり、乾燥して作られます。以前はひじきを煮る際、鉄製の釜が使われていました。しかし近年、鉄製からステンレス製に代わったため、ひじきに含まれる鉄が減ったのです。つまり、ひじきの鉄含有量が多かったのは鉄釜のおかげだったというわけです。

 鉄って1日にどれくらいとればよいのでしょう。日本人の食事摂取基準(2015年版)によると、30~60代の男性は7.5mg、女性は6.5mg(月経ありの場合は10.5mg)です。また、妊娠から授乳中にかけてはさらに必要量が増します。(図2)鉄は不足しやすい栄養素といわれており、特に女性やスポーツをされる方は心がけてとりたい栄養素のひとつです。

 諸外国ではあらかじめ食品・調味料へ鉄を添加し、鉄欠乏性貧血の減少に一役かっているそうです。日本では食品・調味料への鉄添加は行っておらず、鉄補助食品を利用する人の割合も欧米諸国と比べて低い現状にあります。以下に鉄を多く含む食品をまとめてみました。(図3)こればかりとるのはNGですが、日常的に意識してとりいれるのはよい試みです。例えば、ビタミンCの多いピーマン、ブロッコリーなどの野菜や、たんぱく質の多い食品(肉・魚・卵・大豆製品)と一緒にとることで吸収率がアップするため、それらを組み合わせることをお勧めします。

 ひじきはカルシウムや食物繊維など豊富に含む優れた食品です。おまけに低カロリー。海外の成分表には記載されていない、日本を象徴する食材のひとつです。けれど、どんな食材でもそれだけ食べていれば栄養が充足できるというものではありません。食材を組み合わせて、また旬を感じながら美味しく健康的に食事を楽しみましょう。

(出典:https://www.karadakarute.jp/)


■鉄分の摂取が難しい理由

 鉄分の摂取が難しい理由の一つとして、鉄分は体に吸収しづらいことが挙げられます。理想的な食事でも摂取量は10mg/日程度、吸収率はわずか約1mg/日に過ぎません。

 女性に鉄欠乏が多い一番の理由は月経。月経により毎月約30mgもの鉄分を失うため、鉄分不足が慢性化しやすいのです。

 鉄分は汗でも排出されます。汗1リットルにつき0.5mgの鉄分がロスします。さらに、フルマラソンなど激しい運動をする人は、足の裏で赤血球を破壊してしまう「ランナー貧血」のリスクがあるので、摂取目標値よりも鉄分を多めに摂る必要があります。

 食品に含まれる鉄には、肉や魚の赤身に多く含まれる「ヘム鉄」と、野菜や穀類、豆腐、海藻類などに多く含まれる「非ヘム鉄」の2種類があります。

 ヘム鉄は、「ヘム」という動物性たんぱく質に包まれた状態の鉄で、多いのは赤身肉、レバー、カツオやマグロなど赤身魚、赤貝などで、特徴は吸収率が10~30%と高いことです。魚の血合いはヘム鉄が豊富ですが、メチル水銀も多いため、妊活中の女性は要注意。

 非ヘム鉄が多いのは、小松菜やほうれん草などの野菜、豆類、海藻類など。吸収率は5%以下ですが、ビタミンCを一緒に摂るなど、工夫次第で吸収率を上げることができます。


鉄分を簡単に摂れる5つの方法

 1. 鉄鍋や鉄の球を使う 

 調理の際に南部鉄器や鉄鍋などを使用したり、最近スーパーなどで売られている「鉄分が摂れる鉄の球」などを鍋に入れたりすれば、吸収されやすい鉄分が溶け出すため比較的手軽に鉄分が摂れます。

 2. 吸収率を上げる栄養素を同時に摂る 

 体内に吸収されにくい非ヘム鉄も、鉄の吸収を促進する食品を一緒に摂ることで、吸収率がアップします。

【ビタミンCやクエン酸】鉄分の吸収を良くする食品の代表格。

【たんぱく質】肉や魚、乳製品などのたんぱく質も、非ヘム鉄の吸収率をアップ。

3. 吸収を妨げるものは一緒に摂らない 

 非ヘム鉄と一緒に摂ると吸収が悪くなる食品。

【タンニン】コーヒーや紅茶、煎茶などに含まれ非ヘム鉄の吸収を阻害します。食事中に飲むのは避けた方が無難。

【フィチン酸】玄米や大豆など穀物の外皮に含有。鉄分吸収には玄米よりも白米、大豆は納豆などの発酵食品がおすすめ。

【食物繊維】水溶性食物繊維は鉄分の吸収率を上げますが、非水溶性食物繊維と非ヘム鉄食品を一緒に摂ると、吸収率は下がります。 

●他にも、インスタント食品や加工肉、スナック菓子などに含まれる「リン酸ナトリウム」などの食品添加物は鉄分吸収を阻害します。

 4. 腸内環境を整える 

:腸内環境が悪いと悪玉菌がミネラルをえさに増殖。腸に届いた鉄分を奪うため、吸収が悪化します。逆に、腸内環境が良いと、鉄の吸収率はアップします。

 5. サプリメントの活用 

 吸収率が低く、不足しがちな鉄分の補給には、サプリメントも有効です。ただし、鉄分サプリは1日の用量を必ず守ること。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン 

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