2023年10月12日木曜日

血小板

 血小板因子が脳を若返らせる

 3チーム3様の視点で取り組んだ脳の若返り因子探索がどれも1つの成分に行き着き、それらの成果が8月にNature誌とその姉妹誌2つに同時に報告されました。

 若い動物と老いた動物の血液循環をつなぐと老いた動物が若返ることが知られています。実験で、"血漿"にその効果があることが示されました(2014)。若いマウスの血漿を老マウスに注射すると、老化に伴う認知機能障害が改善し、学習や記憶が向上したのです。

 その筆頭報告者であるカリフォルニア大学の研究者はさらなる研究で、「血小板第4因子」(PF4)が老化マウスの認知機能を改善することを突き止めました(Nature誌)

 若いマウスの血漿の血小板分画を老化マウスに投与すると、脳の老化の特徴である神経炎症指標が落ち着くことを見出し、そして若いマウスの血漿にはPF4が豊富なことを発見したのです。ヒトでも同様で、老人より若い人の血漿検体にはPF4がより豊富でした。

 運動には老化に伴う認知機能低下を抑える働きがあり、運動により脳の海馬(の歯状回)の神経新生の増加についてPF4が寄与していることが示唆されています。また、ヒトやサルのPF4が老化に応じて減ることが確認されています。

 PF4に若返りの作用があるという予想は正しく、研究チームが老いたマウスにPF4を注射したところ、若い血漿を投与したときと同様の効果が認められました。PFの投与で、海馬の神経炎症が和らぎ、記憶や学習の検査成績が良くなったのです。

 運動による神経新生の増加にPF4が寄与することを示した上述の成果を報告(2019)した研究者らの新たな研究でもPF4の抗老化作用が示されました(Nature Communications誌)。研究の結果、運動で血小板が活性化することで老化マウスの海馬の細胞増殖が向上し、血小板由来の成分であるPF4の全身循環の増加が海馬の神経新生促進を介して認知機能を若返らせることが示されています。

 同時に発表されたもう1つの報告では、延命効果が知られるホルモンの働きに必要な因子の探索でPF4が発掘されました。「クロトー(klotho)」というそのホルモンは延命に加えて脳機能も改善します。しかし末梢に投与したクロトーは血液脳関門(BBB)を通過できず、脳に到達しません。そこで、クロトーと脳機能改善の関係を仲介する成分を探索し、意外にもPF4がその作用を担うことがわかったのです(Nature Aging誌)。研究の結果、クロトーはPF4を含む血小板因子を増やし、末梢に投与したPF4は脳に到達可能であり、マウスの老いも若きもPF4投与で認知機能が上向きました。

 血小板因子の手入れで老化による脳の衰えを回復できるかもしれない、と研究者らの報告には記されています。また、アルツハイマー病などの高齢者の認知症の治療にも血小板因子が役立ちそうです。

(出典:https://www.carenet.com/)


■血小板の働きと関連する病気

 血小板は骨の中心部の骨髄という部分で産生され、外傷などの原因で血管が破れた場合に、その部位を修復し出血を止める作用を担っています。

 出血時には、血液中の血小板が血管壁の傷口に集まってきて、血小板による血栓を作り、傷口をふさぎます。血小板だけの血栓では、血を止めるにはもろくて不安定です。そこで、血液中の凝固因子と呼ばれる一群のタンパク質が働き、最終的には血小板血栓の全体をおおい固めて、止血が完了します。

 血小板が多すぎると正常な血管内でも血栓で作られやすくなり、放置すると血栓症(心筋梗塞や脳梗塞など)を発症する場合もあります。少なすぎると出血が止まりにくくなります。

 血小板の数値検査は、血液を採取し、自動血球計数装置により測定します。血小板の基準範囲は医療施設によって異なりますが15万~35万/μL(マイクロリットル)で15~35×104/μLと表記されることもあります。


 血小板に関して疑われる病気の例としては、本態性血小板血症、慢性骨髄性白血病、特発性血小板減少症、再生不良性貧血などがあげられます。


 特発性血小板減少性紫斑病 

 血小板減少をきたす他の明らかな病気や薬剤の服薬がなく、血小板数が減少し出血しやすくなる病気です。


 血小板増加症 

 血小板が40万/μL以上に増加したときに血小板増加症といいます。

 原因は血小板が作られる骨髄機能自体の異常である一次性増加症と骨髄以外に原因のある二次性増加症、家族性(遺伝性)血小板血症の3つに大別されます(右表)


 このほかにも、本態性血小板血症、慢性骨髄性白血病、特発性血小板減少症、再生不良性貧血などの病気が疑われます。

===============

 康復医学学会の主要研究生薬である「HM-3000(特系霊芝)」。この霊芝の子実体から単離されたトリテルペノイド(脂溶性の化合物群)は120種を超えており、薬理研究から、血小板抗凝固作用をはじめとする血小板に関する影響はもちろん、肝臓保護解毒抗酸化抗菌血糖降下抗HIVとヘルペスウイルス主要細胞抑制前立腺肥大改善効果骨密度低下抑制効果等の作用等が確認されています。

「老化」は、医学的な見地からは、動脈硬化、虚血性心疾患、脳卒中、癌、糖尿病、骨粗鬆症、認知症などあらゆる成人病に共通の、かつ最大の危険因子とみなされていますが、確認された上記の作用を見れば、HM-3000(特系霊芝)の抗老化に対する様々なメリットは、大きなものであることがわかります。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

0 件のコメント:

コメントを投稿