2023年10月5日木曜日

睡眠不足症候群

 夜中に目覚めて眠れなくなる

 年齢を重ねると、睡眠に変化が起きて、夜が明ける前に目が覚めてそのまま眠れなくなってしまうことも珍しくありません。また、トイレなどで夜中に何回も目を覚ますようになり、「朝までぐっすり眠る」ことも難しくなってきます。睡眠には多くの役割がありますが、中でも重要なのは日中の心身の疲れを回復する「休養」。年を取ると一般に日中の活動量は若い頃より少なくなり、肉体を維持するための基礎代謝も下がってきます。

 基礎代謝とは、呼吸や消化など、肉体を維持するために最低限必要なエネルギー消費量のこと。年を取るとそれが下がるため、疲れを回復するためにたくさん眠る必要がなくなっていくというわけです。そのため、朝早く目が覚めるようになります。

 約3600人を対象にした疫学研究によると、25歳の平均睡眠時間は7時間、40歳は6時間半、65歳は6時間、80歳は5時間半となっています。秋田大学大学院医学系研究科精神科学講座教授の三島和夫氏は、「毎日8時間眠れるのはせいぜい中学生くらいまで。70代以降はがんばっても6時間くらいしか眠れなくなる」と解説します。

 加齢により眠りが浅くなってくるのはなぜでしょうか。それには、脳の温度(深部体温)の変化が関係しています。

 脳の温度は夕方過ぎから眠りに入る5時間~2時間前くらいに最も高くなり、就寝前の2時間ほどで一気に下がります。深部体温をグラフにしたときに、この落ち込みが大きいほど深い睡眠が増えることが分かっています。

 年を取ると自律神経の機能が低下してくるため、夜間の深部体温の落ち方は高齢者のほうが少なくなるのです。脳の温度が高いと、深いノンレム睡眠は出にくくなります。さらに、高齢者はわずかな刺激でも目を覚ましやすくなります。若者なら眠り続けられる軽い尿意やちょっとした物音でも高齢者は目を覚ましてしまいます。加齢とともに「覚醒閾値(いきち)」が下がるためです。

 以上のような理由で、年を取ると深い睡眠が出にくくなり、しかも刺激に対して目を覚ましやすくなります。その結果、中途覚醒や早朝覚醒に悩まされるようになるのです。

(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)


■睡眠不足症候群と認知症の睡眠

 睡眠不足症候群は、夜間睡眠が慢性的に不足しているために、日中の過度の眠気、集中力の低下、活力の低下などが生じる睡眠障害です。患者は、故意ではないが自発的に慢性の睡眠不足状態を続けています。身体機能の異常を認めることができません。慢性化や睡眠不足の程度によって、いらいら感、集中力の低下、活力の減退、注意散漫、意欲の低下、無反応、不快、疲労感、落ち着きのなさ、協調性の欠如、倦怠感などが出現することがあります。

睡眠不足症候群の対策

 生活習慣を改める :寝る前はカフェインやお酒、タバコなどの刺激物は摂らない、入浴で体を温めてリラックスする、テレビやゲーム、スマホなど画面の光が眠気を減らすので控えるなど。多忙型では、勤務や勉強のスケジュールを再検討する必要があります。

 仮眠をとる :夜の睡眠時間が不足するなら、昼間に仮眠を積極的にとりましょう。午後3時以降や30分を超える昼寝は夜の睡眠に悪影響があるので、お昼から午後3時までの間で、20分くらいにとどめましょう。

 睡眠リズムを整える :睡眠促進ホルモンといわれるメラトニンは、夜間に分泌量が多くなり、朝方に減少します。太陽光を浴びるとメラトニンの脳内分泌量は抑制され、目覚めることができます。また、メラトニンの原料はセロトニンです。セロトニンは、脳内ホルモン全般を調整しています。太陽光やリズム運動でセロトニンは活性化しますが、日常のストレス対応に追われて減少してしまっているとメラトニンも減少します。

認知症の睡眠問題

 認知症の方には、様々な睡眠問題がみられます。重度の認知症の方ではわずか1時間程度の短時間でさえ連続して眠ることができなくなるといわれています。夜間の不眠とともに昼寝(午睡)が増え、昼夜逆転の不規則な睡眠・覚醒リズムに陥るようになります。またしっかり目が覚めきれず「せん妄」(もうろう状態)がしばしば表れます。この時には不安感から興奮しやすく時に攻撃的になるため、介護の負担が増します。認知症患者の一部では、夕方から就床の時間帯に徘徊・焦燥・興奮・奇声などの異常行動(日没症候群)がみられます。これも睡眠・覚醒リズムの異常が関係していると考えられています。

 認知症の睡眠障害に有効な薬物療法は知られていません。効果が出ても一過性の場合が多く、長期間使用することは避けねばなりません。睡眠薬や鎮静薬を使いすぎると、生活の質が低下し、結果的に介護負担が増加します。

 認知症の方に対する睡眠薬の使用については、高齢者では若年者に較べて睡眠薬に対する感受性が高く、体内から排泄する力も弱くなるので、注意深く使用する必要があります。

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 康復医学学会の研究素材「ラフマ葉」にはセロトニン産生に関するデータがあり、睡眠リズムを整える助けとなります。また認知症の方に関しては、睡眠薬の前に、安全性が十分確認されている「ラフマ葉エキス」のサプリメントを使用することをお勧めします。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

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