米麹がストレスによる症状を軽減!
新潟大学は10月17日、八海醸造、新潟県農業総合研究所との産官学連携による研究で、米麹から抽出されたエキスが、心理身体的ストレスが引き起こす不安や痛みを軽減することを、モデル動物および培養細胞モデルを用いて解明したと発表しました(詳細は、栄養学に関する全般を扱うオープンアクセスジャーナル「Nutrients」に掲載)。
※新潟大学の研究については以下をご覧ください
⇒ chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.niigata-u.ac.jp/wp-content/uploads/2023/10/231017rs2.pdf
現代社会ではさまざまなストレスが存在し、時に過度なストレスが心身の健康障害を引き起こすこともあります。そのため日々のストレスを解消するには、生活習慣の工夫によって対処することが必要です。中でも食習慣は、ストレス軽減のみならず健康生活を維持するためにも重要となります。
そこで研究チームは、甘酒や日本酒などの原料となる米麹に着目。日本国内では奈良時代から摂取されてきた米発酵食品の代表的な存在であり、多くの栄養素を含むことから健康食として親しまれてきた米麹については、近年の研究で、ストレス軽減効果のある機能性成分を含んでいることが解明されていました。しかし、日常的な米麹の摂取がストレスの軽減に関与するか否かについては、明らかになっていませんでした。
研究チームはまず、八海醸造より供与された米麹エキス、または米麹エキスに含まれることが示されている「エルゴチオネイン」を、心理身体的ストレス状態のマウスに連日経口投与した。なおエルゴチオネインは、麹菌を含む真菌類などの一部の微生物のみが産生できる抗酸化能を有した天然物で、ヒトが取り込むためには麹菌発酵食品やキノコ類から摂取するほかない物質です。
この研究では、ストレス誘発性の不安や痛みに関連する行動が軽減することが確認されたとしています。そしてそのメカニズムを詳細に探ったところ、視床下部や延髄の大縫線核、腰髄など、不安や痛みの情報を処理する領域に存在する神経細胞の興奮性の改善によることが示唆されたとのことでした。
また、ヒトの神経細胞様細胞を用いた実験では、米麹エキスまたはエルゴチオネインが、神経栄養因子であるBDNFの発現を調整するなど、細胞レベルでの機能発現に影響を与えることも明らかになったといいます。
これらの結果から研究チームは、日常的な米麹の摂取がストレスを軽減できることが示唆されたのに加えて、日本古来の食習慣が健康増進に有益であることの事例を、科学的に説明することになるとします。そして今後は、米麹に加え、新潟県の看板食品ともいえる酒粕などの米発酵食品によるストレス軽減作用を検討することで、より安全性が高く簡便なストレス軽減法の開発を目指すとしています。
(出典:https://news.mynavi.jp/)
■エルゴチオネインの健康効果
「エルゴチオネイン」は私たちの体中に広く分布するアミノ酸の一種ですが、年齢を重ねるに従って減少することが実証されています。エルゴチオネインは主にキノコや麹などの菌類に含有されており、食品由来のアミノ酸は、還元成分であり体を保護することで長期間健康をサポートすると考えられています。
キノコの特有成分に脚光 機能性表示受理も
「菌」という漢字の訓読みが"きのこ"又は"くさびら"だと知らない人は意外と多いです。
霊芝、アガリクス、タモギダケ、冬虫夏草、ヤマブシタケ、ハナビラタケなど、健食・サプリに活用されるキノコは多種多様です。キノコにはβ-グルカンをはじめ、食物繊維、ビタミンD が豊富で、免疫賦活、整腸、美肌などが訴求されています。そして近年、エルゴチオネインの特有成分に着目した研究が進展。脳機能、フェムケア分野でのエビデンスを蓄積し、他素材と差別化した提案が加速しています。機能性表示食品分野でもキノコ由来成分の活用が進み、脳機能改善、肝機能改善、整腸、体脂肪減少などの届出が受理されています。
エルゴチオネインはキノコなどの菌類や一部細菌のみが生成できる強い抗酸化作用を持つアミノ酸の一種。過剰な活性酸素は細胞にダメージを与え、老化や疲労、生活習慣病を引き起こす原因になっています。近年は腸内フローラへの注目の高まりから「菌活」がブームとなりました。また、インフォーマグループの米業界紙NBJが発表した「2022年のトレンド予測」にも機能性キノコが入っています。
エルゴチオネインで認知症予防、健康長寿!
活性酸素は認知症のリスクを高めるとも言われており、強い抗酸化力を持つエルゴチオネインは、各種動物試験や心象試験で認知症予防に対する効果も認められてきています。
また、老化と共に血中のエルゴチオネイン濃度が低下するため、キノコで菌活による積極的かつ日常的なエルゴチオネインを補給することがお勧めです。
スウェーデンでの調査では、エルゴチオネインの血中濃度が高い人は、心血管疾患リスクと死亡リスクが低かったという研究報告もあります。エルゴチオネインは健康に長生きするために役立つ可能性があります。
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エルゴチオネインは体内では作ることができないため、食品の摂取が必要です。また、エルゴチオネインは体内に長期間蓄積が可能な成分のため、毎日少しずつ摂取して常に十分な量を体内に蓄えることで、日々の健康づくりにつながります。
菌類に特異的に含まれるエルゴチオネイン。中でも、特に食用キノコでは「ヒラタケ属(霜降りひらたけ、エリンギなど)」に、薬用キノコでは「霊芝」に多く含まれていることが分かっています。
いつもありがとうございます。
愛・感謝 村雨カレン
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