2025年6月4日水曜日

六月病

 “六月病”が増えている?

 五月病は聞いたことがあると思います。ゴールデンウィーク明け頃、主に新入社員や新入学の大学生など4月からの環境変化がストレスとなって発症するもので、急性の適応障害といえます。そして、6月ごろに現れる心身の不調が「六月病」です。新入社員だけでなく、異動などで環境の変わった社会人に多いものです。五月病が遅れて現れたようにも見えますが、実は五月病は性質が違っており、六月病はうつ病の入り口の状態といえます。

 4月からの環境変化が発端であることは同じですが、我慢に我慢を重ね、我慢しきれなくなって出てくるのが“六月病”。たとえば5月の段階で気づいて手を打てれば回復も早いのですが、六月病は“こじらせた状態”とも言え、適切な対応が求められます。

 環境の変化は入学、入社だけではなく、昇進なども要因になります。プレーヤーとして優秀な人がマネジャーとなり、自分と同じように仕事ができない部下へのいらだちなどがストレスとなって不調につながる、という「昇進うつ病」も珍しくありません。

 六月病は特にまじめに頑張る人に多い傾向があります。多少の不調があっても「このくらい大丈夫。もっと頑張らないと」と心身に鞭打って走り続けてしまい、無理がきかなくなって倒れてしまう、ということになりがちです。

 初期のSOSには気づかないことも多いもの。右表をチェックしてみましょう。一つでも当てはまるものがあれば、要注意です。

 六月病の予防あるいは長引かせないためには、原因となるストレスをなくすのが一番ですが、現実的には難しいでしょう。できることは、ストレスに強い状態をつくっておくこと。お勧めの方法をご紹介します。

 睡眠 :睡眠は健康の基本で、眠ると気分もリセットされます。睡眠のほか、しっかり食事を摂る、運動するなど、基本的なことを大切に。

 趣味を楽しむ :趣味や楽しみに意識を向けてストレス源から離れることで、心がリフレッシュします。

 安心できる人と話す :家族や友人などと話すことも効果的です。

 “お守り”をつくる :深呼吸する、空を見る、好きな音楽を聴く、大好きなお菓子を食べるなど、自分なりの“息抜き法”をつくると、ストレスへの対応力が高まります。これは「コーピング」というストレス対処法で、企業のストレスマネジメントなどにも広く活用されています。

 6月は心の調子を崩しやすい時期です。特に昨今は働き方が変化して、調子を崩しやすくなっていることが多いようです。日ごろからストレスとうまく上手に付き合う方法を身につけて、うまく乗り切ってください。

(出典:https:// //kenko.sawai.co.jp/)


■“六月病”の対策

 六月に入り、病気というほどでもないけれど、ちょっと調子が良くないという人は、次の三つのポイントを心がけてみましょう。

◆生活リズムを整える

 悩みや不安があると夜眠れず、起きる時間も遅くなりがちです。できるだけ同じ時間に起き、太陽の光を浴びましょう。朝、強い光に当たると「脳内セロトニン」が活性し、それが覚醒・睡眠リズムをつくります。セロトニンには、様々な脳内ホルモンのバランスをとって精神を安定させる働きがあるのです。またセロトニンは、睡眠ホルモン「メラトニン」の材料でもあります。

◆適度に身体を動かす

 運動が好きな人は汗をかくのもいいでしょう。苦手な人はラジオ体操のようなリズミカルな運動をしたり、15分間歩いたりするだけでも違います。速く歩いたり、ゆっくり歩いたり、風景を眺めて季節を感じたりします。途中目にする野の花や夕焼けなどに「わあ、きれい」と声に出して言ってみると、心も温まります。

◆オンとオフを意識して区別する

 いつもオン状態だと交感神経が優位になり過ぎてしまいます。意識的にオフの時間をつくり、読書や音楽、映画鑑賞など好きなことをして、ゆったりと気分転換をしましょう。

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【薬に頼る前に】

 適応障害やうつの治療は、カウンセリングなどの精神療法が中心に用いられ、補助的に薬が用いられます。薬は主に睡眠薬、抗不安薬、抗うつ薬ですが、あくまでも症状を抑える対処療法です。また、たいていの薬は効果が出るまでに1~2週間を要し、逆に副作用はすぐに表れます。初期症状の段階で薬に頼ってしまうと、薬をやめる怖さから依存症に陥り、場合によっては本当のうつ病になってしまう人も少なくありません。特にSSRI(選択的セロトニン再取込阻害薬)の、若年層への処方による凶悪な副作用については、ご存知の方も多いと思います。使用には十分な注意が必要です。

 不安感を改善する抗うつ薬の作用機序は、脳内のセロトニンやノルアドレナリンによって精神状態や気分の高低が決定されるという“脳内モノアミン仮説”を前提としています。

 当学会の研究素材である「ラフマ」(キョウチクトウ科の多年草)には、セロトニン産生および脳神経細胞膜流動性への影響を示すデータがあります。ラフマ葉エキスの抗ストレス作用睡眠改善鎮静作用血圧安定作用などが、六月病対策として期待できます。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

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