2012年6月7日木曜日

こんな自覚症状に潜むこんな病気③


新基準HbA1cと自覚症状

 赤血球にあるヘモグロビンは全身に酸素を運ぶ血液成分で、鉄分とたんぱく質でできています。
 高血糖状態が長期間続くと、血管内の余分なブドウ糖は体内のたんぱく質と結合します。この際、赤血球のたんぱくであるヘモグロビン(Hb)とブドウ糖が結合したものグリコヘモグロビンといいます。このグリコヘモグロビンには何種類かあり、糖尿病と密接な関係を有するものが、HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)です。

 HbA1cは、過去1~2か月の平均的な血糖状態を見る指標となっており、血液検査で調べられます。血糖値のように、事前の食事の影響を受けて数値が急上昇することはありません。今までは、HbA1cが数値的に6.1%以上だと糖尿病を強く疑い、その上に血糖値が基準値を超えていると「糖尿病」と診断されていました。しかし今年4月から、そのHbA1cの数値がおよそ0.4%引き上げられ6.5%以上とされました。その背景には、HbA1cが6.5%以上あると「糖尿病網膜症」の頻度が高まるという報告から、海外では、この数値を糖尿病を強く疑う基準値にしているという実情があります。

 国内では、測定の精度が高いなどの理由で、国際標準の6.5%に相当する数値を6.1%としてきました。しかし、糖尿病の研究を進めるに当たり、基準値が海外と異なっていては、日本の研究成果が国際的に認めてもらえないという事態が生じてしまう恐れがありました。そこで、この4月から、国際標準に合わせることにしたのです。
 しかし、国内の糖尿病の治療そのものは当面はこれまでの数値6.1%も使われるようです。気をつけなければならないのは、検査値が従来のものか、国際標準のものか混同することです。数値が上がったと勘違いし、薬の種類を変えたり量を増やしてしまうと、意識障害を引き起こす低血糖を招く恐れがあるので注意が必要です。

 またメタボ健診では、現在、ヘモグロビンA1cが5.2%以上ある場合、メタボと判定する材料の一つになっています。今後、5.6%に変更される見通しですが、決して基準値が甘くなるわけではないことを理解してください。

 さらに、血糖が高くなることによって生まれる“酸化ストレス”は、微小循環に影響するので、普段気になっているなにげない自覚症状が、実は糖尿病と関係している・・・などという場合があります。次項を参考にしてください。

■こんな自覚症状には、こんな病気が潜んでいる!③

普段の生活の中で起きるちょっとした自覚症状には、思いもよらない病気が潜んでいる場合があります。えっ! と驚くものもあります。
 「いつもすぐに治まるから大丈夫」と思わないで注意してみて下さい。

【口や目の自覚症状】 

●目や口がひどく渇く

中年以降になると、唾液の分泌が減って自然と口が渇きやすくなるものです。しかし、人一倍のどが渇くという人は、糖尿病かもしれません。のどの渇きとともに、尿の量が増えたり、疲れ目、渇き目といった症状があれば、検査を受けて下さい。

●視野が狭くなる

日本人の失明の原因で最も多いのが、以外にも「糖尿病網膜症」です。糖尿病では、網膜の毛細血管が障害を起こし、視力の低下や視野が狭くなるといった症状が出ます。しかし、はっきりとした自覚症状が出るのは網膜の中心にある「黄班」というところに障害が起こったときで、それ以外では失明の一歩手前まで症状がないということもあります。
 また、視野の鼻側が欠け、痛みや頭痛、吐き気が伴うのは「緑内障」の症状です。緑内障による視神経障害はもとに戻らず、失明につながるケースも少なくありません。

【手足の自覚症状】

●爪の異変

爪の色から赤みがなくなり青白くなっている場合は、貧血血液循環の障害が起きている証拠といえます。さらに爪全体が白くなっているようなら、慢性の「腎臓病」や「糖尿病」が考えられます。 糖尿病が進行すると、痛みを感じないまま爪がはがれてしまうこともあります。

●手足のしびれ

糖尿病による「神経障害」は足のしびれから始まります。足の裏がじんじんする湿った靴下を履いているような感じがする、足を触られたり固いものを踏んでも気がつかない、などの症状が現れます。
 また、眠っているときに足がつるこむら返りを起こしやすいというのも糖尿病に特徴的な症状です。糖の代謝が悪くなると、タウリンが不足するため足がつりやすくなるのです。


いつもありがとうございます。
愛・感謝 五月雨ジョージ


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