2013年2月15日金曜日

高齢者と睡眠障害


年齢とともに変化する睡眠


人は年を重ねるとともに体力が落ち、老眼になり、白髪が増えます。それと同じように睡眠にも変化が生じてきます。まず、感じるのは、若い頃にくらべて早寝早起きになることです。これは体内時計の加齢変化によるもので、睡眠だけではなく、血圧、体温、ホルモン分泌など睡眠を支える多くの生体機能リズムが前倒しになることが原因です。
 そして、次に感じるのが睡眠が浅くなることです。睡眠脳波を調べてみると、深いノンレム睡眠が減って浅いレム睡眠が増えるようになります。そのため尿意やちょっとした物音などでも何度も目が覚めてしまうようになります。このように、睡眠に変化が出ているのに、高齢者ほど寝床に入っている時間が長いことが分かっています。睡眠時間が短くなるのに寝床にいる時間が長くなると、結果として眠れぬままに寝床でうつらうつらしている時間が増えて睡眠の満足度も低下してしまいます。そして、高齢者では退職、死別、独居などの心理的なストレスに加えて、不活発でメリハリのない日常生活こころや身体の病気、その治療薬の副作用などによって、不眠症をはじめとするさまざまな睡眠障害にかかりやすくなります。疾患などでは、狭心症や心筋梗塞による夜間の胸苦しさ、前立腺肥大による頻尿、皮膚掻痒症によるかゆみ、関節リウマチによる痛みなどによる不眠などが表れます。また、それらの治療薬によっても不眠、日中の眠気、夜間の異常行動などの睡眠障害が生じます。高齢者では、うつ病、認知症、アルコール依存症なども多く、これらの精神疾患によっても睡眠障害が生じます。そして高齢者の場合、睡眠薬を服用すると、ふらつきや起床後の効果の持ち越しなど副作用が出やすいということです。
 高齢者の睡眠の問題は認知症にも及びます。高齢化に伴い増える一方の認知症ですが、うち約半分を占めるアルツハイマー病は、記憶力と判断力が著しく低下し日常生活の継続が難しくなる病気です。進行を遅らせる薬はあっても、根治させる治療薬"はまだありません。症状が進行すると、幻覚や攻撃的言動、妄想、徘徊などの周辺症状が悪化していきます。この周辺症状の悪化には、睡眠障害が深く関与しているといわれています。


高齢者と睡眠障害

加齢とともに寝つきが悪くなり眠りが浅くなりますが、一般的に60代以降は、浅い眠りが続き「中途覚醒」が増えます。また余暇の時間が増えるため、昼寝する機会が多くなり、夜の睡眠に悪影響を及ぼします。さらに身体的疾患も睡眠の邪魔をします。神経痛やかゆみ、胃腸症状、あるいは呼吸器疾患からくるせきなどで眠れなくなることがあるのです。

入眠障害

一般的には寝つくまでに30分以上かかると入眠障害の可能性があるとされています。入眠障害の原因のひとつは、寝ようとする時間が早いことです。また、布団に入ってから考え事をしてしまうパターンです。これが、長い期間続くと「今日は眠れるだろうか?」という不安や「眠らなければ」という義務感にとって代わり、更に寝つきが悪くなるという悪循環を生む可能性があります。


中途覚醒

物音や尿意など、これといった理由は無いにも関わらず何故か睡眠の途中で目が覚めてしまうのが中途覚醒です。一度目が覚めると寝直すことが難しい場合があります。そして、他の睡眠障害が原因となって目覚めてしまうという場合もあります。睡眠中に足がつり、そのために目が覚めてしまう「周期性四肢運動障害」や、睡眠中に起こる「無呼吸症候群」も原因のひとつです。

早朝覚醒

早朝の4時や5時に目が覚めてしまい、更にその後、寝付けなくなってしまうのが早期覚醒です。通常、早期覚醒は不眠症のタイプの中では最も少ないのですが、高齢者の間では特に多い種類です。早朝の起床に慣れていない場合は日中の眠気に悩まされることもあります。早期覚醒はうつ病患者に多く見られています

認知症の睡眠問題

アルツハイマー病などの認知症では、同年代に較べてもさらに睡眠が浅く、さまざまな睡眠問題がみられるようになります。重度の認知症ではわずか1時間程度の短時間でさえ連続して眠ることができなくなるといわれています。
 認知症の一部では、夕方から就床の時間帯に徘徊、焦燥、興奮、などの異常行動が目立つ「日没症候群」という現象がみられます。これも睡眠・覚醒リズムの異常が関係していると考えられています。
 そして、この睡眠・覚醒のリズムに影響するのがセロトニンメラトニンです。年齢とともに減少するメラトニンは、原料であるセロトニンが慢性的に不足しているからです。
 康復医学学会が研究を続けているリラックスハーブの「ラフマ」は、セロトニン神経の活性→セロトニン分泌の促進効果が期待でき、睡眠・覚醒のリズムを整えることがわかってきました。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

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