アンチエイジングは血液・血管から
血液は、自前の「栄養剤」です。血液の状態が悪くなると、だるさや疲れにつながります。また、血流が悪くなると、冷えやのぼせ、凝り、むくみなどの不調を引き起こします。そして、血管が硬くなると、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高くなるだけでなく、体内老化が進み、人より老けてみられてしまいます。誰もが、いつまでも若く見られたいと思うものです。若く見えるためにはいろいろな要素がありますが、近年、「血管」をはじめ、「血液」や「血流」と見た目との相関が明らかになり、内側からのケアを重視する専門家が増えています。
「見た目」と「血液」は関係が深く、貧血で血液が薄くなると顔色は青白くなり、肌はくすみ、髪がパサつきます。また、血流が悪く目の下に血液が滞ればクマの原因になります。それは、「肌をはじめ体のすべての組織は、血管を流れる血液に養われているから」と、池谷医院の池谷敏郎院長は言います。
新宿溝口クリニックの溝口徹院長も、「間違ったダイエットで血液中の鉄分やたんぱく質が不足すると、肌や血管ももろくなる。見た目が老けることも考えられる」と話します。
さらに最近、女性は血管が硬くなると、シミの面積が大きくなることが判明。愛媛大学医学部老年・神経・総合診療内科の伊賀瀬道也准教授らの研究グループが、抗加齢ドックを受診した人を対象に、血管年齢とシミや毛穴など見た目との関係を調査したところ、「動脈の硬さとシミの面積との関連が最も強いことが分かった」(伊賀瀬准教授)。
同じ年齢でも、血管年齢が若い人ほどシミが少なかったとのことです。
シミやシワなど、老け見えの原因はもっぱら紫外線の影響と考えられてきました。若々しい見た目を保つには、「紫外線や乾燥から肌を守る“外からのケア”も大切だが、偏った食生活や運動や睡眠の不足など、血液の質や血管に悪影響を及ぼすライフスタイルを見直す“内側からのケア”は不可欠」と、池谷院長。
特に女性は、「妊娠や出産、閉経などライフステージによっても、“血”を取り巻く環境は大きく変化する」(溝口院長)。
いつまでも若々しく見られるためにも、血液・血流のケアが大切ということです。
(日経ヘルス2015・1月号)
■老化に影響する、血液と血流・血管
○肌や体の組織を養う血液
貧血になると、顔がくすむほか、爪が割れやすくなり、また、シワができやすくなるという報告があります。「鉄はコラーゲンを作るのにも必要で、不足すると血管の壁ももろくなる。つい食べ過ぎる人は、悪い油のとりすぎに注意して」(溝口院長)
実年齢より老けて見えるグループと、若く見えるグループに分けて比較したところ、老けて見えるグループは、肌の明度や透明度が低いことが分かりました。また、血液中のヘモグロビン酸素飽和度(赤血球中のヘモグロビンのうち、酸素と結合している割合)も有意に低く、くすんで見える要因になっていることが分かりました。(資生堂: 60~70代の女性130人対象2008年発表)
○熱を運び老廃物を回収する血流
皮膚表層部の血流が滞ると、目元や唇のまわりが黒っぽく見えます。肌に栄養や酸素が届かず、老廃物も回収されにくいため、肌荒れしやすくなります。また、女性に多い“むくみ”や冷えは、手足の末端などに血液が十分に流れないことによって起こります。
クマが目立つ人と、クマが目立たない人の、目のまわりの血液量を調査した結果、クマが目立つ人のほうが、目立たない人よりも滞留した血液の量が多く、クマの部分とそのまわりの肌の明るさ、色の差も大きかったという報告があります。
○血液の流れをコントロールする血管
動脈硬化の初期段階では、血管内皮に傷がつき、血管を収縮させるホルモン(エンドセリン-1)の産生が上がります。「エンドセリンは、皮膚ではメラノサイトを刺激してシミをつくる指令を出す物質でもある」(愛媛大学医学部附属病院老年・神経・総合診療内科准教授)
頚動脈の壁の厚さを測定する頚動脈エコーで血管年齢を算出して分析し、実年齢よりも若く見える人と老けて見える人を近似直線にすると、見た目年齢と血管年齢が強く関連していることがわかりました。
エンドセリンを介して「動脈硬化はシミ発生のメカニズムにも関連する可能性がある」(同准教授)。
人の美肌や見た目に関しては、これまで紫外線や抗酸化対策が主流でした。しかし、実はアンチエイジングには、血液と血流・血管が最も重要だったということなのです。
いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ
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