2015年8月19日水曜日

歯周病菌とインフル感染

歯周病菌、インフルを悪化させる可能性

インフルエンザ対策として「手洗い・うがいの徹底」や「マスクの着用」などは常識となっていますが、意外にも「歯磨き・口腔ケア」が予防効果を高めることは、あまり周知されていません。

 口腔内の細菌はインフルエンザウイルスを粘膜に侵入しやすくする酵素(プロテアーゼやノイラミニダーゼ)を出すため、口腔を不潔にしているとインフルに感染しやすくなるのです。
 また、歯周病による炎症も感染を促進させます。奈良県歯科医師会の調査では、介護施設で歯科衛生士が高齢者に対しブラッシングや舌磨きの指導を実施したところ、通常の歯磨きをしていた施設に比べてインフル発症率が10分の1に激減しました。

 近年、インフル流行の予測が困難になっており、薬剤耐性ウイルスの問題も深刻化しています。ワクチンや薬剤によらない新たな感染予防および重症化対策が求められています。

 そんな中、口の中にある歯周病菌の一つが、その人のインフルエンザウイルス感染を助長している可能性があるとの研究結果を、日本大の落合邦康教授(口腔細菌学)らのチームがまとめました。
 口の中の細菌には、タミフルなどの抗ウイルス薬を効きにくくしたり、ウイルスの増殖を助けたりするものもあり、インフル対策での口のケアの重要性がますます注目されます。

 インフルエンザウイルスは、人の細胞表面にくっつくと細胞内に取り込まれますが、そのままでは感染する能力がありません。増殖するためには、人の細胞内外にある特定の酵素の働きで、ウイルス表面のたんぱく質に変化が起きることが必要になります。

 日本歯周病学会で成果を報告したチームは、昨冬流行した高齢者が重症化しやすいAホンコン型(H3N2)ウイルスで実験。このウイルスは呼吸器系の細胞にある酵素の働きで感染能力を得ることが分かっていますが、細胞とウイルスに歯周病の原因となる「ジンジバリス菌」の培養液を混ぜると、呼吸器系にある酵素を混ぜた時と同じように、細胞へのウイルス感染が広がったのです。さらに、ジンジバリス菌が作る複数の酵素のうち「ジンジパインRpg」が、ウイルスに感染能力を持たせることも突き止めたということです。

 落合教授は「高齢者は免疫力が弱まっており、口のケアが悪いと、インフルエンザ感染と重症化の危険性が著しく増加する恐れがある」と指摘しています。

■歯周病菌を減らしてインフルエンザ予防

インフルエンザと口腔細菌

毎年のように大規模な流行を繰り返し、時として新型ウイルスがパンデミックを引き起こすインフルエンザは、超高齢化社会を迎えるわが国にとって大きな脅威です。
 インフルの感染や増殖にはウイルスが保有する酵素NA(ノイラミダーゼ)が必須であり、抗インフルエンザ薬(ザナミビルやオセルタミビル)はこのNAの作用を阻害することによって感染拡大を防いでいます。

 インフルの重症化には、肺炎球菌など細菌との混合感染が深く関与していることが知られていますが、口腔常在菌がNAの働きを助長しインフルエンザウイルス感染を促進すること、さらに、細菌の産生するNAに対しては抗インフル薬の効果がないことはわかってきています。

歯周病菌の対策

細菌は、体内の環境に応じて形態や病原性を変化させいくのが本来の姿です。ですから、歯周病菌を除菌しても体内環境に応じてまた同様の発達を遂げて細菌叢は後戻りしていきます。歯周病菌が発育し病原性を持って口腔内に定着している本当の理由は私たちの体内環境にあります。歯周病菌を減らすためには食生活を見直すことが必要なのです。

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歯周病を改善するためのお勧めの食生活・口内洗浄

人間本来の食性を実践することが大切です。加工食品、穀物、動物性タンパク質、甘いもの、酸性の食品の摂取は最小限にし、アルカリ性食品である生の果物や一部の葉物野菜中心の食事がお勧めです。食後の歯磨きは当然ですが、ラウリル硫酸ナトリウムフッ素ポリエチレングリコールなどの発がん性急性中毒の恐れのある有害成分が入っていないハミガキ剤を選ぶことが大切です。また、当学会推奨の、「ホタテ貝殻焼成カルシウム」の稀釈水溶液でのうがいも効果的です。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 村雨カレン

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