2015年8月27日木曜日

ファスティングと健康

長時間の断食、血液の再生に好影響

現代の生活は概して「食べ過ぎ」です。この食べ過ぎは、ストレスとともに生活習慣病を増やしている要因の一つであることは間違いありません。

 この「本説伝」をお読みいただいている方の中には「断食道場」を体験した人がいるかもしれません。ジュースやスープ等の最低限の栄養や水分を取って、食事を控える生活を一定日数送ります。食事を控えると、カロリーを抑制するので、体重の減少につながる可能性はあるので、生活改善の一手とするわけです。
 最近は“少食”を含め「ファスティング」という言葉を目にすることが多くなっています。

 一方、米国の南カリフォルニア大学を中心とする研究グループはこのたび、「断食は血液再生を促したり、免疫力抑制を防いだりして、老化防止にもつながり得る」と報告しました。これは、再生医療関係の国際医学誌であるセル・ステムセル誌で6月に発表したものです。

 研究グループは、免疫システムの欠陥が老化や病気の要因である、という認識の下で、断食が免疫系に与える影響を調べました。マウスに絶食をさせる実験を実施した結果、「長期造血幹細胞」のストレスへの抵抗性を高め、正常な増殖を促すことがわかりました。長期造血幹細胞とは、体内で温存される血液の親となる細胞で、血液の供給に重要な役割を持っています。
 さらに、複数回にわたって絶食させると、特定の薬を投与した場合の免疫の抑制および死亡を減らしました。骨髄の種類は年齢によって変化しますが、低年齢で見られる状態に近づくという変化も見られました。断食が造血幹細胞の保護や再生に意味を持つ可能性があることがわかったのです。
 この研究はあくまでマウスで起こった現象を調べているものですが、人でも断食が好影響を持つ可能性はありそうだと結論付けています。

 断食や少食を“引き算による医療行為”と呼ぶ専門家もいます。カロリー制限をしつつ、生理的な有効成分、滋養成分を補給したほうが、生体ストレスは緩和されます。そこで、ミネラルファスティングなどが、昨今見直されているのです。体にも負荷がなく、理想的なファスティングといえるかもしれません。

■血管が若返るファスティング

日本でも様々なファスティング
に関する本が出ています。
ドイツには古くから次のことわざがあります。
「1日3食のうち2食は自分のため、1食は医者のため」
 要するに、3食キチンと食べると必ず病気になるよ、という昔からの戒めです。

栄養を十分取らないと病気は治らない?

〝近代栄養学の父″と称えられるカール・フォイト(1831~1908)。いまだ栄養学教科書の中央に君臨しています。しかし、彼は後世の学者たちに「フォイト栄養学は、科学的、医学的、統計学的な検証を一切経ていない」と批判されています。
 フォイトの動物タンパク礼賛とカロリー理論からすれば断食や少食は完全否定の立場です。「栄養を十分に取らないと治る病気も治らない」つまり、断食・少食の効用はないということです。
 今回の報告でそれが科学的にも覆されたといってもいいでしょう。

ファスティングにはデドックス効果がある

断食で一切の栄養分が断たれると、体はどこからか栄養分になるものを探し始めます。さし当って、生命維持に絶対必要なもの以外の組織から栄養分をとり入れてエネルギーに変えます。これを「自己融解」といいます。
 いちばんわかりやすい例が血管です。動脈硬化症の患者の多くの血管には血管内にコレステロールが付着した「アテローム」と呼ばれるものが付着しています。ここが血流を悪くしているのです。それが断食をすると、体は血管内のアテロームをエネルギー源として利用します。断食中、アテロームはどんどん使われていき、しまいにはきれいになくなってしまいます。万病も老化も血管から始まるといわれています。血管が詰まれば血流が悪くなり、栄養素や酸素の運搬や老廃物の代謝なども滞ります。がんの病巣も育っていきます。動脈硬化症の患者の特徴の一つに足の冷えがありますが、多くの患者がファスティングによって足が温かくなるのを実感しています。血管内で自己融解が起きている証です。このように血流が改善されればほとんどの病気は治っていきます。そして、血管が若返れば体も若返ります。
 また、自己融解は血管に限らず、脂肪組織や腫瘍もその典型です(神戸大医学部・九州大学などの研究報告より)。

日本人の食事と健康

日本人は今、"摂らないで病気になる"貧しい時代から、"食べ過ぎて病気になる"時代に生きています。摂り過ぎが生活習慣病を増やしています(塩分→高血圧、糖分→糖尿病、脂質→脂肪肝など)。
 特に脂質の味に対する病みつき現象が大きな問題です。生活習慣病に対して絶望的でないといえる一つの可能性があるとすれば、それは日本には伝統的に油脂に匹敵する高度な旨みを持つだしの風味に対する嗜好があるということです。

 康復医学学会がメーカーと共同開発した『薬膳の素』は、三種の旨みをバランスよく混合した天然だしです。腹持ちもいいので、少食ファスティングには最適です。


いつもありがとうございます。光・愛・感謝 
村雨カレン

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