通勤中のお腹ゴロゴロはストレス性疾患!?
通勤電車の中で急にお腹がゴロゴロ、次に停車した駅でトイレに駆け込む‥‥。こんな経験を何度もする人は、ストレスで脳がダメージを受けているのかもしれません。過敏性腸症候群(IBS:irritable bowel syndrome)は、腸に関連する検査をしても異常が見つからないのに、腹痛や腹部膨満感、お腹のゴロゴロなどの症状や、下痢・便秘の便通異常が慢性的に起こる病気です。推定患者数は日本人の約13%(1200万人)で、比較的若い人に多くみられます。
IBSは、便秘型、下痢型、混合型、分類不能型の4つに分けられます。ほとんどは便秘型か下痢型で、混合型は少数、分類不能型は稀です。患者数に男女差はありませんが、便秘型は女性、下痢型は男性に多いようです。
IBSは、実は腸自体の病気ではなく、脳に根本の原因があるストレス性疾患の一つです。そこで、病気の説明に「脳腸相関」という言葉がよく使われます。ここでセロトニン(神経伝達物質)の名前が出てきます。私たちは脳内物質としての話をよくするので脳内だけに存在すると思いがちですが、その90%は消化管粘膜内にあります。腸のセロトニンはストレスがかかると働きが活発になり、内臓の知覚過敏と消化管の運動異常を引き起こします。その結果、知覚過敏からは腹痛や膨満感などの不快感、運動異常からは便秘や下痢の便通異常が起こるのです。知覚過敏は腸の動きを乱し、運動異常は痛みや不快感などになります。さらに、こうした症状自体がストレスとなって脳にダメージを与えます(図参照)。脳腸相関のトライアングルがIBSでは悪循環に陥ってしまいます。
消化管の運動異常が、便秘と下痢という正反対の症状を起こします。便は、腸の筋肉の連続的な収縮(蠕動運動)によって肛門のほうに移送されます。消化管の運動異常とは、この蠕動運動が障害されることなのです。腸全体が連続性なしにピクピク動くと便は停滞して便秘に、どこか1ヵ所が強く収縮すれば、歯磨き剤のチューブをギュッと握ったときのように中身が急に飛び出し下痢になります。正反対の症状に見えても大もとは同じなのです。
(出典:毎日新聞 医療プレミア)
■セロトニンとストレス
ストレスに打ち勝つには、脳内の神経伝達物質セロトニンの働きが重要です。セロトニンには、ストレスによって生じるイライラ、不安、恐怖、抑うつ、怒り、衝動、攻撃性などのネガティブな感情の暴走を抑えて心を安定させる働きがあります。● 自律神経系のバランスを整えるセロトニン
人の脳はストレスを感じると、視床下部からの司令で自律神経系(交感神経・副交感神経)が興奮します。交感神経系の興奮は、ノルアドレナリンやアドレナリンの分泌を促進させ、血圧上昇、心拍数増加、瞳孔拡大、発汗、筋力増強、痛覚遮断などの身体反応と共に、脳を強く覚醒させ、集中力や攻撃性の増加、精神の高揚を引き起こします。セロトニンは、交感神経系の過度の興奮を防ぎ、適度な状態を保てるように働きます。
● 睡眠の質が上がり、ストレスが解消しやすくなる
人はストレスにより、交感神経系の興奮で脳が覚醒し、睡眠の質が低下しやすくなります。睡眠の質の低下は、ストレス解消を妨げ、次第に蓄積していく悪循環を生み出します。セロトニン量が十分であれば、交感神経系の興奮を抑制してくれるため、睡眠の質の低下を防ぎ、ストレス解消をしやすくなります。また、強い催眠作用を持つ睡眠ホルモン「メラトニン」はセロトニンから合成されます。
● 慢性ストレスはセロトニンの分泌を抑制する
ストレスに対する反応は、視床下部―下垂体―副腎系の相互作用により制御されています。ストレスによって視床下部が刺激されると、副腎からストレスホルモン「コルチゾール」が分泌され、血糖値の維持、脳の覚醒、血圧上昇などの働きをします。このとき、視床下部はコルチゾール分泌司令と同時に、脳内のセロトニン神経の働きを抑制する司令を出すため、セロトニン分泌量は減少してしまうのです。また、交感神経系が興奮すると、カテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミン)が分泌され、血管収縮、心拍数増加などが起こります。セロトニンはカテコールアミンの暴走を抑えるために消費されます。
【逃れられない慢性ストレス】
人間関係や仕事など逃れることが出来ない継続的なストレスに晒されると、その度セロトニン神経は酷使され、やがてうまく働かなくなってしまいます。このような慢性的なストレスによって、抑うつ症状が現れ、原因不明の痛み、PTSD、パニック障害、社会不安障害などの他、うつ病や不眠症を発症するようになります。
ラフマエキス配合の『アンチストレス』 |
=========================
いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 村雨カレン
0 件のコメント:
コメントを投稿