果糖は安全な糖か?
果糖は本当に安全な糖と言えるのでしょうか? 実は、老化の原因物質「AGE」(Advanced Glycation End products=終末糖化産物)によって、体はダメージを受けてしまうのです。リンゴの皮をむいておくと茶色に変色するのは「酸化」によるものです。酸化は体の「サビ」と言えます。一方、体の「コゲ」と称されるのが「糖化」です。糖化は老化および老化に伴う様々な病気の原因になるのですが、まだまだ認知されていません。
体の主な構成成分はタンパク質です。タンパク質には、体内に入ってきた糖と結びつきやすいという性質があります。
「糖化」とは、糖が血管や皮膚のタンパク質と結合することでタンパク質が変性し、老化の原因物質であるAGEが作られることを意味します。これにより、体を構成するタンパク質が、本来の役割を果たすことができなくなってしまいます。
AGEはブドウ糖とタンパク質だけではなく、果糖とタンパク質でも起こります。驚くことに、果糖はブドウ糖に比べて何十倍もタンパク質を変性させやすい糖であることが分かっています。
健康にいいと固く信じられている果物ですが、食べ過ぎは良くありません。果糖は単糖類であり極めて吸収がいいのです。脂肪肝や糖尿病は果糖を減らすと改善することがしばしばです。最近の果物は過度に糖度を上げており、「果糖は安全な糖」とはいえません。
ひとたび、AGEになると、体にさまざまなダメージをもたらします。まず動脈硬化が進行します。肌の老化、そして認知症。一般的にはアミロイドβという異常タンパクの脳への蓄積といわれますが、AGEの沈着でも認知症を引き起こすのです。果物は吸収がいいためにタンパク質とすぐ結合してしまいます。認知症予防の観点から果物は考えものです。
しかし、皮肉なことに、「果物の女王」と称される熱帯のフルーツ、マンゴスチンの果皮に「抗糖化作用」があることが、分かってきたという情報もあります。
■栗原毅(医学博士・栗原クリニック東京日本橋院長)
(出典:http://www.zakzak.co.jp/)
■いまさら聞けない『糖質』の話!
糖質はタンパク質、脂質と共に「三大栄養素」と呼ばれているほど体にとって必要不可欠なもので、もちろん大切な役割を持っています。体の中で最もよく利用されるエネルギー源が糖質です。小腸から吸収されたブドウ糖は、一部は肝臓や筋肉中にグリコーゲンとして蓄えられ、血液中のブドウ糖濃度は常に一定の範囲内に保たれるように複雑な調節機能が働いています。
糖質が不足すると、エネルギー不足、疲労感・倦怠感、体重減少、集中力欠如、運動能力低下などの弊害が表れますが、代わりに脂肪やアミノ酸がエネルギー合成に使われます。逆に糖質を摂り過ぎると、脂肪として体に蓄積し、栄養バランスの崩壊などが顕著になります。現在、問題視されている多くの生活習慣病は、そのほとんどが糖質の摂り過ぎが原因です。
代表的な糖質には、次のようなものがあります。
●ブドウ糖(グルコース):自然界に最も多く存在する糖。
●果糖(フルクトース):果物やハチミツ、根菜などから抽出した糖質。
●ショ糖(スクロース):ブドウ糖と果糖が結合したもの。
●麦芽糖(マルトース):ブドウ糖が2つ結合したもの。
●乳糖(ラクトース):多くは哺乳類の乳汁に含まれている糖質。
●オリゴ糖:大豆やビートなどから天然成分を抽出・分離したもの。
ブドウ糖は、パンやごはん、イモ類など主食類の炭水化物や、砂糖(ショ糖)から摂っている糖質で、体のエネルギーを生み出す大切な役目を持っています。血液中に流れ込んだブドウ糖は、すい臓から出るホルモン、インスリンによって細胞内のミトコンドリアに送られ、酸素と結びついてエネルギーとして燃やされることで身体は活動することができるのです。身体の中での糖のやり取りにブドウ糖が使われているのは、糖質の中でブドウ糖がもっともAGEを作りにくいからとも言われています。
果糖(フルクトース)は、果物やハチミツ、根菜類から抽出した糖です。果糖だけを使った飲料や食品などを摂ると、ブドウ糖のように消化酵素で分解されることなく、胃腸から吸収されてしまいます。ブドウ糖のようにインスリンの手を借りることもありません。体温にすぐ反応するため、ブドウ糖の10倍以上の速さでタンパク質と結びつき、多くのAGEを生成してしまいます。果糖は、摂り方によっては一番怖い糖といえます。
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いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 村雨カレン
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