2019年9月18日水曜日

アルツハイマー病

9.21は『世界アルツハイマーデー』 

1994年9月21日、スコットランドのエジンバラで「第10回国際アルツハイマー病協会(ADI)国際会議」が開催されました。会議の初日であるこの日を「世界アルツハイマーデー」と宣言し、アルツハイマー病等に関する認識を高め、世界の患者と家族に援助と希望をもたらす事を目的としています。今年は第26回目に当たります。また9月を「世界アルツハイマー月間」として世界各国で啓発活動を行っています。

 アルツハイマー病患者は、2017年時点では世界全体で約3,500万人いるとみられますが、10年後には患者数は37%以上増加すると予想されています。2017年時点で患者数が最も多いのはアジアの低所得国で、世界全体の48%を占めています。
 今後10年間の患者増加率は高所得国では29%なのに対し、低所得国では43%もの増加が見込まれます。二者間の有病率をみると、高所得国では人口1,000人あたり4.8人、低所得国では13.6人と大きな差があります。

 Decision Resources Group(DRG)が「Epidemiology Alzheimer's Disease」内で網羅している国の中で、2017年時点の罹患率が最も高いのは日本で、反対に最も低いのはナイジェリアだと分析しています。日本の罹患率は、ナイジェリアの31倍にものぼります。主要7ヶ国(米国、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、イギリス、日本)のみに絞ると、2017年時点で1,030万人の患者がいるとみられ、世界全体の29%を占めています。

 認知症を原因とする死亡比率も世界的に増えています。厚労省発表の「平成29年人口動態統計(確定数)」を基に日本人の死亡原因を見ると、がんの第1位は変わりませんが、女性の9位に「血管性等の認知症」10位に「アルツハイマー病」が入っています。いずれも、老化にともなってかかりやすくなる病気なので、男性に比べて長生きをしている人が多いことが推測されます。

■アルツハイマー病の原因と予防

アルツハイマー病の原因はまだ完全な解明には至りませんが、脳の中で長期間かけて生じる、複雑な一連の事象によって発症することが次第に明らかになってきました。遺伝環境および生活習慣などの複数の因子が絡み合っているようです。遺伝子構成や生活習慣は人によって様々なため、それぞれの因子が、アルツハイマー病の発症の危険性を上昇させたり低下させたりする上でどの程度重要な役割を果たすかは、人によって異なります。

●加齢と脳の変化:

アルツハイマー病の大きな謎の一つは、なぜこの病気は主として高齢者に発症するのかという点。この疑問は、脳が通常、加齢と共にどう変化するかという研究によって解明されつつあります。例えば、加齢に伴う脳の変化がどのようにニューロンに害を及ぼし、アルツハイマー病による障害の原因となるか、などの研究が行われています。

●遺伝因子:

アルツハイマー病についての研究が進むほど、研究者は、遺伝子がこの病気の発症に重要な役割を果たしているという認識を深めています。
 30~60歳で発症する若年性アルツハイマー病は、この病気の稀な型です、アルツハイマー病全体の5%未満です。若年性のほとんどの症例は家族性であり、親から受け継がれた既知の3つの遺伝子のうちのいずれかの変化によって引き起こされます。 
 アルツハイマー病患者の大半は、通常60歳以降に発症する、いわば老年性のアルツハイマー病です。アポリポ蛋白E(APOE)遺伝子と老年性アルツハイマー病との関連について多くの研究が行われています。この遺伝子にはいくつかの型があります。そのうちの一つであるAPOE ε4はアルツハイマー病発症リスクを上昇させると考えられています。しかしAPOE ε4型の保有が、必ずしもアルツハイマー病の発症を意味するものではなく、またAPOE ε4を保有しない人でもアルツハイマー病を発症する可能性があります。
 多くの専門家は、その他の遺伝子も老年性アルツハイマー病の発症に影響すると考えています。世界中でこうした遺伝子を調査しており、APOE ε4の他に、老年性アルツハイマー病のリスクを上昇させる可能性がある多くの一般的な遺伝子が特定されてきました。

●環境因子/生活習慣因子:

研究では、基礎的な遺伝因子以外にも、多くの因子がアルツハイマー病の発症と進行に影響している可能性も示唆されています。たとえば認知機能低下と、血管および代謝に関する症状(心疾患、脳卒中、高血圧、糖尿病および肥満など)との関連性には、大きな関心が寄せられています。このような関連性を解明し、臨床試験で検証することにより、これらの疾患の危険因子の低減が、同じようにアルツハイマー病の解決にもつながるのかどうかが、明らかになっていくでしょう。

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 康復医学学会の森昌夫理事長による長年の霊芝研究は、認知機能障害改善用組成物として特許の取得につながりました(2018年8月)。アルツハイマー病の症状にも効果が表れています。


いつもありがとうございます。
愛・感謝 村雨カレン

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