2019年9月4日水曜日

酵素と微小循環

体内の"消化酵素"を知ろう!

私たちにとって大切な三大栄養素(炭水化物・たんぱく質・脂質)は、口から胃や小腸にいたるまで、それぞれの場所で異なる消化活動によって分解・消化されていきます。24種類ある消化酵素のうち、代表的な三大栄養素の消化役は、炭水化物のアミラーゼたんぱく質のプロテアーゼ脂質のリパーゼです。これら3つはそれぞれ総称で、体内で働く消化酵素軍はこのほかにもたくさんあります(右表)。

 口に入れた食物は、よく噛むことで唾液によって分泌されるアミラーゼの一種プチアリン(唾液アミラーゼ)という消化酵素を用いて、その食物に含まれている炭水化物を消化。胃では胃酸とペプシンという酵素でたんぱく質を消化。そして、小腸では膵臓から分泌されるたんぱく質分解酵素のトリプシンやキモトリプシン、炭水化物分解酵素のアミラーゼ、脂肪分解酵素のリパーゼなどの消化酵素により、ほとんどの栄養素は分子レベルまで分解・変換され、小腸の微細な穴(栄養吸収細胞)から体内に吸収されていきます。概ね消化された食物は、大腸へ移動、ここで水分や電解質の吸収がされた後、排泄されることになります。これが消化の流れです。

 要するに、どれほど栄養のあるものを食べても、糖質は単糖類に、たんぱく質はジペプチドやアミノ酸に、脂肪はグリセリンと脂肪酸に分解されなければ、体内に吸収されることはなく、栄養にはならないのです。

消化酵素の持つ消化力の一例を紹介します。小腸に分泌される膵液のトリプシンなどは1時間で300gのたんぱく質を消化、膵液や腸液からのリパーゼは1時間で175gの資質を消化、膵アミラーゼや腸液のスクラーゼやマルターゼは1日に300gの炭水化物を消化します。
 栄養補給には三大栄養素を中心に、体内で合成されない9種のアミノ酸、13種類のビタミン、19種類のミネラルが必要とされます。毎日の食生活でこれらの栄養素を取り入れていくことが大事なのです。
(出典:「酵素の謎」鶴見隆史著/祥伝社)

■酵素と微小循環

酵素を多く含む食品を摂ると血液がサラサラになり、微小循環(毛細血管の血流)の働きが改善されます。これは、健康を維持する上でとても大きな意味を持ちます。

 心・血管系の中を循環する血液は、生命の維持に極めて重要な液体です。その主な役割は、酸素や栄養素の「運搬」、pH、ホルモン、体温などを一定に保つ「緩衝」、そして病原体や異物などから体を守る「防衛」です。

 心臓から送り出された血液は、総延長10万km(地球2周半)に及ぶ血管の中を流れていきます。その膨大な距離を流れながら、細胞に酸素を供給し、アミノ酸、ブドウ糖、脂肪酸、ビタミン、ミネラル、酵素などの栄養物を送り届けていきます。
 戻る時には、二酸化炭素や体内の老廃物を持ち帰ります。この大事な役目を担っているのが血管の93%を占める毛細血管なのです。この毛細血管を含めた微小循環という組織こそが、細胞の代謝を支えているのです。

ところが、血漿内が高たんぱく状態になったり、また酸化油脂などの悪い油や糖化たんぱくが増えたりすると、もともとはバラバラの赤血球の間にそれらの物質が入り込み、糊の役目をしてコインのようにつなげてしまいます。これをルロー(連銭形成)と言いますが、赤血球は2個つながっただけでも極細血管には入れません。また、赤血球に腐敗菌が付着し球状になる(アキャンソサイト)と、血液がドロドロになってしまします。微小循環が悪化し、酸素も栄養素も届かなくなった組織は飢餓状態になります。
 この微小循環不良は、病気を引き起こす原因の最終段階です。特に目、腎臓、脳、子宮、卵巣など血液循環が重要な臓器は、より大きなダメージを受けます。卵巣嚢腫や子宮筋腫、腎臓病、眼疾患、下肢静脈瘤、脳梗塞などは、この微小循環不良から起こります。痔や手足の冷え症などもそうです。これらの病気はその典型ですが、ほとんどの病気がこの微小循環不良から起こるといっても過言ではありません。
 がんもその一つです。組織が飢餓状態や酸素不足になると出現する活性酸素。その活性酸素が細胞核の中のDNAを傷つけ、破壊されて突然変異を起こします。そして、細胞のがん化へと発展するのです。
「がんは、まず酸素のないところに生じる」と、呼吸酵素(チトクローム)の発見でノーベル生理学・医学賞を受賞したドイツのワールブルグ博士も言っています。
 この赤血球のルローをほどく力は、酵素にしかありません。この仕事をするのは代謝酵素ですが、食物酵素も体内で吸収され、血中でルローをほどくことがわかっています。

 食事で微小循環を良くする唯一の方法は、酵素を含んだ食事を摂ることです。酵素を含んだ食事とは「生」のものと「発酵物」です。


いつもありがとうございます。
愛・感謝 村雨カレン

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