2018年3月28日水曜日

人獣共通感染症

猫とキスをするのは危険?

2016年に野良猫にえさやりをしていた60歳代の女性が呼吸困難の症状を呈して死亡するという出来事がありました。この女性は野良猫にえさやりを行なっており、猫からコリネバクテリウム・ウルセランスが感染したと考えられています。 この菌はジフテリア菌の仲間で、よく似た症状を起こすことがあります。古くから牛などの家畜が持っていると言われてきましたが、近年では犬や猫からも検出された報告があり、人への感染源になっている可能性があると言われています。
 猫も犬と同様に社会性の高い動物です。友好関係にあるお互いの存在を確認することで安心感を得ます。群や親子の絆の形成に親愛の情を示すコミュニケーションは必須です。母猫からの仔猫への、舐めたり、毛づくろいをしたりなどのグルーミングは大人になっても残る行動です。また、猫の口周りや顎、耳の付け根にはアポクリン腺という汗の1種を分泌する部分があります。この部分の匂いを嗅いだり舐めたりすることで縄張りをアピールしたり、仲間同士の挨拶をするのです。飼い主を仲間と思ってキスをしてくるのでしょう。
 人の感染症はおよそ1500あると言われています。しかしその半分以上が本来人以外の動物を宿主としている病原体と言われています。このように、本来は人以外の動物にいるはずの病原体が人に感染して病気を起こす感染症のことを「ズーノーシス(zoonosis)」と呼び、日本語では「人獣共通感染症」あるいは人畜共通感染症」と呼びます。先ほど話題にしたコリネバクテリウム・ウルセランスも人獣共通感染症の一つです。
 猫のキスで感染する可能性のある感染症として、代表的なものは、パスツレラ症、トキソプラズマ、コリネバクテリウム・ウルセランス症、猫のクラミジア性結膜炎などです。
 猫から猫へ感染するときにくしゃみや接触などで感染するため、猫から人へも同じように感染する可能性があると考えられています。猫から人に感染したという国内での報告はまだありませんが、アメリカやイギリスで数例の報告があります。猫にくしゃみや鼻水がみられる時は、動物病院に連れて行って治療を受けさせましょう。
 猫から人に感染する病原体はさまざまなものがありますが、排泄物を片付けたり触ったりした後には必ず手洗いをするなど、衛生的な状態を保つようにすれば予防できるものが多いです。病気への正しい知識を得ることで適切な予防策をとって、猫と楽しい生活を送りましょう。                           
(出典:https://mainichi.jp/) 

■ペットから感染する人獣共通感染症

 ペットを室内で飼うことが多くなって互いに接触する機会が増えたこと、住宅の気密性が高くなって病原菌が繁殖しやすくなったこと、ペットを家族のように扱い濃厚な接触をする人が増えたことも原因と考えられています。
■パスツレラ症 
 犬や猫が噛む、ひっ掻く、舐めることで感染。犬の75%猫の100%近くが口内に病原体を持っているため、飼い主が最も注意しなければいけない病気。傷の周りが赤く腫れて激しく痛む。鼻や口から感染し、せきなど風邪に似た症状が出て、副鼻腔炎気管支炎になることもある。重症になると肺炎髄膜炎を起こし死亡した例も。

■ネコひっかき病
 猫や犬が噛む、ひっ掻く、舐めることで感染。ひっかかれた部分の皮膚が赤く腫れ、その近くのリンパ節が腫れて痛む。微熱、倦怠感などが現れる。通常は2~3週間で治るが、重症になると脳症をひき起こすことも。ノミが原因となることが多い。

■カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症
 犬や猫に咬まれたりひっ掻かれたりすることで感染・発症。免疫機能の低下した人において重症化する傾向のある感染症。主な症状は、発熱、倦怠感、腹痛、吐き気、頭痛などで、重症例では、敗血症髄膜炎を起こし、播種性血管内凝固症候群(DIC)や敗血性ショック、多臓器不全に進行して死に至ることも。

■イヌ・ネコ回虫症 
 犬や猫のフンに含まれる虫卵が口に入ることで感染。「公園の砂場が危ない」と話題になった感染症。人の体内に入った回虫が体内を移動して内臓や目に入ることで様々な障害をひき起こす。子どもに多くみられ、内臓に入ると発熱、ぜんそく、肺炎など、目に入ると視力障害視野障害が起こる。

■トキソプラズマ症 
 ネコのフンから感染。加熱が不十分な豚肉から感染することも。抗体を持たない妊婦が初めて感染すると、まれに胎児に影響する。胎児が感染した場合、死産や流産を招いたり、神経・運動障害をひき起こすことも。

■皮膚糸状菌症(真菌症)
 白癬などともいい、皮膚病(糸状菌症)にかかっている犬や猫、ハムスターなどと接触することで感染し、発疹、かゆみ、化膿などを起こす。通常は抗真菌薬を塗れば治る。ペットの治療によって感染源をなくすことが重要。

■レプトスピラ症
 犬の腎臓で増殖する菌が、尿が排出されるときに一緒に出てくる。人が発症すると、悪寒、発熱、倦怠感、結膜炎などの症状が出る。重症になると、尿たんぱくが出て、出血と黄疸症状が出る。適切な治療を行わないと致死率は20~30%になる。

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 康復医学学会では、人獣共通感染症の予防に対して「ホタテ貝殻焼成カルシウム」の水溶液による手洗いやスプレーをおすすめしています。塩素系の消毒剤と比べ、持続性があり、天然素材の原料なのでペットや赤ちゃんにも安心・安全。そのうえ消臭効果も期待できます。
 触れあった後は手洗いなどを確実に!


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 村雨カレン

2018年3月20日火曜日

慢性疲労症候群

日常生活も困難な "慢性疲労症候群"

ある日突然、座っているのさえつらいほどの疲れに襲われる。微熱や頭痛が続き、朝起きることもできなくなってしまう。これらの症状が伴い、20~40歳代の女性を襲うことが多いのが慢性疲労症候群(CFS)です。

 風邪と思って病院に行くのですが、微熱や喉の痛みは治まりません。検査をしても疲労や筋肉痛の原因が見つかりません。疲れているのに眠れず、次第に朝起きることができなくなり、会社を休んでしまう――。CFSによく見られるケースです。
「職場に迷惑をかけるからと休職するのだが、復職しても欠勤を繰り返し、退職せざるを得ないということもある」(大阪市大医学部附属病院疲労クリニカルセンター山口医師)

 CFSは「筋痛症性脳脊髄炎」とも呼ばれ、生活が著しく損なわれるほどの強い全身倦怠感、微熱、リンパ節腫脹、頭痛、筋力低下、睡眠障害、思考力・集中力低下などが休養しても回復せず、少なくとも6か月以上の長期にわたって症状が続き、重症例では生活全般において介護が必要な状態となり得る疾患です。重症患者は医療機関への通院も困難となると言われています。
 1984年に米国で集団発生のあったCFSは、日本では現在約40万人の患者がいると報告されていますが、明確には把握されていません。はっきりとした原因は分かっていませんが、インフルエンザやヘルペスなどのウイルス感染精神的・肉体的なストレスなどにより、神経内分泌・免疫系の機能不全を来すことが関係しているのではないかといわれています。

 診断ではまず、疲労の原因と考えられる病気がないことを確認します。その上で、疲労感など診断基準となる主な症状があるか、6カ月以上続いているかを調べます。
 根治的な治療法はなく、活性酸素を減らすビタミンCや漢方薬を処方し、睡眠導入剤や痛み止めなどによる対症療法を併用します。また、起床時に横になったままストレッチをする、ラジオ体操をするなど、続けることができる軽い有酸素運動も指導するそうです。

「CFSの患者は、ウイルスなどから体を守る免疫力の鍵となるNK細胞(ナチュラルキラー細胞)の活性数値が下がっているので、感染症には弱い。風邪やインフルエンザの予防に手洗いやうがいも大切だ」(山口医師)

 該当する症状に悩む人は、一般内科を受診して疲労の原因となる他の病気が隠れていないか確認した上でCFSの対策を実践するのが望ましいとのことです。
(出典:http://kenko100.jp/) 


■慢性疲労症候群

脳の機能低下が原因

肉体的な疲労で手や足、腰がだるいとしても、手足、腰の筋肉で疲労を感じているのではなく、筋肉の抹消から脳に信号が伝わり、脳で「疲れた」という感覚が生じているのです。その結果として、意欲や行動が低下すると考えられています。
 
 抹消組織から送られてきた信号を感知し脳内で疲労感を伝える物質の働きが「疲労の本質」といわれています。
 その過程は、免疫系や内分泌系もからんでいて、脳にこれらの働きを制御する、右図のような「疲労回路」があるのです。疲労感が長く続く慢性疲労症候群の患者は、脳内の神経伝達物質の合成・分泌障害などが確認されていて、脳の疲労回路機能が低下していると考えられます。

原因はセロトニン神経の低下

慢性疲労症候群患者の脳全体を調べたところ、右図の白点線部分のみでセロトニン輸送体の量が減少していました。これは、セロトニン終末(神経線維の末端)の数の減少を表していると解釈されます。
 同時にセロトニンの分泌量が減少していて、この部分でセロトニン神経が低下していると考えられています。

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 慢性疲労症候群のような、日常生活に支障をきたすほどの疲労に対しては、康復医学学会の研究テーマのひとつ「コエンザイムQ10(Co-Q10)」に期待がもてます。Co-Q10は抗酸化やエネルギー産生に関わるメカニズムが解明されています。
 また、同学会の主要研究素材「ラフマ」には、セロトニンの分泌促進に関するデータがあります。セロトニンは、睡眠ホルモンのメラトニンの原料でもあるため、慢性疲労症候群の症状のひとつである「睡眠障害の改善」にも期待できます。


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光・愛・感謝 村雨カレン

2018年3月7日水曜日

「無添加」の実情

心ひかれる“化学調味料不使用”

 スーパーで、パッケージに大きく「化学調味料不使用」と書かれた人気の「だしパック」を見つけた若いお母さん。値段は張りましたが家族の健康のことを考えて購入しました。でも。家に帰ってラベルを見ると、「酵母エキス」「粉末醤油」などという文字が‥‥。以前読んだ本に「家庭の台所にないものは添加物と思え」と書かれていたことを覚えていた奥さんは不安になりました。
 では、化学調味料、酵母エキス、粉末醤油とはいったいどんなものなのでしょう?

■化学調味料

:本来天然素材の食物の中に存在するグルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸などのうま味成分を人工的に製造し、ナトリウム(Na)と反応させてうま味を強めたものが「うま味調味料」と呼ばれるものです。アミノ酸系の「グルタミン酸Na」、核酸系の「イノシン酸Na」「グアニル酸Na」、この核酸系の2つを混合した「リボヌクレオチドNa」などがあります。これらはかつて「化学調味料」と呼ばれていましたが、消費者に人工的物質の悪いイメージを与えるので、業界では「うま味調味料」と呼ぶようになりました。

■酵母エキス

:酵母エキスの原料は、うま味を取るためだけに培養されたトルラ酵母や、ビール酵母。これらから抽出したエキスにはグルタミン酸や核酸の強いうま味が含まれます。だしパックに混ぜれば、だし素材の焼きあごやかつお節、昆布の使用量が少なくできます。

■粉末醤油

:粉末醤油は、油を搾ったあとの脱脂加工大豆(たん白質)を塩酸で分解して作った強いうま味を持つアミノ酸液(「たん白加水分解物」と呼ばれます)に、加工でんぷんを加えて粉末にしたものです。たん白加水分解物を使っているのは世界でも日本だけクロロプロパノール(発がん物質)が問題になっていますが、日本には規制が無いので、普通に使われています‥‥。

 うま味調味料は呼び方が変わっても添加物として扱われますが、酵母エキスたん白加水分解物(粉末醤油)は「食品」扱い。だから、だしパックにこの二つを使用していても「化学調味料不使用」と名乗れるわけです。



「〇〇無添加」「〇〇不使用」
という言葉。何となく、ですが、心ひかれませんか?
 あご(トビウオ)とか、かつお節をそのまま使えば、酵母エキスやたん白加水分解物などは必要ないと思うのですが、消費者の「安い・簡単・便利・きれい・オイシイ」の要望を満たすため、ありがたいことに商品メーカーは、様々な技術を駆使して作られた大量の化学調味料や化学加工物質の添加物を使って私たちに提供してくれているのです。

(出典:「素朴な疑問」(安部司著/不知火書房) 

■“調味料(アミノ酸等)”驚くべきその製法

「調味料(アミノ酸等)」というのは一括表示名です。様々な添加物である調味料の集合体(何種類使っているかは不明)ですが、主体はグルタミン酸ナトリウム(MSG)です。近年、メーカー側は「化学調味料」ではなく「うまみ調味料」というようになりました。うま味調味料は、かつては化学合成でも作られていましたが、今は以下のように作られています。

サトウキビからうまみ調味料!?

サトウキビから砂糖を取るとき、結晶化しない糖分が出ます。これを「糖蜜」と言いますが、結晶化を繰り返していくと、最終的にはこれ以上砂糖が取れないという「廃糖蜜」というものもできます。
 ある食品メーカーがバクテリアの遺伝子を組み換えることによって、これらの「糖蜜」からグルタミン酸を吐き出す「菌」(Glu-No.3株など)を作り上げました。
 この「菌」が作り出すグルタミン酸を精製して、炭酸ソーダで酸・アルカリの中和反応によって「グルタミン酸ナトリウム(ソーダ)」という化学物質に作り上げるのです。
「グルタミン酸」というのは天然に存在する物質で、白い結晶はほのかな酸味とうまみがありますが、味が薄過ぎて食品工業には使えません。しかし、「グルタミン酸ナトリウム」は完全な化学合成物質。グルタミン酸に比べて非常に強いうまみを出す物質です。しかも塩分が一緒にあると、より強いうまみを感じるようになります。
 この作り方をメーカーでは「サトウキビからうまみ調味料」と言い、特定の遺伝子組み換え菌による製法を「みそやしょうゆと同じ発酵製法」と言っているのです。

遺伝子組み換えによる調味料の問題点

このうま味調味料で問題になったことがあります。遺伝子組み換えによる添加物はいろいろ輸入されているのですが、その1つ、かつお、しいたけのうま味といわれる核酸系うま味調味料(リボヌクレオチドナトリウム)が、食品衛生法で定める「安全性基準」の審査を受けずに輸入、販売されていました(2011年12月)。
 遺伝子組み換えによる食品添加物の輸入は自己申告制であることから、申告がないと安全審査の対象にならず、無審査で大量輸入の恐れがあります。

 また、グルタミン酸ナトリウムについては遺伝子組み換え技術によって生産されても、最終物質がアミノ酸の純品であるから「健康影響の評価」は受けなくてもよく、「遺伝子組み換え」の表示は不要となっています。

 日本では当たり前のこの調味料ですが、海外では制限・禁止されています。アメリカでも、ベビー食品には使用禁止で、他の食品でも「NO MSG」の表示がないと売れません。日本でおなじみのカップ麺もアメリカでは「NO MSG」で製造、販売されています。       
(参考:厚生労働省医薬食品局食品安全部資料)


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光・愛・感謝 村雨カレン

2018年2月28日水曜日

睡眠薬

睡眠薬リスク 高齢者の転倒も

ベンゾジアゼピン系薬
都内の80代女性は、20年ほど前に寝付きにくくなり、睡眠薬を使い始めました。その後ベンゾジアゼピン(BZ)系薬を含め睡眠薬を2剤にまで増やしましたが、夜中に起きてトイレに行くたび転倒するようになりました。同居の娘さんから相談を受けたクリニックの主治医は「睡眠薬が影響しているのではないか」と考え、女性に減薬を勧めました。女性は医師の指導のもと、徐々に薬を減らしていきましたが、副作用も表れず食事や睡眠も取れていました。現在は夜眠れずつらい時だけ、BZ系薬でない睡眠薬を半錠使っています。心配されたトイレでの転倒もあまりしなくなったそうです。

BZ系薬の長期使用について、患者はメリットばかりでなく副作用などにも目を向けて考える必要があります。例えば、05年に英国医師会誌に掲載された論文によると、服用しても睡眠時間が平均25分しか延びず、夜起きる回数も減らず、転倒などの副作用が6人に1人の割合で起きているといいます。入院や死につながる交通事故、転倒、大腿骨頸部の骨折の発生率が、BZ系薬を使う患者では2倍という研究報告もあります。
 このため、米国の老年医学会では、高齢者の不眠や興奮、せん妄に対し、BZ系薬などは最初に選ぶべきではないと提言。その上で「高齢者や医療従事者らはこうした危険の可能性を知っておくべきだ」と訴えます。
 しかし、医療経済研究機構のチームが日本医療データセンターのレセプト(診療報酬明細書)などで分析すると、BZ系薬を使う65歳以上の高齢者は国内に約2割いて「ここ10年、利用者の割合に変化がない」そうです。BZ系薬の使用が減らない理由としては、①患者が強く求める ②医師が副作用を重篤と考えていない ③減薬や休薬を促す薬物療法以外の治療へのインセンティブがない――など様々です。

 海外では、BZ系薬の抑制策を取る国が多く、オランダでは催眠鎮静作用のためのBZ系薬処方を保険対象から外し、処方割合が睡眠障害では67%から59%に減少。フランスでは14年からBZ系薬の医療保険の償環率を65%から15%に抑えました。日本では、薬の承認審査を行う医薬品医療機器総合機構が17年にBZ系薬の長期使用による依存を防ぐため薬を適正に使うよう医師らに注意喚起しましたが、奥村氏は「効果は疑問。長期使用を抑制できるよう国が規制すべき」と指摘しています。

 一方、医療現場でBZ系薬を減らす動きもあります。東京女子医大では、患者らにBZ系薬に関するパンフレットを配布。医師らに講習会で広報したところ、処方された患者が約2割も減りました。薬剤師長は「長期使用を抑制する効果があり、大きなトラブルもない。医療関係者と患者がBZ系薬について理解を深めることが重要だ」と話しています。
(出典:https://mainichi.jp/) 

■睡眠薬(睡眠導入剤)

睡眠薬は現在5種類が処方されていますが、作用メカニズムの違いから2つに分類することができます。

①脳の機能を低下させて睡眠に導く薬
⇒ ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系、バルビツール酸系
②自然な眠気を強めて睡眠に導く薬
⇒ メラトニン受容体作動薬、オレキシン受容体拮抗薬

 このうち、現在は主に①の脳の機能を低下させる睡眠薬が使われています。大脳辺縁系や脳幹網様体と呼ばれる部分の神経活動を抑えることで、催眠作用をもたらす薬です。
 それに対して近年は、自然な眠気を強くする睡眠薬が発売されています。私たちの睡眠・覚醒の周期に関係する生理的な物質の働きを調整し、睡眠状態に仕向けていく薬です。
 前者の薬の効き方は、「疲れきって寝てしまった」時のような形です。脳の機能を強制的に低下させるので、強引さのある効き方をします。それに対して後者は、本来の眠気を強める形になります。したがって、効果が人によっても異なります。

アルコールとの併用で「健忘症」「呼吸困難」の危機

アルコールと一緒に飲むことで、睡眠薬の薬理効果は数倍になるので注意が必要です。特にベンゾジアゼピン系睡眠薬は、主に大脳辺縁系を中心とする情動中枢に分布するベンゾジアゼピン受容体に結合して作用し、アルコールと同様、脳の活動を抑えます。つまり、アルコールとの併用は脳の活動が抑えられ過ぎてしまうのです。両者は似た薬理効果があるため、アルコール依存症の患者が睡眠薬に依存することも少なくありません。さらには「前向性健忘」といって、一時的な物忘れが起きることがあります。また、アルコールと一緒に摂取すると呼吸が抑制され、命にかかわる事態になりかねません。酷いケースになると、アルコールと睡眠薬の併用で幻覚や妄想が起きることすらあるのです。
 ベンゾジアゼピン系睡眠薬や抗不安薬を服用し始めたら、お酒は止めるべきです。

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睡眠薬に走る前に‥‥

現代の日本人の4人に1人が何らかの睡眠障害から睡眠不足に悩んでいます。大きな原因として自律神経のバランスが崩れて眠れない体質を作ってしまっていることがあります。

ラフマ
康復医学学会がお薦めするのは「ラフマ葉エキス」のサプリメントです。ラフマから抽出される特異成分のヒペロシド、イソクエルシトリンにはその生理作用として、鎮静、抗ストレス、睡眠改善、血圧安定などの効果があると言われています。同様の抗ストレスハーブである「セントジョーンズワート」などと比べ、ラフマには"薬物への相互作用が見られない"のが特長で、安全性も高く使いやすいため、近年研究者の間で大いに注目されています。


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光・愛・感謝 村雨カレン

2018年2月21日水曜日

ケイシー療法と康復療法

再び注目を集める"ケイシー療法"

エドガー・ケイシー(1877~1945)は、催眠状態で人々からの相談や質問に答え、病気の診断や人生のアドバイスなどを行った人物として知られています。これは「リーディング」と呼ばれ、相談内容の多くは速記により記載されました。彼は46才から晩年までの間に、記録されているものだけで約14,000件のリーディングを行っています。そのうち、約9,000件で語られていたのが癒しとホリスティックな視点による身体の原理についてです。
 ケイシーは、人は肉体だけではなく、肉体の三位一体で人となり、この3つが調和することで、はじめて完全なる健康体になれると述べています。
 リーディングでは、病気の対処方法だけではなく、生き方、考え方、心の持ち方など、トータルにその人自身にアプローチしていきました。そのため、時には「貴方は何のために健康になりたいのか」ということを患者に考えるよう、促したこともあります。 病気になる前の不摂生な生活に戻るために健康になりたいのであれば、今のままでいるほうが良い、とさえ述べたことがあるそうです。

エドガー・ケイシー療法の基本は「C・A・R・E」

彼が唱える「ケイシー療法」の原理は、その頭文字をとって「CARE」と呼ばれます(図)
 ケイシーは、この4つの原理の中でも特に4番目の「排泄」を非常に重視し、体内に毒素(老廃物)が蓄積されることを病気の最大の原因と見なしています。
 体内に蓄積された毒素(老廃物)を排泄する方法として、ケイシーは食事による方法の他に、ひまし油温熱パック、リンゴダイエット、コロニクス(洗腸)などを勧めています。
 血行やリンパ液の循環を円滑にするものとして、ケイシーは各種のオイルマッサージ、サウナ(首出し)やスチームバスなどを勧めています。
 また健康を維持するには食事も重要な要素です。ケイシーは、毎日の食事をアルカリ性食品80%、酸性食品20%で構成し、水を1日7~8杯飲むようにとアドバイスしています。
(出典:https://edgarcayce.jp/)

■ケイシー療法は正に康復療法

康復医学の目的は、損傷したり衰えたりした身体機能を回復させ、患者の健康を質の高いレベルに到達させることにあります。従来のリハビリに加えて、居住地域の気候や特性(食習慣など)を踏まえた総合的な康復処置により、患者のQOL(生活の質)を改善し、実利的な健康回復と社会復帰を手助けする療法、それが康復療法です。

康復医学が重視する「健康の三本柱」

康復医学では、傷病治療後の社会復帰や日常生活の質の向上など、人間の身体を本来あるべき状態に回復させるためのポイントを、「血流 」「睡眠」「体力」の三本柱とし、重要視しています。そしてその内容は、ケイシー療法の基本原則と極めて類似しています。

1.血流改善:

当学会の会員の皆様はすでに「瘀血」(おけつ)という言葉をご存知のことと思います。東洋医学では大変重要な言葉です。血液の粘り気が強くなり、流れにくくなっているために起きる症状のことです。そもそも東洋医学において、病気は血液の流れに問題が生じたときに起き、病気の部位は必ず血流が滞っていると考えます。「駆瘀血」(=血流改善=微小循環の改善)は、康復医学においても最重要療法です。血流が滞れば、交換血管である微小循環血管に血液が届かず、全身の細胞にうまく酸素や栄養素を運ぶことができませんし、体内に生じた老廃物や二酸化炭素を回収して体の外に排出することもできません。
 康復療法の場合、主に生薬、特に「HM-3000(特系霊芝)」が血流改善に導きます。


2.睡眠改善:

睡眠には、心身の休息の他に大きな目的が存在します。一つは「代謝」です。人間の身体は眠っている間に、体のすべての臓器や骨格などを点検し、異常があれば修理・補修をしています。また、古い細胞や不要な細胞を捨て、新しい細胞に入れ替えます。これが新陳代謝です。寝ている時間は1日の生理リズムにおける「吸収と代謝」の時間です。
 さらに睡眠のもう一つの目的は、酸素を大量生産です。翌日の消化や代謝に備え、1日分の体内酸素をチャージしています。
 夜間なのに起きて活動すれば、体の修理も進まず、酸素も作れず、新陳代謝も滞ります。免疫機能の主役であるリンパ球も就寝中に作られるので、免疫力も低下します。
 康復療法では、質の良い睡眠と抗ストレス対策として「ラフマ葉エキス」を用いています。


3.体力保持(エネルギー産生):

全身の細胞は微小循環を通じて供給された酸素や栄養素を使って、細胞内の小器官「ミトコンドリア」でエネルギーを作り出しています。
 細胞のエネルギー産生に不可欠な要素が補酵素「コエンザイムQ10」。これがエネルギーの種であるATP産生を促します。心臓が一番多く必要とし、次いで肝臓、副腎、腎臓、精巣、卵巣、筋肉と続きます。加齢や偏った食生活で減少します。
 康復医学学会では、老化や傷病による体力低下の対応として、食生活の改善や適度な運動に加えて「還元型コエンザイムQ10」のサプリメントをおすすめしています。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 村雨カレン

2018年2月14日水曜日

生薬と微小循環

漢方薬や鍼灸等 "伝統医療" WHOが認定へ

漢方薬や鍼灸など日本や中国の伝統医療が、今春にも開催される世界保健機関(WHO)の総会で認定される方針であることが、関係者への取材で分かりました。具体的には、国際的に統一した基準で定められた疾病分類である「国際疾病分類」(ICD)に、伝統的な東洋医学の章が追加されます。100年以上、西洋医学一辺倒だった世界の医療基準の転換点となるとともに、中国と異なり独自に発展してきた日本の伝統医療の再評価につながります。

 関係者によると、WHOが伝統医療に注目したのは、同機関で扱う医療の統計が西洋に偏り、伝統医学での治療に依存しているアジアなどでほとんど統計が取られていないとされる「情報格差」を埋めることが目的にあるといいます。

 国際疾病分類(ICD)は1900年(明治33年)に初めて国際会議で承認、日本でも同年に採用されました。約10年ごとに改訂され、現在は全22章から成りますが、日本や中国などに根差した「伝統医療」が新しい章として加わります。病名や患者の体質を示す「証(しょう)」が約300項目記載されるということです。

 ICDの作成にも携わった千葉大の並木隆雄診療教授(和漢診療学)は「WHOに公式に認められれば、日本の伝統医療の地位向上に役立つ。科学的な調査のもと、漢方の有効性も検討でき、成果は国民に大きく還元される」と話しています。

日本の漢方は古代中国に起源があるものの、西洋医学と融合し、中国とは運用方法や処方の作り方も異なるなど、独自の発展を遂げました。鍼灸も奈良時代に漢方とともに伝えられ、「日本の医療」として進化。特に中国はボールペンの芯ほどの太い鍼(はり)を使いますが、日本は髪の毛ほどの細い鍼を使うところに特徴があります。

 病気に対し狙いを絞って対処する西洋医学に対し、東洋医学では、病気は全身の体内バランスが崩れて起こるという考えを持ち、同じ症状でも患者の体質によって治療を変えます。日本では昭和51年に147種の漢方エキス製剤が医療保険に適用。漢方医学は平成13年から医学教育に、14年からは薬学教育にも導入されています。
(出典:http://www.sankeibiz.jp/) 

■生薬と微小循環、そして康復医学

 “生薬=漢方薬”ではありません。漢方薬は中国古典医学の理論に基づき、数種の生薬を調合する日本の複合薬です。生薬はCrude Drug(多種の成分を含む薬)であり、「多様性」があることをその特徴としています。人体の健康を単一成分で対応することは不可能です。まさに「多様性」を持って初めて対応可能となるのです。
 中国・明の医師、李時珍(1518~1593)は古典薬学書『本草綱目』において生薬を上薬、中薬、下薬の3段階に分けています。日本では、霊芝をはじめとする上薬(副作用がなく調整作用を持つアダプトゲン)は、薬として認可されていません。上薬は、本質的には基礎代謝の改善を主目的とするものです。

 伝統医学は予防医学、治療医学、康復医学に分けられ、中国においては「康復医学」は医学として大系づけられた“康復法”を持ち、それは地域性を有し、その内容は実用的な実践医学です。病院には必ず「康復科」が存在し、治療には現代医療、投薬の他、鍼灸、整体、気功も含まれます。また、栄養学ではなく医学としての「食療学」があります。病に対する目的は“健康回復”であり、まさに「康復医学」なのです。

 病の原因を抑えても、基礎的代謝や微小循環系の血流改善を前提としなければ、健康は回復しません。例えば糖尿病。血糖値だけにこだわるのであれば現代医学にはインスリンという特効薬があります。しかし、インスリンでは病は解決しません。後退性疾患の特徴として、時間がたつほど悪化するのです。

 予防、治療、康復の各医学は一連のものであり、このうちひとつを取り上げ「病に対応している」と考えることは傲慢です。まさに第3の医学として康復医学はあり、その中心をなすのが「生薬」なのです。そして、改善すべきは「微小循環」です。微小循環の主目的は生体内部環境の維持、すなわち全身の各組織細胞に対する「生活物質(酸素・栄養素)の供給」と「代謝産物(老廃物)の除去」にあります。その意味で、微小循環こそまさに循環系で最も本質的な部分であり、心臓や太い血管は微小循環に適切な血液を供給するた(参考『新生理化学大系第16巻循環の生理学』)

 全身の細胞の生活条件は微小循環によって直接規定されるのです。治療にあたりまず重要なのは、分子細胞生物学(生理学)に基づく微小循環の血流改善なのです。
めの補助装置であるとも言えます

 末梢血管まで正常に血液を流さずに改善する病はありません。康復医学と微小循環学なくして、病の根本的改善と健康回復は語れないのです。

 古典医学を“免疫”で解説されることがよくあります。しかし、古典医学書に「免疫」の言葉はなく、ここでは「瘀血(おけつ)(=微小循環の滞り)の改善を治療の中心においています。これは、まさに古典医学が本質を捉えている証であると考えられるのです。
(康復医学学会 理事長 森 昌夫)


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光・愛・感謝 村雨カレン

2018年2月7日水曜日

動脈硬化

細菌由来の脂質が動脈硬化の原因に

 食事に含まれる脂質が動脈硬化の原因となることはよく知られていますが、人の口の中や腸に住む細菌が作り出す脂質も動脈硬化を助長している恐れがあると、米・コネチカット大学のレーザ・ネマティ氏らが「脂質研究ジャーナル」(Journal of Lipid Res)で報告しました。歯周病がある人で心臓病や脳卒中のリスクが増加するのもそのためかもしれません。
 この研究が進めば、歯周疾患と心疾患との関連が解明される可能性があります。

ネマティ氏らは、アテローム動脈硬化の患者から採取したアテローマ*を解析したところ、アテローマに含有される脂質が、哺乳類が作り出すものとは異なる特定の細菌が作り出すものであることを発見しました。この特定の細菌とはバクテロイデス門**の細菌で、同細菌は特異な脂肪酸を大量に生成することが知られています。

 近年、アテローム動脈硬化症の成因として、免疫細胞と炎症の重要性が注目されています。ネマティ氏らは今回、バクテロイデス門由来の脂質の解析結果を踏まえ、次のような仮説を提示しました。

 アテローム動脈硬化症の形成過程では、血管壁に沈着した脂質を免疫細胞が異物と見なして取り除こうとするため、血管壁で炎症が生じる。一方、バクテロイデス門細菌由来の脂質については、人体に由来する脂質と化学的に異なるため、免疫細胞が異物の侵入と誤認してしまい、血管壁では二重に炎症反応が引き起こされることになる。

 バクテロイデス門細菌は、通常口腔内や胃腸内に存在し、条件がそろえば歯肉炎などを引き起こしますが、同細菌自体が血管内に侵入することはありません。しかし、同細菌が生成する脂質は容易に細胞壁を通過し血流に入っていきます。

 ネマティ氏らは今後の検討課題として、細菌由来の脂質が蓄積している部位を正確に特定する必要性を挙げています。「アテローム内には同細菌由来の脂質が蓄積されているが、正常な動脈壁には蓄積していないことが確認できれば、同細菌由来の脂質はアテロームの形成と関連しているという確証が得られる」としています。
(出典:https://medical-tribune.co.jp/)

*「アテローマ」はアテローム性動脈硬化(一般的な動脈硬化)の患者の血管に沈着するプラーク。 粥腫(じゅくしゅ)とも呼ばれる。
**「門」は生物分類のカテゴリーの1つ。 界 > 門 > 綱 > 目 > 科 > 属 > 種

■動脈硬化と一酸化窒素(NO)

心臓疾患には、心臓の冠動脈の血管が徐々に狭窄する「狭心症」、詰まってしまう「心筋梗塞」などがあり、その原因の大半が動脈硬化です。

血管内皮細胞の損傷→動脈硬化

血管の内側にある血管内皮細胞は、高血圧、高血糖、コレステロール、喫煙、ストレスなど様々な原因により損傷します。下図のように損傷した部分からは血液中の悪玉コレステロールなどの有害物質が侵入し、血管壁を厚くし血管が狭くなり、その結果動脈硬化となってしまいます。


血管内皮機能を調整しているNO

血管内皮細胞から産生される一酸化窒素(NO)には、中膜の筋肉層に働きかけ血管を柔らかくし拡張させる血管拡張作用や、血小板凝集抑制作用、単球などの白血球が血管内皮細胞に接着したり内皮細胞下組織に浸潤したりするのを防ぐ作用などがあります。しかし、血管内皮細胞が損傷すると、NOは減少し血管内皮細胞の機能が低下し動脈硬化も進行します。

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『霊芝研究1
(上海医科大学出版社刊)
血管内皮細胞は、微小循環をはじめとする毛細血管を円滑に維持しています。NOの産生が低下すると血管が収縮し、炎症を起こしやすく、動脈硬化になりやすい血管になります。また、生活習慣などの影響で、過剰になった活性酸素による酸化ストレスによって動脈硬化も進行します。

 康復医学学会の主要研究生薬である「HM-3000(特系霊芝)」には、NOの産生促進に関するデータ、および抗酸化酵素GSH-Px(グルタチオンペルオキシダーゼ)の産生促進、活性化に関するデータがあります。
(右:中文、英文、和文による霊芝の日中共同研究研究書籍)


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