2011年7月15日金曜日

熱中症対策:熱疲労と血液循環

熱中症とサマータイム

11日の東北を最後に、たった20日間、史上2番目の短い梅雨が明けました。
その途端に猛暑が続いていますので、今年も熱中症には要注意です。

昨年の熱中症による死者は、統計を取り始めた1964年以降で最多になったそうです(厚生労働省まとめ)。年齢別にみると、65歳以上が8割を占め、他の年齢層を大きく上回っています。都道府県別では、東京都、大阪府、埼玉県の順でした。
ところが、先月6月に熱中症で病院に運ばれた人は、全国で昨年同月の約3倍に上ったことがわかりました(総務省消防庁の統計=速報値=)。今年は、昨年の記録を更新することは間違いなさそうです。今回の調査で、熱中症になった場所は、家の中が45・6%と最も多く、中には、朝、目が覚めたら熱中症になっていたという例もあるそうです。ある女性の場合、午前8時ごろ目が覚めたとたんに気分が悪く、体温は38度、夫の通報で救急搬送。結果、熱中症と診断され10日間入院しました。その夜は25度を超す熱帯夜で、女性は昼間エアコンを使っていましたが、寝るときに切ったそうです。エアコンで熱中症対策といきたいところですが、今年は“節電の夏”でもあるので、そうもいきません。


そして、今年導入する企業が増えているのが、時計の針を1時間程度進める「サマ―タイム」。このサマータイムについては、不眠症治療の専門医らでつくる日本睡眠学会が、「健康への悪影響が大きく、節電効果が乏しい」との理由で制度反対の提言を近くまとめるそうです。このように、節電で制度導入の動きがある中、健康面の悪影響省エネ効果の乏しさを指摘する論文が国内外で増えており、「弊害の大きさがより鮮明になっている」としています。
欧米などの70か国以上が実施しているサマータイムですが、同学会によると、欧米での調査では、サマータイムによって睡眠時間の短縮、睡眠の質の悪化がみられ、朝起きるのが苦手な夜型人間は4週間たっても生体リズムが同調しなかったという報告もあります。また、帰宅後の冷房使用が増えて節電につながらず、米国では消費電力が1~4%増えた例も伝えられています。

今年の夏は「節電~睡眠の質の悪化」という悪条件の中、温熱ストレスに耐えなければなりませんが、熱中症の症状のひとつに「熱疲労」があります。長時間、温熱ストレスを受け続けると、血液の循環が悪くなり、体温の調節が不調になります。このため、めまい、吐き気、疲労感・虚脱感など体の異常が表れることがあるのです。


■熱中症対策:熱疲労と血液循環

ご存知のように、血液は血管内を流れ全身を循環しています。「熱」は主に身体の深部の筋肉や内臓などで作られますが、その熱を身体内に運ぶ役割を担っているのもやはり血液です。
身体の深部の筋肉や内臓などを走る血管を通るときに血液は熱を吸収し、身体の表層部の皮膚を流れる血管(皮膚血管)を通るときに血液は熱を放出し、皮膚から熱は体外に放出されるのです。

血管拡張→血流量増加→体温を下げる
暑い環境の中で体温が高くなると、皮膚血管が拡張し血液が通りやすくなります。すると、皮膚血管を通る血液の量が増加しそれに伴い熱の体外放出量も多くなるため、体温が下がるのです。

脱水状態→血流低下→熱疲労
暑さや運動などのため大量に発汗するような場合には、体内から水分が失われ脱水状態となり、全身を循環する血液量(循環血流)も減少します。皮膚血管の拡張と循環血流量の減少により血圧は低下します。そして、めまい、頭痛、脱力感などの症状が表れて熱疲労(熱消耗)となるのです。さらに失神することもあります。これは「熱失神」と呼ばれ、悪化するとショック状態となって命に関わる場合もあるので注意が必要です。

血液循環の環境悪化が
     エネルギー産生の低下を招く

熱中症とまではいかなくとも、この時期は暑さのために血液循環が悪化している可能性があります。そして、血流の低下はエネルギー産生に必要な栄養素や酸素の供給量を減少させ、その結果、体力が低下して慢性的な疲労を抱えることになります。

体温の調節や水分・塩分などのバランスも大切ですが、血流促進エネルギー産生の事も考えて、正しい熱中症対策をして下さい。


いつもありがとうございます。
愛・感謝 五月雨ジョージ

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