2012年11月9日金曜日

微小循環基礎講座 対策編④【血栓形成の原因】


高血圧型からメタボ型へ

若年層の脳卒中が増えている

日本人の死亡原因のベスト3に入る脳卒中(①ガン、②心臓病、③脳卒中の順)ですが、脳卒中のうちでも高血圧が主な危険因子となる脳出血は減少しています。そして、動脈が詰まって血液が流れなくなり、そこから先が酸欠状態で壊死してしまうのが脳梗塞。脳の血管に直接、血栓ができて詰まることもあれば、心臓付近ではがれた血栓が血流に乗って脳までたどり着き、そこで血管を詰まらせることもあります。障害が起こった場所によって、意識がなくなったり、ろれつが回らなくなったり、手足がまひしたりといった発作が起こり、後遺症として運動障害や言語障害があり、QOL(生活の質)を低下させてしまいます。

脳卒中に関してはどこかに「お年寄りの病気」という気持ちがあるようですが、米国神経学会誌「Neurology」に報告された調査研究によると、近年、脳卒中の発症が若年齢化しているとのことです。
 調査研究では米国中西部の中規模都市圏(人口130万人前後)の住民を対象に、93年7月から94年6月までと、99年、05年のそれぞれ1年間ずつのデータを比較しました。93~94年当時の脳卒中の平均発症年齢が71.2歳だった一方、05年は69.2歳へ低下していましたが、55歳未満(20~54歳)の発症を見ると、93~94年の12.9%に対し、05年は18.6%に上昇していたのです。
 国内の状況はというと高齢患者の増加に隠されがちですが、この数年、70年前後に生まれた世代の脳卒中患者が増加傾向にあることが明らかになっています。この世代は高度経済成長期真っただ中に生まれました。この時期を境に日本人は小児期から欧米型の食生活にどっぷりつかり、社会や生活文化もガラリと変化しました。70年代までの日本人の脳卒中といえば、しょっぱいもの好きが生み出した高血圧が主要因と考えられていました。しかし、それ以降は塩分摂取が減る一方で、“高脂肪食”つまり欧米型の食事が増加。これを背景にした耐糖能異常*、脂質異常症、肥満の「メタボ型」脳卒中が増えてきたのです。
 現在では、脳卒中は「お年寄りの病気」ではありません。そして、つらい現実としては、脳卒中発症後の復職率は3割程度で、それもほとんどが軽症に限られた話なのです。復職もさることながら普段のQOLの確保も重要です。
 今回の微小循環基礎講座は、脳梗塞の原因“血栓”についてです。
※参考:Diamond Online「カラダご医見番」第124回(2012.11.05)より

*耐糖能異常とは:インスリンが分泌されているにも関わらず食後の血糖値が一定以上に高くなり、将来、2型糖尿病に移行する可能性が高いとされる病態をいいます。正常と糖尿病との間に位置するため、「境界型糖尿病」ともよばれています。


康復医学の基本 微小循環基礎講座 対策編④

■血栓形成の原因

血液は、身体を循環するときには凝固したり血栓を形成したりはしません。しかし、血管の障害血流の低下により、血栓が起こりやすく凝固しやすくなります。 
 血栓の形成には3つの大きな要因があります。

①血管内皮細胞の傷害 
 ストレスや喫煙、高脂血症、高血圧、肥満、糖尿病などが原因で血管内皮細胞が傷つき、そこから血栓が生じる。

②血流の緩慢
 長時間の同じ姿勢により血管が圧迫されることで、血流が緩慢または停止している場所や、動脈瘤、静脈瘤、心臓内など血流が渦巻く場所に血栓が生じやすい。

③血液の変化粘度の増加、繊維素溶解活性低下、血液凝固因子の増加など)
 高脂血症や脱水症状時、妊娠・出産時、老齢などでは血液成分が変化しているため血栓が生じやすい。

霊芝の実験的血栓形成への影響


 本実験の中で血栓の形成に対して、霊芝を投与し、ウロキナーゼ(臨床でよく使われている血栓を溶かす薬)と比較した結果、霊芝は血栓形成に対して、抑制する作用を有することが見出された。      
※資料抜粋:『HM真菌エビデンス~自然食菌の同定から臨床まで~』(微小循環研究所刊)

 形成し始めると次から次へと形成する血栓。この血栓に霊芝は影響を与えます。血栓の形成傾向にある場合は、霊芝が血栓形成抑制に期待ができます。また、霊芝は血栓を溶かすのではなく、多くできやすい血栓形成に影響するものなので、副作用などの心配はありません。
 血栓の対策は、血流対策だけでなく、脳・心臓血管障害など血管の病気の対策にも期待ができるのです。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

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