お風呂でウトウト、気持ちはいいが実は危険!
一日の疲れを癒す入浴、実に気持ちの良いひと時です。湯船でリラックスするうちにウトウトし、気が付けば眠ってしまった‥‥という経験がある人もいるのでは?しかし、この眠気には通常の眠気とは異なる場合があり、危険なのです。「入浴中に気持ち良くウトウトするのは、実は眠気ではなく、失神寸前の状態なんです」と語るのは国際医療福祉大学の前田眞治教授です。
「胸までお風呂に入ると、数秒後から血圧が急に下がり、その後、数分でさらにじわじわと下がり始めます。この血圧低下により脳に血流が十分に行き届かなくなった場合、“眠気”として感じられるのですが、実際は失神一歩手前の状態になっているのです」
数秒後に起きる血圧低下は水圧による心臓圧迫で、「湯船に胸まで浸かると心臓はぎゅっと強く抱きしめられたような状態になり、通常時よりも拡がらなくなる。すると心臓に入ってくる血液も少なくなり、力強く鼓動できなくなります」(同教授)。
その後の数分後に下がる血圧低下は湯船に長く浸かっていることで起きる“皮膚の血管の拡張”です。血液が皮膚に集まり、脳に行く血液が少なくなります。これによって脳が血流不足となると、脳活動が低下してしまうのです。
もっとも、大半の人は入浴中に血圧が下がっても脳血流は保たれます。つまりウトウトしている全ての人が失神寸前の状態というわけではなく、「そうしたケースは一部であり、多くはリラックスして(副交感神経が優位になって)ウトウトしている」(同教授)のだそうですが‥‥。
ただし、見た目だけでは、どちらなのかは区別がつきません。脳の血流不足によって、実際に失神に至ってしまうこともあります。これが原因とみられる入浴中の溺死事故も少なくありません。一般的な失神時には、めまいなどの前触れのあるケースが多いですが、入浴中の場合はめまいよりも意識低下が先に起きると考えられます。本人も変化に気づきにくいだけに、注意する必要があります。
■入浴中のトラブルとその対策
右に掲載した表は、浴室で発見された死亡者の解剖例1,441例のデータを年齢別にしたグラフです。法医学では入浴中の死亡原因のベスト3は虚血性心疾患、脳血管障害、溺死となっています。入浴中の急死者全体で見ると3,977名(H23)となっています。一方、交通事故で亡くなった方は昨年H26年で4,373人(全日本交通安全協会による)ですので、少なくとも浴槽内での死亡者数は交通事故死亡者数とほとんど一緒ということが言えます。
入浴に伴う物理的作用
入浴に伴う物理的作用として「温熱作用」と「静水圧作用」があげられます。浴槽につかると温熱により末梢血管が拡張し、血流が脳や心臓などから末梢血管に再分布します。一方、身体(腹部から下半身)に水圧(静水圧)がかかり、静脈還流が増加し血圧および心拍出量が増加します。これら臓器血流の再分布は、高齢者では虚血症状の生じる原因となります。また浴槽内で立ち上がると急激に静水圧が解除され、心拍出量が低下し失神、めまいを生じることもあります。
入浴に伴って血圧も変動する
入浴に伴い血圧も著しく変動します。寒い脱衣所で体温が下がり、急激に血圧が上昇して脳出血のリスクが高まります。その後浴槽につかると血圧は下降、脳や心臓、消化管など重要臓器の血流が低下し、脳梗塞や心筋梗塞のリスクとなります。日本人に多い長時間の高温浴は発汗による脱水や血液凝固を促し、さらにリスクを増大させます。血圧低下は湯温にも影響され、たとえば42℃のお湯につかって出た後の血圧低下は12時間も持続するといわれています。そのため、入浴中のみならずお風呂から出た後も脳梗塞や心筋梗塞を合併する可能性が高くなります。高齢者ではこのような血行動態の変動に対する自律神経系の反応が低下しており、そのことが入浴中あるいは入浴後の意識障害を引き起こし、入浴中の事故につながっているのです。
浴槽内での意識障害や脱力発作は、溺水・溺死につながります。
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【対策】 入浴中の急死を回避するための8つのポイント
①体調が優れないときは入らない②脱衣所と浴室の温度差に注意
③湯温は41度以下に
④入浴前後に十分な水分を取る
⑤入浴前にかけ湯をする
⑥入る前に家族に声がけを
⑦浴槽のふたで半身浴(溺死予防)
⑧浴槽から出るときはゆっくりと
(山形県庄内保健所リーフレットより)
さらに普段から丈夫な血管と良好な血流を意識して対応しておきましょう。
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いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 村雨カレン
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