認知症、岐路に立つ治療戦略
新しいことを覚えられない、すぐ忘れてしまう。ひょっとして認知症では?50代半ばのAさんが医師を訪ねると、「大丈夫。認知症の人は、本人より周囲の人が気付いて連れてくることが多いんです」と言われました。ひと安心のAさんですが、認知症は難敵です。
今症状が現れていなくても、頭の中では静かに病変が進行しているかもしれません。克服のめどはあるのでしょうか。
認知症のおよそ半分を占めるアルツハイマー病の患者の脳では、「老人斑」(β(ベータ)アミロイドの蓄積)が見られます。アミロイドを分解すれば、アルツハイマー病を治すことができるのではないかと考えられました。薬やワクチンが開発されて、各国で臨床試験が行われたのです。しかしアミロイドの除去はできても、症状の改善はみられませんでした。
ここ数年でこうした結果が明らかになり、落胆の末、研究者の路線は二つに分かれました。
一つのグループはこう考えます。
「アミロイドの蓄積は、症状が現れる15年から20年も前に始まる。発症の前から薬を投与すれば治るかもしれない。だから早期発見を図るのだ」。
また、別のグループは、
「アミロイドは治療の標的にはならず、別の標的『タウたんぱく質』を狙うべきだ」
と考えました。性質が変わったタウが集まってかたまりを作ると神経細胞死を招きます。それを防ぐ候補物質について、臨床試験の準備が進んでいます。
認知症の研究は分岐点に立っています。どの方向に進めば正解かは、まだ分からないのが現状です。
薬物療法についていうならば、アルツハイマー病を根本的に治療する薬は未だにないのです。しかしアルツハイマー病と診断されると、多くの場合は薬が処方されます。一つの例が「アリセプト」という薬です。この薬には、神経伝達物質のアセチルコリンを脳内にとどめておく働きがあります。それによって、病気の進行を抑える効果が認められているのです。
ただしすべての患者に効果があるわけではありません。
出典:中日新聞
■認知症対策の具体化に向けて
認知症対策としての糖尿病対策
認知症を減らすためにすぐできる方法、それが糖尿病対策です。糖尿病患者が認知症になる割合は、正常者の2~4倍とされます。脳内でインスリンが働かず高血糖が続くと、神経細胞が壊れやすくなる仕組みがあるようです。糖尿病患者の認知症には、典型的なアルツハイマー病とは少し違った病像がみられることから、
『糖尿病型認知症』というものが存在するのではないかとみられています。
決定的な薬剤がない今、現実的な方策として、糖尿病はじめ生活習慣病の予防と治療をすることが、認知症対策としても有効ではないかと言われています。
DHAとEPAが認知機能の低下を低減
運動や食事といった生活習慣を改善することが、認知症の予防につながることは実証されています。運動が効果をもたらすメカニズムとして、脳血流の増加作用、神経成長因子への刺激、脂質代謝の改善、血糖を下げるインスリンに対する細胞の感受性(インスリン感受性)の改善、免疫機能を介する作用などが挙げられています。
また、食事について注目されているものとして抗酸化物質が挙げられます。野菜や果物は抗酸化物質を豊富に含んでいます。
さらに、不飽和脂肪酸が認知機能の改善に良いことも知られています。特にオメガ3系脂肪酸であるDHAとEPAには、脳卒中や心筋梗塞の原因になる血栓を予防する効果や、抗炎症作用、降圧作用、インスリン感受性を良くする作用など、多くの効果があるといわれています。加齢による記憶力などの認知機能や記憶力に関係する脳領域で脳委縮を低減するという調査結果も米国で発表されています。DHA(EPAも体内でDHAに変換されます)は脳、特に脳神経に多くある成分で、加齢による記憶力などの認知機能の低下、さらには認知症の予防に役立つことが期待されています。DHAとEPAはマグロ(脂身=トロ)やサバ、サンマ、イワシなどの青魚に多く含まれています。
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康復医学学会の独自構想
現在、康復医学学会の研究のもと、認知症の予防・改善に影響する新たな製品開発が進んでいます。抗酸化作用や血流改善作用のある主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」だけでも、認知機能の改善実績がありますが、新製品では、より認知症に特化した成分をバランスよくブレンドしています。本基礎講座5月11日号でもお伝えしましたが、康復医学学会ではこの製品を使用しながら、自治体と協力して「認知症ゼロの町」構想も進めております。
いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 村雨カレン
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