外呼吸と内呼吸
エネルギーとは「仕事をする能力」という意味を持つギリシャ語の「エネルゲイア」から派生した言葉です。意味としては「①活動の源として体内に保持する力。活力。精力 ②物理学的な仕事をなし得る諸量(運動エネルギー・位置エネルギーなど)の総称」(広辞苑)。
そして、人が生きていくために必要なのもエネルギーです。そのエネルギーになるのは、食べ物などから摂取する栄養素「炭水化物」「脂肪」「たんぱく質」です。これらはすべて代謝され、ミトコンドリアで酸素と反応させてATP(アデノシン三リン酸)というエネルギーを作ります(TCAサイクル)。この反応の過程で、およそ300gの水が副産物としてできます。酸化の過程でできるので"酸化水"と呼ばれていますが普通の水です。
成人1人が1日に必要な水は約2.5リットル。酸化水は必要量の1/8程度で、大した量ではありませんが、この程度の水が重要な意味を持つ動物がいます。灼熱の大地、砂漠にいるラクダです。コブの中には水があるのでは? とお思いでしょうが、実はあのコブの中には脂が蓄えられているのです。皮膚から汗をかかないなど、水を極端に節約できる体の構造をもつラクダは、このコブの中の脂肪を酸化して作る酸化水を役立てているのです。
話はそれましたが、人は1日にどれくらいのエネルギー(ATP)を作っているのか計算すると‥‥。成人男子が1日分の食事として摂取した2000kcalのうち、半分の1000kcalがATPの合成に消費されます。これは重さに換算すると、およそ50kgにもなり、体重分ほどの量のATPを毎日合成していることになります。この合成には、ATP合成酵素という酵素が働いています。もちろんエネルギー産生機能が正常に働いてのことです。生活習慣やストレス、老化などで産生機能が数字よりも低下している人が大半です。
各細胞内に酸素・栄養素を取り込んでミトコンドリアがエネルギーを産生するのと同時に、細胞外に二酸化炭素・老廃物を排出するので、このガス交換現象のことを生化学的に「細胞呼吸」といい、「内呼吸」とも呼ばれています。そして、もうひとつの呼吸、体に酸素を取り入れる肺でのガス交換を「外呼吸」と呼んでいるのです。(出典:『生命にとって酸素とは何か』小城 勝相/ブルーバックス)
■ミトコンドリアの細胞呼吸
通常の細胞は酸素・養分を取込み、細胞内に存在するミトコンドリアが細胞の中で呼吸をして、体が機能するためのエネルギーを産生しています。また、二酸化炭素や老廃物などの不要物を処理・排出します。酸素・養分・不要物を運ぶのは血液です。
エネルギー産生の要、細胞呼吸はその機能だけではなく、酸素や栄養素の供給、不要物の排出などを行う血液・血管(微小循環)などとの連携プレーが必須です。
地球上の生物のほとんどは、酸素を使って栄養素からエネルギーを取り出しています。しかし、太古の原始生物の中には、酸素を使わずにエネルギーを産生するものもありました。
エネルギーを作り出すしくみ 【解糖系】と【TCA回路+電子伝達系】
人間が60兆個の細胞の中に"2つのエネルギー工場"を持つのは、太古の細胞同士の合体の名残だと言われています。無酸素でエネルギーを作り出す「解糖系」は、瞬発力に必要な運動に対応する筋肉細胞などに使われますが、長時間には対応できません。また、産生効率もよくありません。
解糖系ではエネルギー産生に限界があり、わずかな生物しか存在しませんでした。しかし、多くの生物が細胞にミトコンドリアを宿すことによって、酸素を使い効率よくエネルギーを産生して飛躍的に進化していったのです。
エネルギー産生と酸素
人は酸素を使って栄養素からエネルギーを産生しています。エネルギー産生に必須な酸素は、血液の赤血球のヘモグロビンと結合し、全身を網羅している血管によって体の隅々まで運ばれ、微小循環の毛細血管によって60兆の細胞へ供給されます。しかし、運ばれた全ての酸素が細胞に供給されるわけではありません。
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赤血球のヘモグロビンは、酸素と結びついて細胞に酸素を届けますが、せっかく吸収した酸素も細胞に供給できないと意味がありません。結合した酸素を切り離し、酸素を効率よく供給するのが「2,3-DPG」という物質です。低酸素の高山地域に住んでいる人々は、この2,3-DPGが体内に多く存在することが知られています。
「HM-3000(特系霊芝)」には、2,3-DPGの生成を促す作用があることがわかっています。
いつもありがとうございます。
愛・感謝 村雨カレン
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