前々回、早秋の訪れの予感をお伝えしましたが、過去の10年で見ると、今年の6月の海面水温は01年と比較的似たパターンだったということです。また、共通するのはその原因が「エルニーニョでもラニーニャでもない」ということで、このような場合は、特に猛暑や冷夏になりやすい傾向にはありません。そして、01年は早い梅雨入り・梅雨明け、6、7月の猛暑という点と、8月は北日本で涼しい夏、西日本で暑い夏。下旬になると、台風11号の北上とともに夏は去っていき、秋の訪れは比較的早かったというのが今年と共通する点です。
地球全体の天候を大きく支配するものに「海洋」と「大気」があります。その海洋には、「海流」という地球規模の循環があります。発生する原因は諸説あるようですが、大きく表層循環と深層循環に分けられます。海面での風によって起こされるのが表層循環、温度あるいは塩分の不均一による密度の不均一で起こる「熱塩循環」が深層循環です。この二つを総称して、海洋循環と呼ばれています。そして、急激に変化する気候の原因について、有力な手がかりが「熱塩循環」(深層循環)といわれています。たとえば、北ヨーロッパ沿岸では北方に流れる暖かい表層水の影響によって温暖な気候ですが、北大西洋に大量の真水が流れ込むことで深層循環が変化・乱壊しまうため、急速に温度低下が表れ寒冷化することがわかっています。今まで北大西洋では、少なくとも8回の真水が流入した証拠があります。北大西洋の堆積物の分析からこの大量の真水の犯人は、膨大な氷山が融けたことによって生じたものであると説明されています。おそらく真水の流入により海洋大循環(深層循環)の変化と大気側からの気候変動による変化が相互に関係し、地球規模の環境変動を引き起こしているのではないかと考えられています。日本近海では、黒潮(日本海流)、親潮(千島海流)などが知られていますが、7月27日には、沖縄方面からの黒潮に乗って温暖な海域にすむ種類のサメ、ジンベイザメが千葉の館山で捕獲されました。今年で2年連続です。これも、海流の変化により温暖な海域が北へ移動しているのが原因と考えられています。
110731読売新聞:館山市波左間沖の定置網に迷い込んだジンベエザメ(岩井紀暁さん撮影) |
8月2日現在、南大東島付近に台風9号が来ています。これが日本列島へと進路を取った場合、01年の夏と同じ共通点がひとつ追加され、早秋の可能性が‥‥。地球も身体も循環(海水と血液)が大きく影響するようです。
■流行期を迎えている「手足口病」と
今シーズンのインフルエンザ
秋の訪れが早いと予想される今年ですが、現在流行している「手足口病」は、口腔粘膜や手足などに水疱性の発疹ができる急性ウイルス性感染症です。乳幼児を中心に流行する疾患で、稀に、髄膜炎、小脳失調症、脳炎などの中枢神経系の合併症などのほか、心筋炎、急性弛緩性麻痺などの多彩な臨床症を呈します。
●感染者数は過去最高を更新
過去の発生動向調査を見ると、現在手足口病の発生はそのピークを迎えつつあるものと推察されますが、これまでの最多報告数を更新しており、その発生動向には今後も注意が必要です。上のグラフを参照すると恐ろしいくらいの急増です。(国立感染症研究所 感染症情報センター) |
●今シーズンのインフルエンザワクチン、14%増と予測!
ことしの冬に必要なインフルエンザワクチンについて、厚生労働省は、これまでで最も多い最大で2700万本余りと予測しています。去年実際に使われた量より最大で14パーセント増えると見込んでいます。
●ウイルス対策はウイルスの不活化
ウイルスによる感染症は、疲労、ストレス、基礎疾患などがあると体力や免疫などが低下し、感染、発症しやすくなります。ウイルスは口や鼻から入り感染します。予防のチャンスは、上気道にあります。したがって、予防対策としては「のど飴」形態のものが良いでしょう。長時間のど内に付着して留まるので、ウイルイスの不活性化が期待できます。流行に対しては、時間が経過すると危機意識が低下すると懸念されます。
今シーズンも規模の多少はあれ、インフルエンザの流行は間違いなくやってきます! ご注意ください。
いつもありがとうございます。
愛・感謝 五月雨ジョージ
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