向精神薬処方の低年齢化の弊害
今年の3月に、厚労省の研究班が全国の小児神経専門医など1,155人に対して「発達障害」がある子供への向精神薬処方についてのアンケートを実施しました。
アンケート結果によると、回答した618人のうち約3割が小学校入学前の幼児に向精神薬を処方していて、小学校低学年まで含めると5割以上、高校生まで含めると7割を超えていたそうです。
しかし、「本来、『発達障害』と診断されるべきで薬の必要のない子供が『初期の統合失調症』と誤診されて、向精神薬を処方されるケースが実に多い。その場合、診断・治療法が間違っているので当然効果はなく、薬の副作用にだけ苦しめられることになります」。
多くの向精神薬は麻薬や覚せい剤と同じく脳の中枢神経に作用する。これを成長過程にある子供に処方するのは危険極まりないと、林試(りんし)の森クリニック・石川憲彦院長は言います。
「15歳までの子供の脳は未発達で大人の脳とは全く別物です。精神に作用する薬は脳の発達を阻害する恐れあり、子供への処方は大人の何倍も危険です。また、脳細胞は他の臓器と違い、一生の間ほとんど細胞が入れ替わらないため、蓄積的な作用による危険も増幅されます。従って12歳まで薬を処方しないのが大原則。15歳になってもなるべく薬は控えて問題を解決するべきでしょう」。
それでも、冒頭の調査結果のように向精神薬処方の低年齢化は進んでいて、特に近年懸念されているのが「発達障害」を口実にした処方だそうです。
もともと発達傷害は、知的障害や脳性まひの子供を意味していました。しかし近年になり「学習障害」「注意欠陥多動性障害(ADHD)」など、病気の概念が拡大され、これに伴い、年端もいかない子供に精神科や心療内科の受診を勧める学校関係者が増え、子供に対する向精神薬処方が急増しているそうです。
また、発達障害は、大人になっても症状が止まらない「成人ADHD」の存在が知られています。家事をしようとしても、何から手をつけていいのかわからず、片付けているそばから物が散乱していく、本を読み始めると止まらない、無性に車の運転をしたくなる、などの症状があらわれます。彼らには、注意力を維持しにくい、時間感覚がずれている、様々な情報をまとめることが苦手、等々の特徴があるそうです。そして、大人の場合は日常のストレスも関係しているそうです。 【SAPIO11/16号より】
■ ADHD(注意欠陥多動性障害)
多動性、不注意、衝動性を症状の特徴とする発達障害もしくは行動障害のこと。集中困難・過活動・不注意などの症状が通常7歳までに確認されます。しかし、過活動が顕著でない不注意優勢型の場合、幼少期には周囲が気付かない場合も多いそうです。
成人にもあるADHD
ADHDは、近年は大人になっても残る可能性があるといわれています。その場合は多動ではなく、感情的な衝動性(安定性がないことや短絡的に結論に飛躍し順序だてた考えでなく感情が優先しすぎ)や注意力(シャツをズボンから出し忘れていたりファスナーを締め忘れていたり、こういった日常の行動が人並みでない‥‥など)や集中力の欠如が多いそうです。
成人の場合、ストレスも関与
ストレスによる生体反応を見てみると、ストレスの刺激(物理的または心理的)を受けると生体反応が起こることから、自覚症状や疾病があらわれるのがわかっています。そして、ADHDは精神神経系の生体反応が考えられるといわれています。
ストレスによる精神神経系の生体反応
ストレス⇒CRH*↑⇒5-HT↓⇒精神的自覚症状↑
●関連する疾患と症状
ノイローゼ、パニック障害、ADHD、PTSD(心的外傷後ストレス障害)、緊張性頭痛、偏頭痛、不眠、睡眠障害、心因性多飲多食症、拒食症、うつ状態など。
★CRH(コルチコトロピン放出ホルモン)というストレスホルモンが増加してセロトニン放出を抑制するという変化が表れることがわかっています。CRHは、痛みや冷熱、大きな音、不安や恐怖などのストレスに対して、脳の視床下部や偏桃体などから分泌されます。
【ストレスによる精神神経系対策】
現在、ADHDなどに主に処方されている薬は、脳内神経伝達物質のドーパミンやノルアドレナリンに作用する薬です。脳内神経伝達物質はバランスが大切ですが、ストレスによりストレスホルモンが放出されセロトニン神経が抑制されることがわかっています。脳内神経伝達物質のバランスを司るセロトニン神経の活性には「ラフマ」が期待できます。また、自覚症状の軽減や薬に対する副作用対応などには、微小循環の血流対策として「霊芝」が、期待が持てます。
いつもありがとうございます。
愛・感謝 五月雨ジョージ
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