たんぱく質の需要は若者より高齢者
高齢者と若年者が同じ栄養条件を与えられた場合、高齢者の血漿中のアミノ酸の含有量が低く、特にBCAA(必須アミノ酸の一種/前回参照)が不足することが、近年の研究で報告されています。
BCAAはたんぱく質合成作用があり、また体内の生理活動中にエネルギーが消費されるときには大量の酸性物質が発生します。アミノ酸が不足していると抗酸化作用が低下するため細胞の分裂が加速され、疲労や組織の老化の原因となります。
老化の抑制や抵抗力の強化、免疫機能の促進など、高齢者の健康を維持するためには、ミネラルや糖分を含む食品の摂取が必要となります。そして免疫機能を支える基本はたんぱく質で、すべてがたんぱく質から作られています。このため人体にたんぱく質やアミノ酸が不足すると、ミネラルや糖分はその機能を果たさなくなってしまいます。
老化による免疫能力の低下はその他の器官にも影響を与えるので、感染症や癌、免疫複合病などは高齢者ほど発症率が高まるのです。
そして、近年の研究結果で、ストレスなど精神的に極度に緊張した状態や病気の時は、本来体内で合成されるはずの非必須アミノ酸が不足しやすいことも分かってきています。
では、どのくらい不足しているかというと、高齢者の体内総たんぱく質量は若年者の60~70%まで下がっているそうです。これは、高齢者においてはたんぱく質の合成より分解が主となり、また胃液の分泌が減ったり、胃液の酸度が下がることで、たんぱく質の消化吸収量が減少するからです。そのため加齢と共に筋肉量が低下しますが、たんぱく質の需要量は逆に増えるのです。
一般的には成人期の30%増くらいが目安だそうですが、年齢と共に食欲や消化吸収力も低下するので食事だけで30%増は大変です。
サルコペニア⑨
■ 老化とアミノ酸
高齢者の生理・栄養状態は、老化の進み具合によって変わってきます。
たんぱく質に関していえば、乳幼児から成長期まではたんぱく質代謝の過程で、合成が分解より大きくなります。これは身体が成長する中で多くのたんぱく質を必要とするからです。そして成人期になると、合成と分解がほぼ等しくなり体重も安定しています。さらに老年期に入ると老化の過程で分解が主となり、合成はゆったりとしてきます。
たんぱく質代謝の低下による症状
● 筋肉繊維が衰えて体力が低下し、サルコペニアの原因にもなる。また、免疫能力も低下する。
● ヘモグロビンの合成が減少して老人に多く見られる貧血症になる。
● ホルモンの働きや小腸の機能が衰えて、たんぱく質の吸収過程で分解が不十分となり、有効なアミノ酸量が不足がちになる。
● 腎臓のロイシン、イソロイシン、バリンの不足によって腎機能が低下し、アミノ酸の再吸収に影響が出る。
● 肝臓にメチオニンが不足して肝機能が弱まり、脂肪肝になり易くなる。
● 脳細胞にリジン、トリプトファン、アルギニン、グルタミン酸などが不足しがちになり、老年性痴呆症やパーキンソン氏病を誘引する。
食事による負担を軽減し効率よく補給!
高齢者の場合、食欲の低下に加え、胃液の分泌が減ったり、胃液の酸度が下がることで、たんぱく質の消化吸収量が減少するため、食事などによる補給が難しい場合があります。鮪・昆布・椎茸の三大素材を用いた和漢研の『薬膳の素』は、食事による負担を軽減できる“だし”タイプです。アミノ酸スコア100で吸収力が高いコラーゲンペプチドを豊富に含んだ、理想的なBCAA補給源です。
いつもありがとうございます。
愛・感謝 五月雨ジョージ
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