やせメタボ?
いまや肥満の代名詞として使われている“メタボ”。4月5日号でもお伝えしたように、腹囲が必須の現行基準は科学的根拠が薄いと批判が多く、今後は肥満でなくても血圧などが高い人への指導を確実に実施することになります。しかし、その本当の怖さをちゃんと理解している人は少ないようです。メタボの第1歩目は、いうまでもなく内臓脂肪の蓄積にあります。昭和大学病院糖尿病・代謝・内分泌内科の平野勉教授は「体内の腸の周りにたまる内臓脂肪にはとりすぎたエネルギーの貯蔵庫の役割があるが、たまりすぎると門脈という血管を通して脂肪(遊離脂肪酸)が肝臓に流れ込み、そこで中性脂肪がたくさん合成されるようになる」と話しています。そして、この中性脂肪上昇がメタボの第2歩目なのです。血糖値を調節するインスリンの働きを低下させたり(インスリン抵抗性)、コレステロールの代謝を異常にする原因となります。しかも、増えすぎた内臓脂肪からは悪玉ホルモンが分泌されインスリンの働きはさらに低下、血圧上昇も引き起こされます。
こうなると一気にメタボは進行します。脂質異常や高血圧は太い血管の動脈硬化を進め、血糖の上昇は毛細血管など中小の血管の機能を低下させます。つまり全身の血管を少しずつ痛めつけていくのがメタボなのです。進行すると脂質異常症、糖尿病、高血圧症などの病気を発症しますが、病名がつかない状態でも動脈硬化は密かに進み脳血管疾患(脳出血・脳梗塞)、心疾患(心筋梗塞・狭心症・心不全)のリスクを大幅に高めることになります。
メタボの進行を食い止める基本が肥満解消にあることは知られていますが、これが逆に「自分は太っていないから大丈夫」という誤解を生みがちになっているのです。「欧米人と比べて日本人には糖尿病を発症しやすい体質を持っている人が多いため、見た目はスマートでもメタボが進行していることがある」東京慈恵会医科大学晴海トリトンクリニック・阪本要一所長談。日本人は、もともとすい臓の機能が弱い人が多いので、内臓脂肪が少し多くなっただけでも血糖値が高くなる「やせメタボ」タイプになることが多いそうです。つまり、自分の体の中でどれだけメタボが進行しているかは、体形だけでは判断できないのです。
(日経ヘルス・フォーメン2012年春号を参考に抜粋)
■動脈硬化の対策
メタボでなくても要注意! 40歳以上は、代謝異常症候群
代謝異常症候群とは、血液中の糖や脂肪を分解する体の代謝が正常でなくなる症候群のことです。肥満や血圧・血糖など個々の検査データはそれほど悪くないのに要注意項目が複数ある状態で、内臓脂肪が過剰に溜まってくると起きやすくなります。40歳以上の男性に多く、心臓病や糖尿病などのリスクが大幅に上昇することが国内外の研究で判明しています。内臓脂肪が蓄積すると、脂肪細胞から分泌される「アディポサイトカイン物質群」。通常は、動脈硬化を防ぐ物質と促進する物質が均衡していますが、内臓脂肪が増えすぎると動脈硬化を防ぐアディポネクチンの働きが悪くなることが分かってきています。
動脈硬化対策は、一酸化窒素の産生促進
動脈などの血管内皮細胞は、高血圧や中性脂肪や酸化ストレスが増加すると、血管内皮細胞が阻害され、NO(一酸化窒素)などの産生が低下、血管が収縮し炎症を起こし易く血栓が形成され易い血管になり、動脈硬化も進行します。霊芝は、血漿一酸化窒素の産生を促進します。
NO(一酸化窒素)は、血管の拡張だけではなく、血小板凝集の抑制、酸化ストレスによる内皮障害の抑制、白血球の内皮細胞への接着の抑制など、重要な役割があります。そして、一酸化窒素産生の促進には、霊芝の効果に期待がもてます。また霊芝は、血流・高血圧対策(4月5日号参照)としても血管内皮細胞の保護に期待がもてます。
いつもありがとうございます。
愛・感謝 五月雨ジョージ
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